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授業内容に合わせて進めるICT活用
掛川市教育委員会様

「かけがわ型スキル」の育成を目指し、授業内容に合わせてICT機器を活用。授業実践をとおして新たな学びによる授業を展開。
掛川市教育委員会では、21世紀に生きる力「かけがわ型スキル」育成のため、指定研究校2校で実証研究を開始。PC教室はVersaPro タイプVZで更新し、普通教室へはVersaPro タイプVTと電子黒板「Brain Board」を設置。電子黒板や1人1台のWindowsタブレットを活用して、学習意欲の向上を図るとともに、効果的な恊働学習を展開する授業研究を行っています。
今回導入機種:VersaPro タイプVT<2013年8月発表商品>
ICTを効果的に活用し“かけがわ型スキル”を育成する実証研究を開始

これからのグローバル社会を生き抜くために求められる能力「21世紀型スキル(国際団体ACT21sが提唱)」から、掛川市の子どもたちに対して、特に身につけさせたい6項目を選択して策定
掛川市教育委員会は、掛川市の子どもたちに身に付けさせたい力として、「思考力」「問題解決力」「意思決定力」「コミュニケーション力」「情報の選択・活用力」「地域や社会の中で生きるためのキャリア体験」の6項目からなる「かけがわ型スキル」を定め、そのスキル育成のためICTを効果的に活用する実証研究に取り組んでいます。そして、その成果を5か年の『掛川市教育情報化推進基本計画』の立案に反映させる予定です。
実証研究では、倉真小学校、大須賀中学校の小・中各1校を研究校に指定。1人1台のWindowsタブレット環境とPC内蔵の電子黒板を整備し、2年間の実証研究に取り組んでいます。研究授業を行う際は、自校の先生のみならず、その中学校区内のすべての学校に案内を出し、参観してもらうように依頼。相互の学び合いの場として活用すると同時に、各校の情報教育担当者も研究授業に参加してもらい、ICT活用について情報を交換する場としても利用しています。
実証研究にあたり、NECはWindowsタブレット、電子黒板などのICT環境整備と、ICTの効果的な活用促進のために必要なICT支援員を提供。実際の導入・運用はNEC静岡ビジネスが中心となって担当しました。

授業実践をとおして新たな学びによる授業を提案

柴田 勝明 様
掛川市教育委員会 指導主事の柴田勝明氏は、実証研究への期待をこう語ります。
「もともと掛川市全体が授業研究に熱心で、前向きにICTを取り入れた授業に取り組んでいる先生が多いので、“かけがわ型スキル”を育成する実証研究が良いきっかけとなり、さらに先生方のICT活用への意識が高まることを期待しています。」
実証研究開始後の子どもたちや先生の意識の変化について、次のように述べます。
「一番の効果は、子どもたちの目の輝きが違い、学習意欲が高まったこと。手軽にICTが使えるようになったことで、先生方の意識も変わりました。子どもたちの理解の深まりを実感できるため、普段の授業の中でも積極的にICTを活用する先生方が増えました。」
また、実証研究におけるICT活用方法と“かけがわ型スキル”育成の授業について、こう続けます。
「ICTは、必要なとき、必要なものを、必要なだけ活用するという考え方で、分かる授業を目標とした授業改善に取り組み、確かな学力定着を目指していきたいと考えています。
実証研究を通じて、“かけがわ型スキル”を育成する授業はどんな授業か、子どもたちが“かけがわ型スキル”を使って授業の狙いを達成する授業とはどんな授業か、ICTを効果的に活用する新たな学びによる授業とはどんな授業か。具体的な授業実践をとおして提案していければと考えています。」


1人1台のWindowsタブレットでの学び合いを視野に入れ、電子黒板を効果的に活用 ―倉真小学校での授業実践―
児童の動機づけと理解を深める説明に、ICTを上手に使い分け

