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株式会社
梅丘寿司の美登利総本店様

DXの推進で若手が躍動する環境が実現
『NECモバイルPOS』が導いた変革の原動力

最高の素材を、お客様目線で、リーズナブルに提供し、感動を与えること––––その理念を忠実に守り、1977年8月の創業以来、進化を続けている企業がある。それが株式会社梅丘寿司の美登利総本店だ。同社は「すしの美登利」を東京と神奈川を中心に展開しており、どの店舗でも連日行列が絶えず、インバウンド客の姿も目立つ。人気の秘密は、味・鮮度・価格の三拍子がそろった満足度の高さである。高い品質と手頃さを両立させるため、同社では人件費と食材費には惜しまず投資する一方、徹底した効率化でコスト削減を図ってきた。しかし、昨今の人手不足や食材高騰といった外部環境の変化によって、従来のやり方には限界が見え始めていたのも事実だ。そこで創業の精神でもある理念を守ることを最優先に、DXの推進を決断。その中核を担う存在となったのが『NECモバイルPOS』だ。変わらない価値を提供し続けるために、進化をし続ける、寿司の美登利総本店の挑戦について、執行役員の保坂泰亮氏に話を伺った。
理念を守り続けるためにDXの推進を決断
その牽引役となったのが『NECモバイルPOS』でした

行列ができる人気店は数多くあるが、どの店の前にも長い行列ができる飲食店はそう多くない。その光景が当たり前になっていることこそ、株式会社梅丘寿司の美登利総本店が展開する「すしの美登利」の圧倒的な人気を証明している。中でも1977年8月に創業した総本店は、開店以来行列が途切れることなく、その人気は非常に高い。
人気の秘密は、職人が握る寿司をリーズナブルに楽しめる点にある。現に、同社は創業以来、味はもちろん、価格にも強いこだわりを持ち続けてきた。例えば、名物の「元祖穴子(一本付)」は、シャリが隠れるほどの大きな穴子が乗ったインパクトのある一皿で、現在でも税込880円という価格を維持している。創業した1977年当時は、東京湾でもまだ穴子が豊富に獲れており、比較的安価な魚だった。ところが、漁獲量の激減に伴い、徐々に輸入品に頼らざるを得なくなり、今では高級魚に分類されるケースも珍しくない。その影響を受け、穴子の価格は年々高騰してきたが、同社は値上げをわずかにしか行っていない。
それを可能にしたのは、企業努力の積み重ねに他ならない。仕入れやオペレーションなど、地道な工夫と改善を重ねて価格を抑えてきたが、スタッフの負担が増え、大きな課題が生まれ始めていたのも事実だ。理念を守るための努力が、逆に現場の限界を生むようになっていたといってもいいだろう。その背景について、株式会社梅丘寿司の美登利総本店執行役員・保坂泰亮氏は次のように語る。
「当社がDXの推進に舵を切ったのは2022年です。きっかけは、スタッフの業務負荷を軽減したいという思いからでした。私たちは創業以来、『最高の素材を、お客様目線で、リーズナブルに提供し、感動を与えること』という理念を守り続けるため、原材料費と人件費にはしっかりとコストをかけています。その一方で、販管費などの経費は極力抑える経営を行ってきたのですが、現場にスタッフに大きな負担がかかっていたのも事実です。実際、一人で何役も担わないといけない状況で、いずれ限界が来てしまい、サービスの質にも影響が出てしまう懸念もありました。そこで人が本来やるべき仕事に集中できる環境をつくり、テクノロジーにできることはテクノロジーに任せるという方針を立て、DX推進を始めた背景があります」
DX推進の入り口として最初に着目したのは、モバイルオーダーの導入だったが、当時使用していたレジではシステム連携がスムーズにいかない懸念があった。そもそもキャッシュレス決済やテイクアウト予約といったサービスの活用も進めていたものの、それぞれ異なる会社だったため、連携がうまくいかず、現場の負担が増していた状況がある。こうした課題を根本から解消し、全体を最適化する中核システムとして導入を決めたのが『NECモバイルPOS』だ。
人によるサポートとサービス連携の多さ
二つの強みで、一気に変化を起こせました

