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テレワークの導入方法とは?流れやポイント、事例を解説

テレワークの導入には多くのメリットがあり、働き方改革の一環としても推奨されている取り組みです。しかし、「テレワークを導入したいものの適切な導入ステップがわからない」「導入時の注意点を知りたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。

ここでは、テレワーク導入の流れや注意点、具体的な導入事例や活用できる助成金などを紹介します。

テレワークとは

テレワークは「Tele(離れる)」と「work(働く)」を組み合わせた言葉で、勤務先のみならず、自分の家やサテライトオフィス、カフェ、コワーキングスペースなど、さまざまな場所で業務に取り組む働き方です。厚生労働省では、「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されています。

テレワークの導入率

2022年12月に東京都の産業労働局が都内の企業を調査した結果では、新型コロナウイルスの感染拡大以降、直近では若干の低下が見られるものの、半分以上の企業でテレワークが定着しています。社会全体で見るとテレワークのニーズは高く、今後も多くの企業でテレワークが活用されると思われます。

テレワークのメリット

テレワークを導入すると、以下のようなメリットが得られます。

  • コスト、経費の削減
  • 従業員の満足度・生産性向上
  • 事業リスクの分散
  • デジタル化の推進
  • 優秀な人材の採用
  • 企業ブランディングの向上

テレワークのメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。併せてご参照ください。

テレワーク導入の流れ

テレワークを効果的に活用するためには、さまざまなプロセスを実行する必要があります。導入方法は様々ありますが、以下は厚生労働省が公開している「テレワーク導入プロセスと推進体制」の内容を参考に、テレワーク導入の流れを解説します。

方針決め・現状の労働制度を整理

まず、テレワークを行う「目的」「導入時期」「導入にかかるコスト」「導入する範囲」「得たい効果」を明確化しましょう。方針を決める上で、就業規則や評価制度、使用しているツールなど、現状の労働制度や環境を把握し、テレワークを導入する上でネックとなりそうなポイントを洗い出しておくことが重要です。

社内推進体制の確定・テレワーク運用ルールの策定

初めてテレワークを導入する際は、会社側だけでなく従業員側にも戸惑いが生まれやすいものです。従業員がスムーズにテレワークに移行できるよう、テレワークを推進するプロジェクトメンバーを選定しましょう。トップは導入対象部門のリーダーになってもらうとスムーズな導入につながります。
その上で、まずはスモールスタートでテレワークを導入し、出社する頻度や勤務時間、コミュニケーションの方法など、テレワークの運用ルールを全体展開前に整備しておくと良いでしょう。

ツールやシステムの整備

テレワークにおいてネックになりやすい勤怠管理やコミュニケーションに対しては、その課題を解消するツールやシステムを導入・活用することが効果的です。勤怠管理には勤怠管理システム、コミュニケーションにはビジネスチャットツールなど、テレワークのデメリットを補うツールを導入しましょう。

ツールやシステムに関する整備の重要性については、以下のコラム・レポートも併せてご覧ください。

セキュリティ対策

テレワーク環境では社外にPCを持ち出す必要があり、社外から社内へのネットワーク接続を許可することになるため、セキュリティ対策は必須です。セキュリティ対策のみならずウイルス感染、盗難や不正アクセスなど、さまざまなリスクを想定し、セキュリティ対策ツールを導入しましょう。

セキュリティ対策については、以下のコラム・レポートも併せてご覧ください。

社内への説明

テレワークを社内に浸透させるためには、従業員がテレワークを導入する目的や運用ルール、テレワークで活用できるITツール、テレワーク時の評価体制などを十分に理解している必要があります。文書として発行するだけでは理解しにくい部分もあるため、社内への説明会を設けて周知を行うことも必要となります。

効果検証

テレワークは導入して終わりではなく、その後の効果検証を行い、必要に応じて改善を続けることが重要です。テレワークに適した業務、出社頻度、コミュニケーション方法などは企業によってさまざまです。定期的に効果測定を行い、生産性が向上するテレワーク運用を目指しましょう。

テレワーク導入後のチームワークの構築については、以下のコラム・レポートも併せてご覧ください。

テレワーク導入時の注意点

社内の理解やツールが整ったからといって、すぐにテレワークがスタートできるわけではありません。次に、多くの企業で課題となっているテレワーク導入時の注意ポイントを解説します。

セキュリティ対策を万全にする

テレワークにおけるセキュリティ対策は非常に重要です。ひとたび情報が漏えいしたり、ウイルス感染が発生したりすれば、業務が停止するだけでなく、企業の信用を失うことにもつながります。持ち出しPCから情報が漏えいする事件はこれまでも数多く発生しています。持ち出しPCのセキュリティ対策は万全にしておきましょう。

NECでは、持ち出しPCを紛失した際の情報漏えいリスクを軽減する独自のソリューションを展開しています。

また、ウイルス感染による情報漏えいのリスクを防ぐためには、たとえ社内やクラウドサービス上の信頼できる場所であっても、あらゆるところにリスクがあることを前提に対策を講じる「ゼロトラスト」の考え方が近年では重要です。ゼロトラストの概念を理解し、セキュリティ性の高いプラットフォームを構築しましょう。

ゼロトラストの考え方については以下のコラム・レポートも併せてご覧ください。

労務・勤怠管理を整備する

テレワークを導入した結果、従業員の労務・勤怠状況が不明瞭になり、適切なマネジメントができなくなったというケースは多くあります。近年ではテレワークにおける労務・勤怠管理の課題を解決するソリューションが複数登場しています。これらのツールを活用し、労務・勤怠を適切に管理しましょう。

