Japan
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生物多様性への取り組み
ガバナンス
生物多様性における管理体制
環境経営推進体制のもと、生物多様性についても同様に対策を推進しています。
国際イニシアチブ等への参画
近年、自然や生物多様性に関連したさまざまなイニシアチブが、気候変動に続いて世界で始動し、数年内には本格的に導入・普及していくことが見込まれています。NECはビジネス界で影響力を持つことが予想される国際イニシアチブに、枠組みの検討段階で企業メンバーとして参画しています。案段階での枠組みの試行や議論に参加していくことで、世界の潮流を先取りし、自然共生社会づくりに貢献するソリューションの探索を行います。
国際イニシアチブ等 | |
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SBTs for Natureは、水・生物多様性・土地・海洋に関連し、企業が地球の限界内で持続可能性目標に沿って行動できるようにする目標の設定手法です。 NECは、2022年からCorporate Engagement Programに参画し、グローバルの仕組みづくりに貢献しています。 |
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TNFDは、金融機関や企業に対し、自然資本および生物多様性の観点からの事業機会とリスクの情報開示を求める、国際的なイニシアティブです。 NECは、2022年8月よりTNFDの枠組開発の段階において、データカタリストのメンバーとして参画しています。2025年8月に ![]() |
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30by30(サーティ・バイ・サーティ)とは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標です。 NECは、この目標達成のため発足時メンバーとして「生物多様性のための30by30アライアンス」(環境省)に参加しています。また、企業として自然環境エリアの拡大にも貢献しており、2023年10月にはNEC我孫子事業場の四つ池が ![]() |
戦略
生物多様性は持続可能な社会にとって重要な基盤であることから、NECでは、環境方針の中で従業員一人ひとりが環境意識を高め、生物多様性保全に貢献することを定めています。事業活動や従業員の生活が生物に及ぼす影響をできる限り小さくするとともに、生物多様性に貢献する従業員の活動や、ICTソリューションの提供を積極的に推進していきます。
リスクと機会
リスク評価
自社生産拠点および自然資本への影響が相対的に高いと考えられるハードウェア関連の調達取引先を対象に、各拠点周辺の生物多様性保全上重要な地域や絶滅危惧種の生息情報をIBAT*1を用いて収集しています。
各拠点の保護区からの距離や絶滅危惧種の生息数などの情報から深掘りすべき拠点を特定しようとしています。今後ヒアリングやアンケートにより、生物多様性リスク低減に向けた取り組み状況の確認を行い、対応を検討していきます。
- *1Integrated Biodiversity Assessment Tool:生物多様性評価ツール
機会
拠点や近隣地域での生物多様性保全により、多様なステークホルダーとの協働やブランド価値の向上につながり、潜在的なビジネス発掘にもつながると考えています。
我孫子事業場では、NECソリューションイノベータ(株)主催でNPO法人NelisのFrantz Dhers氏を招き、NECグループ従業員による「生物多様性×ビジネスアイディア創出」のワークショップを行いました。身近な自然と共生し、生態系保全を経済的に持続可能にする方法を探っています。
自社の取組み
我孫子事業場での生物多様性保全活動
NEC我孫子事業場の敷地内には、利根川から派生してできたと考えられる湧水池「四つ池(通称)」があります。
NECは、2009年から手賀沼水生生物研究会と協働で四つ池周辺に生息する「オオモノサシトンボ」(環境省指定の絶滅危惧IB類(EN))を、さらに2015年からは事業場の人工池内で「ゼニタナゴ」(絶滅危惧IA類(CR))の保全活動を行っています。また、毎年「生物多様性ダイアログ」を開催し、手賀沼水生生物研究会や有識者、千葉県や我孫子市とともに、活動成果の確認と今後の取り組みについて検討しています。2023年には、我孫子事業所の四つ池が環境省の定める「自然共生サイト」に認定されました。
NECは、四つ池を保全し、その経験を近隣地域の行政、市民団体、他企業と共有することで、この地域での生態系保護に貢献していきます。視察受け入れはもとより「生物多様性ちば企業ネットワーク」に参画し、千葉県生物多様性センターや千葉県内で生態系保護に取り組む他のメンバー企業に四つ池での取り組みを発信・共有しています。



生物多様性ワーキンググループでの活動
NECは電機・電子4団体*の生物多様性ワーキンググループ(WG)の一員として、生物多様性の保全活動に取り組んでいます。WGでは、これまでに「企業が取り組むはじめての生物多様性Let’s Try Biodiversity!(LTB)」や、海洋プラスチックごみへのアプローチをまとめた「Let’s Try Biodiversity Pick Up!陸から減らそう!海洋プラスチックごみ」の発行などをとおして、企業の生物多様性の取り組みを支援しています。
- *電機・電子4団体
JEMA:一般社団法人日本電機工業会
JEITA:一般社団法人電子情報技術産業協会
CIAJ:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会
JBMIA:一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会
NEC田んぼ作りプロジェクト
2004年より、 認定NPO法人アサザ基金と協働で、霞ヶ浦流域の耕作放棄地の再生および生物多様性保全を目的に「NEC田んぼ作りプロジェクト」を実施しています。本プロジェクトは、稲作からお酒づくりまで、一年を通じて体験する自然体験参加型プログラムです。2023年には本プロジェクトのフィールド(茨城県牛久市)が環境省「モニタリングサイト1000」に認定されました。
この四つ池や田んぼの豊かな自然をICTソリューションの実証実験の場としても活用しており、NECソリューションイノベータ(株)による環境DNAを用いた生物の多様性調査を行っています。NECは、今後も多様なステークホルダーとの協働をとおしてサステナブルな社会の実現に取り組みます。
JAFAS(Japan Food & Agriculture Summit)*への参画
NECは、IT企業として唯一JAFASへ参画しサステナビリティ課題の解決に取り組んでいます。食・農に関わる企業、行政機関、農業関連機関、非営利組織、アカデミア、消費者などのステークホルダーを巻き込み、日本からアジアおよび世界に向けて持続可能な食と農に関する知見を提供し、実装志向の高いネットワークを確立し、参加各社の事業面における革新活動を促進、支援するという活動趣旨に強い共感を持っています。当社の農業ICTソリューション事業を扱うメンバーが参加し、日本食品飲料会社とともに再生農業の検討をしています。
- *NPO法人NELIS(Next Leaders Initiative for Sustainability)が提供するイノベーションプラットフォーム「4Revs」の活動から生まれた企業主体のイニシアティブ

リスク管理
リスク/機会 | 内容 | リスク低減対策/機会の具体例 |
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リスク | 生産拠点における土地の改変、地下水や地表水の利用、排水・排ガスおよび廃棄物がその地域の生物多様性に影響を与える | NECの事業場では有機溶剤や酸・アルカリ性の材料などを使用しているため、排水、大気、土壌への漏えい防止の対策や訓練を実施 |
機会 (社会価値) |
拠点や近隣地域での生物多様性保全により、多様なステークホルダーとの協働やブランド価値の向上につながり、潜在的なビジネス発掘にもつながる | 絶滅危惧種(オオモノサシトンボ)の保全や田んぼづくりプロジェクトにおける生物多様性保全と地域交流を実施 |
指標および目標
項目 | 目標 | 実績 |
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生物多様性保全対策実施件数 | 年10件以上 | 31件実施 |