実をいうと、POSレジを切り替えるとき、同社では3社のサービスを比較検討している。その際、各社の機能やサポート体制をマトリクス表で整理し、項目ごとに評価を行った結果、最も多くの項目にチェックが付いたのが『NECモバイルPOS』だった。中でも決め手として大きかったのがフィールドサポートや、365日対応可能なヘルプデスクといった人による手厚いサポート体制だ。その理由について保坂氏はこのように話す。
「当社のブランドを支えているのは、現場に立つ職人たちです。しかし、彼らの技術は一流ですが、システムに詳しいわけではありません。だからこそ、DXを推進する上で、何か困ったことがあったときに、すぐに対応してくれる環境づくりが重要でした。『NECモバイルPOS』を選んだ大きな理由の一つが、人によるサポート体制です。実際、導入初日にはNECの担当の方が現場に立ち会い、丁寧な操作研修をしてくれたおかげもあり、職人でもすぐに使いこなすことができました。システムは導入するだけで終わりではないので、その後も寄り添ってもらえる安心感は非常に心強かったです」
もちろん、サービス連携の多さも決め手として大きい。DX推進の起点と考えていたモバイルオーダーも『NECモバイルPOS』の連携先から決めた。結果として、モバイルオーダーは、店舗運営に合わないと判断し、その後、テーブルオーダーシステムへと切り替えたが、その際も同じく『NECモバイルPOS』の連携先からシステムを選んでいる。こうした柔軟な変化ができたのも『NECモバイルPOS』だったからだ。もし他のサービスだったら、そのたびに連携先を一から探す必要があり、変化に時間がかかっていた可能性は高い。導入のメリットについて、保坂氏は次のように語る。
「最初に『NECモバイルPOS』を導入したのは渋谷店です。当社の中でも日々の来客数はトップクラスの店舗なので、結果が出るのも早いと思い、トライアルも兼ねて導入しました。導入当初はトラブルもありましたが、NECのサポートがあったおかげで乗り越えることができました。そのときに感じたのは、NECへの確かな信頼と、スタッフの手が空くことにより、トラブル発生時にも人的リソースを問題解決に割けることが導入初日で分かり、それは大きな成果でした。その後、テーブルオーダーへの切り替えを検討する際には、渋谷店ではモバイルオーダーを使い続けながら、他店舗ではテーブルオーダーシステムを導入し、どちらがお客様にとって最適かを検証することができました。こうした臨機応変な運用ができたのも、『NECモバイルPOS』だったからだと思います。世の中の変化が激しくなっているからこそ、お店も状況に応じて柔軟に変化していかないといけません。そうした変化にしっかり対応できるという意味でも『NECモバイルPOS』を選んだ判断は間違っていなかったと感じています」
創業の精神を力強く体現しながら
現場負担の軽減と売上拡大を同時に実現

『NECモバイルPOS』の導入後、同社の現場には二つの大きな変化が生まれた。それが「業務効率化による現場負担の軽減」と「システム連携による売上拡大」だ。
まず、業務効率化による現場負担の軽減についていうと、テーブルオーダーシステムの導入によってスタッフが直接オーダーを取る必要がなくなった効果が大きい。それまで同社が抱えていた課題の一つが、スポットワーカーのマネジメントだった。コロナ禍以降、人手不足が深刻化する中で、スポットワーカーを活用する飲食店が増えている。それは同社も例外ではない。スポットワーカーには主に料理の提供やバッシングなどを任せているが、以前はオーダーを取る必要もあったため、ハンディ端末の操作を説明しなければならなかった。
そのとき対応していたのは、サービスレベルの高い社員であるケースが多い。しかし、本来なら、お客様への接客に時間を割くべきところ、スポットワーカーの教育に充てざるを得ず、その分、サービスの質に影響が出ていた。それも『NECモバイルPOS』の導入によって、テーブルオーダーシステムと連携したことで問題は解決。今では 新しく入るスポットワーカーでもスムーズに業務に入ることができ、結果としてこれまでよりも早く戦力化できるようになっている。
また、テイクアウトシステムの連携も大きな成果をもたらした。『NECモバイルPOS』の導入後、レジと連携できるサービスに変更したことで、受注から会計までの流れが自動化。その結果、テイクアウトの売上は導入前の約6倍にまで伸長した。以前は、テイクアウト専用サービスから入った注文をレジに打ち直す必要があり、その分、最大限のニーズに応えきれず、チャンスロスが発生していた。しかし、『NECモバイルPOS』と連携したことで、機会を逃さずに対応できるようになり、それが売上の伸長へと結びついている。
同社では、『NECモバイルPOS』と連携しているサービスの中から選定し、複数のデリバリープラットフォームのオーダーを一元管理するなど、業務の効率化も進めている。こうした取り組みによりホール業務の負担が減り、スタッフに余力が生まれているが、同社では、そこで人員削減を行っていない。その狙いについて、保坂氏は次のように語る。
「効率化で生まれた余力をサービスの質の向上に充てることが当社の方針です。そもそもDXは、コストを削るためではなく、より気持ちの良い接客でお客様に感動を与えるための手段だと考えています。その意味で、『NECモバイルPOS』のおかげで、『気持ちの良いサービスでお客様に感動を』という創業の精神を、より力強く体現できるようになったといっていいでしょう」

