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全国で拡がる、普通教室でのWindowsタブレット活用
平取町教育委員会様授業でのPC活用機会を増やすため、キーボード着脱式の
Windowsタブレットを町内の全小中学校に導入。
平取(びらとり)町教育委員会は、本格的な知識基盤社会に向かうことを踏まえ、子どもたちの未来のためにより良い教育環境、およびICTを活用しやすい環境の整備に注力しています。2014年夏、普通教室や野外の授業でもPCを活用できるICT環境を整備するため、全小中学校7校にWindowsタブレット「VersaPro タイプVT」を150台とプロジェクター型電子黒板を導入しました。
今回導入機種:VersaPro タイプVT<2014年4月発表商品>
信頼性、バッテリ性能、子どもたちでも持ち運べる本体重量から、機器を選定
5,500人が暮らす平取町は、北海道日高地方の西端に位置します。全国的な知名度を誇る「びらとりトマト」の安定栽培をはじめ、肉用牛「びらとり和牛」の生産、アイヌ文化を今に伝える伝承事業など、恵まれた地域資源を活かした施策に取り組んでいます。
2013年秋、平取町教育委員会では、2014年4月に迫ったWindows® XPのサポート終了を契機に、町内の小中学校7校のPCを更新することを計画しました。「当時、小中学校でのPC活用機会は、決して高いとは言えない状態でした。パソコン教室に設置されたPCの稼働率が低いまま、貴重な予算を割いて単純に機器を更新するだけでいいのかという疑問がありました。」
生涯学習課の下横様は、このように振り返ります。
町内の小学校で、タブレットPCを授業に活用する先生がいることを知りました。「次回の更新ではタブレットPCを導入するというのも、選択肢のひとつだと考えました。キーボード着脱式のタブレットPCなら従来のパソコン教室はもちろん、普通教室での授業にも活用でき、児童・生徒がPCに触れる機会が増えるからです。」
2014年2月、教育委員会は各校の先生に対して、デスクトップPC、Androidタブレット、Windowsタブレットという3つの選択肢を提示し、PC更改についての意向をアンケートで募りました。続いて教員向けICT活用セミナーを開催し、タブレットPCと電子黒板を用いた授業のデモを実施しました。
同年3月に実施された端末整備検討委員会では、
- パソコン教室・普通教室だけでなく、理科室や体育館、野外でも活用しやすいこと
- 従来から学校で使っているWindowsのソフトや、授業支援ソフトウェアが動作可能なこと
「NEC VersaPro タイプVT」を選択した理由について、「授業の円滑な進行を妨げない信頼性、小学生でも楽に持ち運べる重量、キーボードの打ちやすさ、1限目から6限目まで充電なしで使えるバッテリ性能などを評価して決めました。」と下横様は語ります。
アナログの道具とWindowsタブレットの“併せ技”で、子どもたちの理解がいっそう深まる
平取町の中心街から、北東方面へ約18km。緑豊かな森林を縫うように清流が流れ、農耕地が広がる集落に、児童28人・教職員8人の貫気別(ぬきべつ)小学校があります。
1年生を担当する富樫先生は、Windowsタブレットの活用状況を次のように語ります。
「2014年9月の導入当初は、タブレットPCに慣れさせるために絵を自由に描かせるなど、子どもたちにとって楽しいと思えることからはじめました。現在は国語と算数の授業で、Windowsタブレットを活用しています。カメラで撮った教科書のページや動画教材を、プロジェクタースクリーンに映して授業を行っています。重要な学習課題や交流テーマに差し掛かった時、子どもたちは自分の考えを文章や図形・数式などでWindowsタブレットに書き込みます。書き終わったら全員のデジタルワークシートを教壇のスクリーンに一覧で表示し、互いの意見を交換しています。子どもたちは発表内容に合わせて色を使い分けたり、大事なところは強調するなど、上手に使いこなしています。」
「『今からタブレットを使うよ』と言うと、子どもたちからは『やった! タブレットだ』という歓声が上がります。学習意欲が高まることで、理解度もアップしているという実感があります。」
富樫先生の授業の特長は、以前から使用しているアナログの学習道具とWindowsタブレットの“併せ技”です。たとえば、級友のいろいろな考えの中で、「いいね」と思った箇所とその理由を、卓上サイズのホワイトボードにマーカーで書き込み、各自が発表します。
発表を行う時、スクリーンに「いいね」と評価された級友の書いたデジタルワークシートが映し出され、該当箇所に先生がラインを引きます。また、授業の要点に差し掛かると、重要なポイントを大きな紙に記載した「貼り物」を先生が取り出して黒板に掲示するなど、子どもたちの理解を深める細かな工夫を行っています。
