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Windowsタブレットを活用した学び合い

相模原市教育委員会様

Windowsタブレットを活用した学び合いで、
授業の密度が上がり、児童の学習意欲も向上。

神奈川県相模原市で3か年の学校の情報化推進計画を2014年度よりスタート。図書検索用PCの機器更新の際に、情報活用能力の育成、ICTを利活用した授業改善などを目的に、市内の市立小中学校全109校へWindowsタブレットの継続的な整備を計画しています。

今回導入機種:VersaPro タイプVT<2013年8月発表商品>

グループ単位での活用を想定し、ディスプレイサイズと
動画再生性能を重視して、機器を選定

相模原市立総合学習センター 学習情報班 指導主事 竹鼻直樹様にICT整備やタブレット導入の背景について伺いました。

相模原市の小・中学校のICT環境は、どのようなステップで推進・整備を進めていますか?

竹鼻様:
相模原市では、市の作成する「総合計画」をもとにして、学校のICT環境について具体的な施策や整備方針をまとめた「学校の情報化 推進計画」をまとめ、推進しています。現在は平成26~28年度の計画に基づいていますが、図書検索用PCについては平成25年度の機器更新からタブレッ トPCに置き換え、整備を図っています。

今回図書検索用PCをノートPCからタブレットPCに置き換えられた背景を教えてください。

竹鼻様:
従来の図書検索用ノートPCは、調べ学習用として図書室での使用のみでしたが、タブレットPCにすることで、図書室だけではなく、普通教室に持っていき、調べ学習や授業でも使えるようになりますので、活用の幅が拡がると考えました。

タブレット端末の更新・選定に対して、重視された要件はありましたか?

竹鼻様:
特に画面サイズに関しては、複数の児童が覗き込めるように10インチ以上が必須でした。

現在、各校で行われている Windowsタブレットを活用した学習について、どのような成果を期待されていますか。

竹鼻様:
先ずは写真を撮って生徒に見せる・動画を皆で見合うといったことからで良いので、一人の得意な先生がずっと使うのではなく、少しの時間でも多くの先生方に活用してほしいと思います。
タブレットPCを導入しても授業スタイルは従来とあまり変わらないと思います。タブレットPCを利活用することにより、時間や手間が節約できたり、子どもたちの理解を深めたりするなど、従来の授業を効果的に補えるような良い部分を見出して欲しいと思います。

発表のためのノートを撮影し、大型テレビに転送。
大判の画用紙に書き直す手間が不要に

相模原市立大沼小学校 丸山 香 教諭の写真
相模原市立大沼小学校
丸山 香 教諭

2013年12月、相模原市立大沼小学校は、図書検索用PCの機器更新の時期になりました。その機器更新にあたっては、市の「学校の情報化推進計画」に沿ってWindows タブレットを6台導入。2014年1月から、おもに高学年(4~6年生)を対象に、授業での活用を開始しています。

国語や算数の授業では、授業資料や子どもたちが書いたノートを内蔵カメラで撮影し、50型テレビに無線転送し、クラス全体で共有することがあります。また、社会の授業などインターネット検索を利用し情報を集める学習においては、子どもたちを4~6人のグループに分け、学び合いをすることもあります。各グループに1台ずつ配布されたWindowsタブレットを使用し、子どもたちはお互いに相談しながら必要な画像を選んだり、情報の取捨選択を行ったりしています。

4年生を担当する丸山香先生は、Windowsタブレットを活用した授業の効果を次のように語ります。

「子どもたちは学習課題に対して、自分やグループの考えを、いろいろな色のペンを使ってノートやプリントにまとめていきます。以前は、その内容を全員の前で発表するために、わざわざ大きな画用紙に書き直すことも多くありました。限られた授業時間の中では、こうした作業により活動時間が足りなくなるという問題がありました。しかしWindowsタブレットを活用することで、発表内容をすぐに大型テレビに映し出せるようになりました。児童たちの手間が省けただけでなく、他のグループの思考を参照にしながら、あらためて自分たちの考えを練り直すなど、授業の密度が高まる効果にもつながっています。」

