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2024年12月26日
NECが保有特許の譲渡により、難病見守りの社会課題解決に挑む米国のスタートアップ企業を支援
NECは、保有する特許の譲渡や活用支援を通じて、スタートアップ企業の成長を支援し、社会課題の解決に取り組んでいます。2024年11月、難病患者の見守りやケアを目的とした先進的なAI技術ソリューションを開発する米国のParrots Inc社(以下Parrots社)に、ヘルスケア分野でも活用が期待される特許1件を譲渡しました。
今回はParrots社CEOのDavid Hojah氏にインタビューを行い、取り組みの背景やNECの特許に関心を持った理由、製品開発への具体的な活用方法、そして今後の展望について伺いました。
Parrots社の事業概要
Parrots社は、AI型ソリューションを通じて、神経変性疾患ケアの課題解決に取り組んでいます。同社の主力プラットフォーム「Polly」は、アルツハイマー病などの疾患に対し早期発見、継続的なモニタリング、介護者の介入を実現し、患者、介護者、医療提供者を支援しています。「Polly」は広く普及しているデバイスで利用可能で、手頃な価格で介護者の負担を軽減しながら成果を向上させています。同社は、見守り介護サービスが行き届いていない地域とのギャップを埋め、AIの力で生活を向上させるヘルスケアソリューションを世界中の人々に提供することを目指しています。
Company URL https://www.flyparrots.com/
診断精度の向上とグローバル市場への展開
NEC特許に関心を持った背景について教えてください。
NECの開放特許は、進化したマーカー生成と検出方法を特徴としており、当社の製品Pollyの患者追跡精度やデータ正確性を大幅に向上させる可能性がありました。この特許技術を統合することで、患者の状態把握、変化の認識についての正確性を向上させることができ、重要な差別化要因となります。また米国市場はもちろん、国際展開を進めるうえでの大きな強みになると考えています。
製品の高度化に向けた3つのアプローチ
具体的にどのように特許を製品に統合する予定ですか?
特許の統合により、以下の3つの進化を実現します。
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患者の身体的・認知的変化を検出する高度な追跡技術の構築
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患者行動をより正確に把握すること
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リアルタイム評価を可能にし、早期の介入精度を高めること
スピーディーな社会実装で、早期課題解決につなげる
NEC特許の取得が貴社ブランドや社会的影響にどのように貢献すると考えていますか?
NEC特許の即時統合により開発時間を短縮し、社会問題解決のニーズに迅速に応えることができます。現在のようなスピード重視の時代では、すぐに実装できる技術が不可欠です。当社のチームには異なる特許や技術を開発した経験やバックグラウンドがありますが、US特許庁からの結果を待つには一定期間が必要です。1年や2年も待つことなく、すぐに成果を出せる点が重要です。また、世界的な大企業であるNECとの共創は当社のブランドへの信頼性を高め、革新的な技術を通じて社会課題を解決するという共通の理念、使命を強調するものです。
AI駆動型ヘルスケアソリューションのグローバルリーダーを目指して
今後の展望についてお聞かせください。
当社のビジョンは、AI駆動型ヘルスケアソリューションのグローバルリーダーになることです。NECとの共創を通じて、イノベーションを更に加速させて世界中の医療課題に挑戦していきたいと考えています。
NECは、保有する特許を開放したスタートアップ企業の支援を通じ、社会課題の解決と新たな価値の創出に貢献しています。今後も、特許の譲渡や活用支援を積極的に推進し、ヘルスケアをはじめとする幅広い分野での社会実装を目指していきます。