『NECモバイルPOS』の導入によって、同社ではコスト面と人材面の双方で大きな成果が生まれている。
まずコスト面では、保守や運用のコストを削減できたメリットが大きい。以前、使用していたPOSはいわゆる専用機で、導入時に1台あたり数十万円かかることに加え、アップデートや修理の際は業者を呼ばなければならず、保守・運用コストがかさみ、対応にも時間がかかっていた。一方、iPadをベースにした『NECモバイルPOS』なら、導入コストは10万円前後で済む。SaaS型のクラウドサービスのため、アップデートもNEC側で自動的に行われ、常に最新の状態で利用できる。その結果、同社では保守・運用コストと手間を削減しながら、時代の変化にも柔軟に対応できる環境を整えることができた。その効果について、株式会社梅丘寿司の美登利総本店 執行役員・保坂泰亮氏はこう語る。
「原材料が上がっても、当社は限界まで値上げをしないという方針を貫いてきましたし、今後もその方針はぶれないと思います。ただ、その裏では一人が何役もこなすような状況が続き、現場の負担が大きくなっていたのも事実です。だからこそ、DXの推進は大きな前進でした。人の頑張りに頼るのではなく、テクノロジーの力で支えられるようになったことで、持続性のある経営に変わったと感じています。結果として、『最高の素材を、お客様目線で、リーズナブルに提供し、感動を与えること』という創業の理念に基づいた店づくりが、より実現できるようになったのは間違いありません」

コストの最適化と同時に、大きな変化があったのが人材の定着と成長だ。DXを進めたことで心理的・肉体的な負担が軽減され、離職率が大きく改善した。以前は常に求人広告を出すほど人手不足が課題だったが、採用や教育にかかるコストを抑えられた分、人への投資に回せるようになった。人材への効果に関して、保坂氏は、次のように話す。
「DXを進めて業務の負担が減ったことで、現在、若手がどんどん成長し、この1年で何人もの若手が昇給・昇格しています。また、人材の新しい活躍の場も生まれました。渋谷店に在籍していたスタッフは、自主的にシステムを研究しながらPOSの仕組みをいち早く理解し、他店導入時には社内インストラクターのような役割を担っています。その姿勢が社員の意識を変え、組織全体に良い循環を生み出しているのは確かです。人が辞めなくなったことで、経験やスキルが社内に蓄積され、優秀な人材がより活躍できる環境が整いました。結果として、社員一人ひとりが自信を持って成長し続けられる会社になってきたと感じています」
DXの推進によって、顧客満足度はもちろん、従業員満足度の向上にも成功した梅丘寿司の美登利総本店。人手不足の時代に、人の力を最大限に引き出す経営を実現し、次の時代に勝てる組織へと進化を遂げている。その起点となった『NECモバイルPOS』の価値は大きいといえるだろう。
お客様プロフィール
株式会社梅丘寿司の美登利総本店様
| 所在地 | 東京都世田谷区梅丘 1-20-7 |
|---|---|
| 設立 | 昭和52年8月(1977年8月) |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 従業員数 | 205名(アルバイト含む595名) |
| 概要 | 寿司の製造販売並びに飲食業 |
| URL | https://www.sushinomidori.co.jp/ |

(2025年12月12日)
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https://www.sushinomidori.co.jp/