NECでは、PCの利用情報や勤怠データ、グループメンバーの情報などを収集、可視化し、労働時間の適正化やチームの生産性の向上を実現する「NEC 働き方見える化サービス Plus」を提供しています。以下のコラム・レポートも併せてご覧ください。

経費などの費用に関する取り決めを行う

テレワークにおける出勤時の交通費の支払い方法や、在宅時の手当など、費用に関する条件は事前に取り決めをしておきましょう。お金の問題が不明瞭のままではテレワークの利用が浸透しにくくなります。

コミュニケーション不足を補う

テレワークにおけるコミュニケーション不足は、セキュリティや労務・勤怠管理と並ぶ大きな課題の一つです。従業員同士のコミュニケーションが不足しチームワークが低下しないよう、ビジネスチャットツールなどのコミュニケーションツールを導入してコミュニケーションの活性化を図りましょう。

テレワーク環境下のコミュニケーションや生産性の向上については、以下のページも併せてご覧ください。

テレワーク導入の成功事例

テレワーク導入を成功へと導くために参考となるITソリューションの導入事例を三つご紹介します。

静岡トヨペット株式会社

ツール導入の目的

メールやファイルサーバなど別々に管理されているシステムの一元化、紙文書ベースのアナログな業務プロセスの改善、遠隔地の拠点との柔軟なコラボレーションとセキュリティ対策の両立などを目的にツールの導入を検討しました。

実施概要

NECのMicrosoft Office 365ソリューションを導入し、個別に構築されていたメールやグループウェア、ファイルサーバなどの機能を集約。HDE Oneを活用してアクセス制御やメール誤送信対策、監査・法令対応に向けた電子メールの保存・監視などを行いました。

導入ソリューション

Microsoft Office 365ソリューション

成果

これまで別々に管理されていたシステムが一つのID・パスワードで利用できるようになり利便性が向上し、クラウドサービスを活用することで運用負荷の軽減にもつながりました。稟議・決裁日程の短縮に加え、セキュアなコミュニケーション基盤の構築も実現するなど、さまざまな業務コスト削減を実現しています。

三条市

課題背景

新型コロナウイルスの感染拡大により急遽テレワークの導入を検討しなければならない状況の中、組織でシステムを構築する上での予算面の課題を抱えていました。また、公的な機関としてセキュリティ対策も十分に配慮しつつ、職員がスムーズにテレワークに移行できる体制を整える必要がありました。

実施概要

クラウドのリモートアクセスサービス「RemoteView」を導入し、データを庁舎外に持ち出さない方法でテレワークを導入。通信の暗号化によってセキュリティ性を保ちつつ、使い慣れた自席PCをリモート操作して業務を行えるようにしました。

導入ソリューション

リモートアクセスサービス「RemoteView」

成果

テレワーク向けのシステム構築やネットワーク機器の導入は無く、クラウドサービスの利用料金のみのリーズナブルなコストでテレワークの導入に成功。通信暗号化や多様な設定でセキュリティを強化しつつ、初期設定の容易さでスムーズなテレワーク移行を実現しました。初のテレワーク導入であったにも関わらず、当初の想定以上のテレワーク実施率につながっています。

NEC

世界中に影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症は、NECグループの働き方やマインドに大きな影響を与えました。2020年4月に政府が発令した緊急事態宣言を受けて、NECグループではパートナー企業の社員も含め6万人以上の社員がテレワークに移行しました。また、緊急事態宣言前から行ってきたテレワークのトライアルでも課題として残ったテレワークにおける印鑑や電話対応の問題を解決するため、社内システムを活用した承認の電子化や全社員へのスマートフォン貸与などの取り組みを行っています。

テレワークを導入する際に知っておきたい助成金

テレワークの導入には少なからずコストがかかります。そのコストを解決する一つの手段が、助成金の活用です。テレワークに関する助成金についてその内容を把握し、上手に活用しましょう。

人材確保等支援助成金 (テレワークコース)

人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、従業員が在宅やサテライトオフィスで勤務する中小企業を対象に、一定の条件を満たすことでテレワーク導入時に助成金を受け取れる制度です。

対象者

テレワークを新規に導入、もしくは試験的に導入している・していた中小企業事業主

助成金額

機器等導入助成:支給対象経費の30%
目標達成助成:支給対象経費の20%(特定要件を満たす場合は35%)
※上限は100万円、もしくは20万円×対象労働者数のいずれか低い方の金額

申し込み期限

  • テレワーク実施計画等、必要書類の提出期限:テレワーク導入の取り組みで最も早い日の1ヵ月前の前日、評価期間開始予定日の1ヵ月前の前日のいずれか早い日
  • 機器等導入助成受給に必要な書類の提出期限:テレワーク実施計画の認定日から起算して7ヵ月以内
  • 目標達成助成受給に必要な書類の提出期限:評価時離職率算定機関の末日の翌日から起算して1ヵ月以内

細かい支給要件などは厚生労働省のサイトをご確認ください。

まとめ

労働人口の減少により、人手不足は今後さらに加速することが予想されており、テレワークの活用は必須の対策となっていくでしょう。これまでの勤務体系を変えテレワークへと移行することは決して容易ではありませんが、ぜひこの記事でご紹介した内容を参考にしていただき、テレワーク導入に取り組んでみてください。

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