研修主任
三澤 佐知与 様
掛川市立 倉真小学校 5学年担任、研修主任の三澤 佐知与先生は、実証研究における電子黒板の活用方法ついて次のように語ります。
「先生方は、ICTを効果的に使い、授業を分かりやすくする努力をしています。特に子どもが主体的に学び、課題を見つけるための興味や動機づけと、子どもが理解を深めるために説明するときに、使い分けて活用しています。」
学年と教科内容に応じて利用し、協働学習の効果を実感
先生方は、授業の中で効果的と思われる場面で、それぞれ電子黒板を利用し、その効果を実感しています。
- 算数…子どもたちがノートに考えを書いたものを提示し、視覚に訴えて分かりやすく説明。先生も図形や問題を大きな電子黒板に映し、より分かりやすい説明に利用して効果を上げています。
- 国語…子どもの感想を提示し、感想が書けなかった子どもたちもヒントを得て、書けるようになったという事例があります。低学年では、教科書の挿絵を、先生がパワーポイントを作って提示。話の内容がよりスムーズに子どもたちに理解されるという効果を得ています。
- 社会科…デジタル教科書を使い、動画、農業や工業の実際の写真を見ることで、子どもたちの学びが深くなっています。
- 理科…天体の学習で月の映像を大写しにし、模様がどのように目えるかによって、形が変わることや凹凸があることなどを視覚的に分かりやすく学べました。
- 図画工作…4年生の授業では、粘土で生き物を作り、その鑑賞時にデジタルカメラで作品を撮影。それを大きな画面に映すことで、子どもたちが自分の工夫した点を、より分かりやすく、しかも意欲的に説明するのにとても効果的でした。

子どもたちはWindowsタブレットを活用し、先生は情報を分析して分かりやすい授業を実践
三澤先生は、これからのICT機器活用について、次のように展望を語ります。
「今後は、子どもたちがWindowsタブレットを使い、互いに学び合うことや、考えを広げたり深めたりしていきたいと考えています。先生方は、子どもたちの考え方を収集し、分かったこと、分からないことを分析し、より分かりやすい授業を実践していこうと考えています。」


1人1台のWindowsタブレット活用による授業を実践
―大須賀中学校での授業実践―
それぞれの教科に合わせて工夫、効果的なICT活用を実践

森下 華代 様
音楽科教諭で研修主任の森下 華代先生は、ICT活用の授業の工夫、生徒の変化、これからの使い方について次のように語ります。
「例えば、音楽科ではデジタル教科書を使い、これまで難しかった“目で見る楽譜と耳で聞くメロディー”を“視覚と聴覚”で手軽に同時に鑑賞できるようになりました。楽曲への理解が深まったと感じています。
数学科では、今まで紙のワークシートを配布していましたが、今はタブレットにそのまま配信し、生徒がタブレットに書き込み、それを回収することで時間短縮を実現しています。」
生徒が自由にチャレンジする姿勢が見られるように
「3年生の数学では、紙のワークシートだと、尻込みをして何にも手につかない、考えていてもそれが表現として出てこない生徒が大勢いました。それがタブレットにデータとして配信されたワークシートになると、書いたり消したりが自由なので、何とか線を引いてみよう、分かることだけでも書いてみようなど、自由にチャレンジする姿勢が多く見られるようになってきました。」
生徒の試行錯誤の過程が分かる使い方に今後は活用

「今後、音楽科では、歌っているときの姿勢と動画を撮影し、それを自分で客観視することで改善点を見つけ、最終段階としての完全版を残して、前と最後を比較すること。あるいはアンサンブル創作の過程で、どのように聞こえているのか中間的に撮影し、試行錯誤の過程が分かるようにできれば良いと考えています。」


学校ICTにおすすめのタブレットPC
お客様プロフィール
掛川市教育委員会 様

平成26年度の掛川市教育振興基本計画(後期)で制定された、「夢実現に向かう、心豊かで凜(りん)とした市民」の育成に加え、掛川市情報化推進基本計画を実施して「かけがわ学力向上ものがたり」を策定し、「かけがわ型スキル」の育成によって、これからのグローバル社会を担う子どもたちに求められる能力の開発に取り組んでいます。
掛川市立倉真小学校 様

開校が明治5年創立と掛川市で最も古く開設された小学校です。平成23年度から、学校教育目標を「かがやく子」としています。その「かがやき」とは、やれたことに自信をもつ「かがやき」、自分から踏み出す「かがやき」、自分のよさを自信をもって示せる「かがやき」、競い合い仲間と共に高め合う「かがやき」等を目指しています。
掛川市立大須賀中学校 様

昭和22年開校。校訓の「礼・勇・知(礼を重んじ、勇を持って生き、知を研く)」のもと、学校教育目標として「誇りを持ち 共に生きる生徒」を掲げ、安全・安心・学力向上を保障する学校を目指して、生徒の育成に取り組んでいます。
(2014年09月19日)
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