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人材開発・育成

取り組み方針

NECは、ビジネスの最大の経営資源は「人」であり、お客さまに真の価値を提供できる高度な専門性を備えた人材の育成が重要であると考えています。そこで、NEC Wayに基づいて、高い倫理観を持ち、お客さまや社会の本質的な課題を深く理解して顧客起点・社会視点で常に行動し、社会価値を創造し続けることのできる社会感度の高い人材づくりと組織風土・文化の醸成に取り組んでいます。

当社では、「社会感度の高い人財の育成」を、ESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」の1つと位置づけており、役割別・テーマ別にさまざまな施策を実行し、戦略的な投資を行っています。2018年度からは、マテリアリティの進捗を測るべく、NECグループ従業員に対し、「会社が、多様な価値観を受け入れ、社会価値を創造する方向に変革しているか」を問い、その回答の変化を分析しています。

社会感度の高い人材とは、社会の変化に興味を持ち、未来に先回りし、本質的な課題とは何かを考え抜くことができる人材です。また、時代が変化し続ける中、シンプルでクリアな目標を掲げ、強みを活かした戦い方を描き、走りながら考える柔軟な態度で、チャンスを逃さずアイディアを実行に移すことが求められます。
そのためには、一人ひとりが課題を直視し、自分事化し、意志と情熱を持って、勝つことにこだわり挑戦することが必要です。また、こうした姿勢の土台として、対面や立場を気にせず、互いを高め合い、全員が活躍し成長する組織風土・文化が根づいていることが重要であると考えています。
このようなNECが求める人材像を「Code of Values」で定義しており、NECは「Code of Values」の実践による強い個人、強いチームを目指しています。
 
また「Code of Values」を高いレベルで実践し、グローバルで勝ち続けていくための一連の人と組織の変革施策の考え方を明確にすべく、「挑戦する人の、NEC。」を掲げ、「HR(Human Resources)方針」を2019年に新たに策定しました。

人材開発・育成施策は、

  • 実行力の強化
  • プロフェッショナル人材の育成
  • 次世代リーダー人材の育成

を3つの柱とし、自らの意志で自らの能力開発を図る「セルフディベロップメント」という考え方を基本に推進しています。

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HR方針「挑戦する人の、NEC。」

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Code of Values

推進体制

NECでは、変化にスピーディーに対応し、「適所適材」を実現する人材開発・育成施策を策定しています。

職種別・組織別に人材開発推進体制を整備するとともに、職種横断・組織横断的な課題については、NECの組織風土・文化醸成を推進するカルチャー変革本部と連携してテーマ別のタスクフォースを立ち上げ、必要に応じて全社の事業戦略会議で審議・意思決定を行い、施策を推進しています。

人材開発に関連する施策は、職種別・組織別に行っている人材育成などをとおして各部門のニーズを反映するとともに、職種ごとにも評価、改善を実施しています。
また、受講者評価や職場での行動変容調査などを参考にしながら、定期的に育成施策・研修の見直しも図っています。

施策と2019年度の主な活動実績

実行力の強化

評価育成改革

2020中期経営計画のテーマである「実行力の強化」に向けては、実行力を高める取り組みとして、2018年度から、評価育成制度の改革に着手しています。

経営幹部層に対しては、業績へのコミットメントをより強めるため、役割と責任に基づく年間KPIを短期・中期の両面から明確にし、その達成度を賞与に連動させる仕組みを導入しました。
2020年度からは、全役員の役割定義書に、NEC Wayの実践をとおした組織開発・人材開発を盛り込むとともに、社内取締役については、同定義書にマテリアリティの実践を盛り込み、役員から率先して実行力の強化に取り組んでいます。