「学校では、みんなでいっしょに勉強しているわけですから、わからないことも級友の考えをヒントにして理解していけるという利点があると思います。Windowsタブレットによって、このような利点がより得やすくなっています。」
「Windowsタブレットの導入以前は、低学年の授業では6時間目くらいになるとグッタリした子どもたちも見られました。ところが、Windowsタブレットを活用することで、授業にリズムや変化が出て、現在では子どもたちの意欲が最後まで途切れず、全員が集中して学習に取り組んでいます。」
自分の意見が認められるから、思考力・表現力をさらに高めようと努力する
Windowsタブレットの導入によって得られた効果を、
貫気別小学校 校長 小野様は次のように評価します。
「授業のねらいに沿った活用の仕方を先生方が工夫することで、子どもたちの授業への興味・関心が高まっています。また、先生が細かく教えなくても、子どもたちはタブレットでできることをどんどん発見しています。とりわけ大きな効果は、子どもたち一人ひとりの意見や発表内容が、きちんと認められるようになったことです。表現することでみんなに評価されうれしくなるから、自身の思考力と表現力をもっと高めようと努力する・・・。そんな良い循環が生まれています。」
学校農園、アイヌ文化学習などでの活用を計画
貫気別小学校では、国語や算数に加えて、体育の授業でもWindowsタブレットを活用しています。跳び箱やマットを使う器械体操、ハードルなど陸上運動での身体の動きを内蔵カメラで撮影し、ポイントとなる箇所で映像を停止させて、改善点など個別の指導に役立てています。
教頭の鈴木様は、これからの授業でのWindowsタブレット活用について次のように語ります。
「Windowsタブレットが接続できる無線LAN環境を学内に構築しており、このインフラを活かしたいと考えています。たとえば校舎裏の学校農園で育てている作物に虫が付いていた場合、その名称や駆除の仕方を、農園にいながらインターネットで調べるという使い方です。2015年度には、画像や動画で栽培の過程を記録し、その観察日記をタブレットに直接書き込むような活用を進める計画です。
また、当校は総合的な学習の時間に、アイヌ文化の学習を行っており、資料館などへ取材に行くこともあります。そのときにWindowsタブレットを持って行き、取材のツールとして活用したいと考えています。子どもたちが学校に戻ってから取材の動画や写真を閲覧することで、課題への理解が深まり、学ぶ力が高まると思うからです。
平取町は星がきれいに見える町でもあります。Windowsタブレットは、月の動きや星座の学習などでも、おもしろい使い方ができるはずです。」
Windowsタブレットの使い方を、子どもたちが自ら発見する、先生のスキルを向上させる研修など、次へ向けた取り組みへ
平取町でのWindowsタブレット活用は、まだはじまったばかりです。「Windowsタブレットの導入により、普通教室でもPCが使えるという環境を実現できました。次のステップでは、先生方のアイデアや工夫で、各校ならではの使い方が進んでいくことを期待しています。児童・生徒には、既存の教科書やノートと同じように、Windowsタブレットをいろいろな学習で使ってほしいですね。」(下横 様)
各校の先生同士が学習方法のアイデアを教え合い、子どもたちは楽しく学べるWindowsタブレットの使い方を自分たちで発見していく。そんな活動が、町全体に広がろうとしています。
「タブレットを使った授業では、子どもたちはみんな、目を輝かせています。一人ひとりが活き活きして授業にのぞんでいます。」(小野 様)
学校ICTにおすすめのタブレットPC
お客様プロフィール
平取町教育委員会 様
学校教育において、「夢ひろげ、強くたくましく未来を生き抜く児童・生徒の育成」を目指しています。平成26年度の主要な施策としては、「生きる力を育む学校教育の推進」を掲げています。今後、我が国が本格的な知識基盤社会に向かうことを踏まえ、これからの日本をリードする子どもたちの未来のために、よりよい教育環境、およびICTを活用しやすい環境を創り上げることに注力しています。
平取町立貫気別小学校 様
明治36年に開校し、110年あまりの歴史のある同校の目指す教育は「児童一人ひとりの力を引き出し、これからの社会で生きるための人間形成に必要な知・徳・体に関わる能力や資質をバランスよく身に付けさせ、自己実現への基礎を培うこと」である。小規模校の特性を活かし、一人ひとりの子どものよさを大切にし、伸ばす教育に努めています。
(2014年12月22日)