体育の授業での待ち時間を、見本動画の閲覧によって有効活用

相模原市立大沼小学校 丸山 香 教諭の写真
算数が苦手で、授業に対して後ろ向きになっていた児童がいたのですが、Windowsタブレットの導入をきっかけに、「自分のノートをほかの児童に見てもらいたい」「タブレットを介して大型テレビに映してもらいたい」という意欲が生まれ、今では算数の授業にとても前向きに取り組むようになっています。こうした効果はとても大きいですね。(丸山先生)

大沼小学校では、体育の授業でもWindowsタブレットを活用するようになりました。「跳び箱やマット、ハードルなどの運動領域ごとに、見本として活用できる動画がインターネットを介して公開されています。こうしたコンテンツを授業中に、児童自らが操作して閲覧するという使い方です。通常、ひとりの児童が指導を受けている時は、ほかの児童には、十分指導の手が回らなくなることがあります。その時間にタブレットを操作し、自分がやってみたい技のお手本となる映像を閲覧したり、練習方法を学ぶことを、児童たちが自主的に行っています。Windowsタブレットは、軽くてバッテリ性能にも優れ、子どもたちにとっても扱いやすいICT機器です。ハードルなど陸上運動での身体の動きを内蔵カメラで撮影し、その動画を再生することによって、足の上がり方や跳ぶ位置などの改善点を、自ら学んでいます。」

明らかに便利になることや、現状の授業スタイルを
効果的に補えるような良い面を、積極的に見出すこと

大沼小学校では現在、Windowsタブレットだからこそ効果の上がる授業の方法を、試行錯誤を重ねながら確立しようとしています。また多くの教員から、もっと授業で活用してみたいという声が上がっているため、2015年度はより積極的なICT活用を目標に掲げ、Windowsタブレットの研修を行う予定です。
2014年度は、児童の夏季休業中に、教員向け校内研修を実施しています。また、総合学習センターにおいても、教員向けの研修が実施されました。大沼小学校では、これらに加えて当校独自の研修を増やし、Windowsタブレットの利用頻度を上げていこうと考えています。

これまで、おもに授業の集中度を高め、試行を深めるためのツールとして、Windowsタブレットを活用しています。その一方で、より深いグループ単位での学び合いやプレゼンテーション用途では、まだ十分に活用できていないという認識を持っています。「教員の中には、鉛筆とノートでなければダメだという教員と、すべての授業をデジタルで行おうとする教員とに、はっきりと分かれる傾向もあります。どちらか一方に偏ることなく、デジタルの長所とアナログの良さをバランス良く取り入れることが、児童にも私たちにとっても良いことだと思います。この点に留意しながら、活用の幅を広げていきたいと考えています。」(丸山先生)

Windowsタブレットを活用する教員を増やしていくための取り組み・考え方について、相模原市立総合学習センターの竹鼻様は次のように話します。「まずは先生が、学習に役立ついろいろな写真を撮影して生徒に見せる、あるいは動画を撮影して児童・生徒といっしょに閲覧するといった、簡単な取り組みから始めていけば良いと思います。実際の授業では、Windowsタブレットによって時間や工数が節約できるなど、明らかに便利になること、あるいは従来型の授業スタイルを効果的に補えるような良い面を積極的に見出して、使ってほしいですね。」

タブレットPCの利活用などによって、新たな学びを創造するという、相模原市の情報教育推進事業。授業の改善や児童の学力向上効果が早くも出始めていることから、全国の小中学校からますます注目されることになりそうです。

学校ICTにおすすめのタブレットPC

お客様プロフィール

模原市教育委員会 様

相模原市教育委員会 様

教育目標として、すべての学校の教育指針となる5つの教育方針を明確化。相模原の風土で育まれる“さがみっ子”には、「家族や郷土を愛し 広く世界に目を向け 自ら学び 心豊かに生きる人」を人間像とした、次世代を担う人として大きく伸びてほしいという願いのもと、子どもたちの育成に心がけています。

相模原市立大沼小学校 様

昭和44年開校。学校教育目標を「たくましい生活力と、英知に富んだ児童の育成」とし、3つの心「わくわく」「のびのび」「いきいき」を大切にした教育活動を進めることで児童にとって魅力ある学校の実現を目指しています。

(2015年03月23日)