また、組織全体のパフォーマンス向上に向けて、一人ひとりの行動変革を促し、挑戦しやり抜く人材を育て、こうした人材を適切に評価するための取り組みを行っています。

具体的には、2018年度から、成果/行動の両面をフェアに評価するために9ブロックおよび多面評価の仕組みを導入するとともに、上司部下の1on1ミーティングを徹底することで目標管理と部下の成長支援を図っています。
さらに、それを適切にマネジメントできるように、2018年度に部長以上を対象にトレーニングを実施しました。2019年度は、さらなる浸透と定着に向け、対象をマネージャー層にまで拡大しトレーニングを完了させ、グループ会社への展開にも着手しています。

NEC Growth Careers導入 
― 社内公募通年化とスカウトを取り入れたジョブマッチング制度

当社では、それまで定期的に実施していた公募制度を通年化し、2019年度から、社内公募制度としてNEC Growth Careers (NGC)を導入しました。

社内のオープンポジションを常時、全従業員に開示・提供することで、タイムリーに魅力的な社内キャリア実現の機会を提供し、人材の適時・適所・適材を進めています。また、従業員が職務経歴書を登録し、それを見た募集部門がスカウトを行う仕組みの導入により、自分自身では気づかないキャリアの選択肢を広げています。本制度の開始以降、200件を超える異動が成立しています。

NECは、NGCの活用を通じて、従業員のキャリア形成・満足度向上と、会社と組織の競争力・実行力を強化します。

プロフェッショナル人材の育成

スキル開発体系の再整備

当社は、2019年10月から職種・職務別に「スキルマップ」を体系化し、各ポジションの「役割定義書」に引用するようにしました。それぞれのポジションに求めるスキルを従業員に明示することで、自身のキャリアイメージに近いポジションや、そのポジションに求められる役割、責任、必要なスキルが確認でき、イメージに近づくために必要なスキルがわかるようになります。さらに、スキルの発揮状況をスキルアセスメントで評価することで、上司の支援のもと継続的に能力開発を行うことが可能です。

なお、スキルマップや役割定義書は全社に公開され、誰もが閲覧可能となっており、従業員一人ひとりが当社においてどのような経験を積み、スキル開発を行っていくか、主体的に考え行動することを促しています。あわせて、スキル開発のための「トレーニングマップ」も公開し、継続的にスキルを獲得していく仕組みを構築しました。

このように、当社で働くことをとおして自身の成長が実感でき、かつ、キャリアを主体的に選択できる会社を目指しています。

主席プロフェッショナルの新設

当社では、2020年4月、高い専門性を持つ人材を会社として認知し、事業貢献に応じて正当に報いる仕組みとして、理事・事業部長級のプロフェッショナル職である「主席プロフェッショナル」を新設しました。

同職への内部任用にあたっては、事業戦略上重要なプロフェッショナルポジションであることを前提に、候補者が当該ポジションの任を担うにふさわしい人材であるかを判断するプロセスとして、複数の執行役員による審査会を実施しました。
その結果、2020年4月1日付で、内部任用者6人が決定しました。

次世代リーダー人材の育成

タレントマネジメントプログラムの刷新

当社は、グローバルで通用する多様なリーダーの育成・登用を目的に、2019年度にタレントマネジメントプログラムのプロセスを刷新しました。

具体的には、若手や女性を含め有望人材を幅広くリストアップし、役員間で有望人材について議論する場「Talent Talk」と、事業戦略に基づき組織設計と人材の配置について議論する場「People & Organization Discussion」を設けました。
これらを通じて選抜された対象者には、状況に応じてOJT/Off-JTで育成を推進し、最適な人材をキーポジションへ登用していきます。

このような新たなタレントマネジメントプロセスを通じ、リストアップされた有望人材に対する育成施策としては、後述のNEC社会価値創造塾の実施や社外選抜研修への派遣に加え、新規に以下のプログラムをスタートさせています。

  • グループメンタリングプログラム(48人が受講)
  • エグゼクティブアセスメント(23人が受講)
  • エグゼクティブコーチングプログラム(23人が受講)
  • 若手層対象次々世代経営リーダー人材育成プログラム(17人が受講)

NECグループキーポジションの選定と社会感度の高いリーダー人材選抜研修

次世代のリーダーを育成するための研修プログラムとして、2016年度、当社会長が塾長を務める「NEC社会価値創造塾」を立ち上げました。

幹部層向けのプログラムでは、社内外のさまざまな講師・ステークホルダーとの対話や、社会課題を抱える国内外の現場での実体験をとおして自分自身を見つめ直し、高い倫理観と視座から自らの使命を再確認し、社会価値を具現化する経営構想やビジネスモデルを考え抜きます。

2019年度は海外現地法人からの参加メンバー6人を含めた37人が、NECの存在意義や社会価値創造の在り方を追究し、各自の経営構想を考え抜きました。海外に拠点を置くメンバーが加わったことで、参加者のグローバルな人的ネットワークも深まりました。

現場リーダー向けのプログラムは、93人が20チームに分かれ、2019年6月から2020年3月にかけて、社会価値創造につながるビジネスモデルを検討・作成しました。研修会場での学びだけにとどまらず、各チームで検討した仮説を、実際の現場において検証・修正し、ブラッシュアップしました。

社会課題体感型人材開発プログラム(Sense)

当社は、社会のニーズや潜在的な課題をいち早く察知し、スピード感を持って課題解決できる人材の育成を目的とした、社会課題体感型人材開発プログラム(Sense)を2019年度から開始しました。

社会課題の現場を体感することを重視した「ラーニング・ジャーニー」、特定の社会課題を深く理解し、その解決策を検討・提案する「プロジェクト型プログラム」、海外を含む特定の社会課題の現場に深く入り込み、その解決を現地メンバーとともにやり抜く「渡航型プログラム」といったさまざまなタイプの6つの研修プログラムを実施し、合計で78人が受講しました。

経営幹部層へのコーチングプログラム

当社では、人・組織に関するリーダーシップ開発支援(自身の軸の確立、人・組織への理解とコミュニケーション力強化)を目的に、全新任事業部長を対象にコーチングを実施しています。2014年10月から開始し、累計185人が参加しています。

Drive NEC

当社の海外現地法人における選抜研修については、各自のリーダーシップを磨くとともに、グローバルな人的ネットワークを拡充することを目的に、2013年度に選抜研修「Drive NEC」を立ち上げました。このプログラムは、海外現地法人と本社の従業員が合同で参加し、すべてのプログラムを英語で実施しています。2019年度は、18人が受講しました。

注力領域における人材育成

NECでは、社会ソリューションに有効なコア技術強化と将来にわたってそれを継続していくために、注力領域における人材育成を進めています。

コア技術強化とダイバーシティ強化のための人材育成

中央研究所のデータサイエンス・セキュリティ・バイオメトリクス領域の研究者を、さらに増強させる方針で取り組んでいます。海外の各研究所では各地域のトップ人材を積極的に採用し、国内では継続して博士採用を増強しています。2021年度も新規採用の半数近くを博士採用とする方針であり、インド工科大学をはじめとする有力海外大学院からの採用も引き続き行っていきます。これらの施策により、近年は継続的に新規採用の2~3割をグローバル人材が占めています。

さらに、さまざまな専門分野を持つ人材が、性別や国籍を問わず、互いに尊重し合いながら多面的な議論を行うことで、大きなイノベーションを起こしていけるように組織変革を進めています。

例えば、日本人の研究者に対しては、研究員としての米国大学院への派遣、NPO と連携した新興国留職プログラムや海外研修など、社内外の研修プログラムを活用して、グローバル人材への転換を促しています。また、情報系だけでなくデータの処理・活用に強い理学系分野や、人とAI の協調による課題解決を実現するために、人文学系分野や法学系分野など多様な人材の採用も強化しています。

情報セキュリティ人材の育成

NECではシステム・サービスのインテグレーションにおいて、システムの要件定義の段階からセキュリティを考慮する「セキュリティ・バイ・デザイン」を推進しており、セキュリティ人材の育成にも力を入れています。

セキュリティ・バイ・デザインの重要性から、2019年度にSE向けのSBDS(Security By Design Specialist)プログラムを新設しました。セキュリティ専門組織による集中的なOJTにより、開発プロセスの各工程においてセキュリティ実装をチェックできる人材を育成しています。
また、SE向けの演習場として「NECサイバーセキュリティ訓練場」を常設しました。システム堅牢化の演習を実施し、SEの実践的なスキルを強化しています。

さらに、高度なセキュリティ人材の育成にも取り組んでいます。NEC CISO補佐官トレーニングプログラム(NEC CISO Aide Training Program:NCAT)と呼称するプログラムは、解析やインシデントハンドリングなどを含む広範かつ高度な研修群を体系化し、座学で学ぶとともに、セキュリティ専門組織での実践経験を積むプロブラムとなっており、セキュリティのトップ人材を育成しています。

セキュリティ人材の裾野拡大にも力を入れています。営業・SEに必要なセキュリティ基礎知識をWeb研修形式で提供し、NECグループ全体のセキュリティスキルの底上げを図っています。2015年度からは、社内セキュリティコンテストとして「NECセキュリティスキルチャレンジ」を開催しており、毎年約1,000人が参加しています。

また、国際的に認定された資格であるCISSPや国家資格である情報処理安全支援士といった公的資格の取得を強く推奨しており、プロフェッショナルによるシステムインテグレーションやサービスをお客さまに提供できる体制を整えています。

キャリア開発支援施策
―ライフタイムキャリア・サポート

従業員一人ひとりの自律的な成長のためには、それまでの自己を振り返り、自己変革と能力再開発を継続的に行うことが必要です。当社では、キャリア形成と自己変革を支える仕組みとして、一人ひとりの従業員が生涯を通じて自律的な成長を図ることを目指したキャリア支援施策「ライフタイムキャリア・サポート」を2002年から導入しています。

以下が、その代表的なプログラムです。

  • ワークライフバランス研修:ライフタイムの節目と考えられる30歳、40歳、50歳を迎えた従業員を対象に、自己のキャリアを見つめ直し、能力開発目標の設定を行います。2019年度は約800人が参加しました。
  • キャリア小包®:ワークライフバランス研修の中間年齢となる35歳、45歳、55歳の従業員を対象に、各年齢層に有効なキャリア情報を提供し、今後のキャリアやライフプランについて考えるきっかけとなっています。特に55歳を迎えた従業員には、退職金・年金制度に関するWeb研修「ライフデザインセミナー」も開講しています。
  • キャリアアドバイス:個々人が自らのキャリアを自律的に考えることをサポートする仕組みで、2002年から実施しています。専任のキャリアアドバイザーが専門的な立場から、その人の価値観・適性を客観的に判断し、仕事と家庭の両立など、キャリア形成に関するアドバイスを行っています。6人のキャリアアドバイザーが年間約500人の相談を受けています。
  • *
    「キャリア小包®」は、日本電気株式会社の日本における登録商標です。

退職金や年金制度として、当社は退職手当や確定拠出年金を拡充しています。これは、高齢期におけるライフスタイルの多様化や雇用形態の変化への対応だけでなく、長期的な視点でキャリア開発を行うことへのモチベーションとしても機能しています。

グローバル人材情報システム(SAKURA)

NECでは、人材開発活動を支える育成基盤として「グローバル人材情報システム(SAKURA)」を活用しています。国内連結子会社は25社、海外関係会社は各地域統括法人およびその傘下の現地法人合わせて57社から人材情報を取り込み、活用しています。(2020年3月時点)

2019年度、SAKURAに登録された研修は、人権、コンプライアンス、情報セキュリティ、環境など多岐にわたっており、当社および国内連結子会社従業員1人当たりの研修受講日数は、それぞれ5.8日、5.0日でした。