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コンプライアンスとリスク・マネジメント

取り組み方針

社会ソリューション事業を展開するNECにとって、お客さまをはじめとする社会からの信頼を獲得、維持することは最も大切なことであると考えています。NECでは、コンプライアンスを、法令遵守のみならず、社会通念や一般常識に照らして適切な行動をとることまでも含めた広義の概念としてとらえています。また、リスク・マネジメントとは、コンプライアンス違反を含め、NECの事業に影響を及ぼすリスクを適切に把握し、効果的・効率的に対策を講じていく活動です。

NECは、コンプライアンスを経営の基本に置くとともに、コンプライアンスを企業のガバナンスに欠かせない優先テーマ「マテリアリティ」として特定し、トップマネジメントも含めた全社的な取り組みを継続的に実施しています。「NECグループ企業行動憲章」と「NECグループ行動規範」は、多言語化(英語、スペイン語、ポルトガル語、中国語)し、海外連結子会社に整備することにより、国内外でコンプライアンス最優先の事業活動を行っています。

当社は、2016年7月に東京電力株式会社(現東京電力ホールディングス株式会社)との電力保安通信用機器の取引に関して、また、2017年2月に消防救急デジタル無線機器の取引および中部電力株式会社との電力保安通信用機器の取引に関して、公正取引委員会から独占禁止法違反の認定を受けました。
これらの事実を忘れることなく、反省の礎とするため、消防救急デジタル無線機器の取引に関する公正取引委員会の立ち入り検査を受けた11月18日を「NECコンプライアンスの日」と定め、毎年、コンプライアンスの重要性を再確認しています。

コンプライアンスの実践にあたっては、「気づき」と「情報共有」をキーワードとしています。おかしなことを素朴に“変だ”と思う「気づき」の感覚を醸成するとともに、それを上司や関係部門または内部者通報制度「コンプライアンス・ホットライン」に相談して「情報共有」することで、組織として解決・改善していくことを基本としています。

また、NECでは、役員・従業員の一人ひとりがコンプライアンスを自分事として認識し、「NECグループ行動規範」に基づく行動を日々実践することで、コンプライアンスをNECの企業文化にすることを目指しています。そこで当社では、これまで、コーポレート部門が主導して各部門におけるコンプライアンス施策を実行していましたが、2018年度からは、部門長が主体性と責任感を持って部門に最適な施策を検討・実行する方針へと変更しました。

リスク・マネジメントとしては、「リスク管理基本規程」に基づき、NECとして一貫した方針のもと、対策の漏れや重複を避け、効果的かつ総合的にリスク管理体制を構築しています。全社的には、経営上、重点的に対策を講じる必要があるリスク(重点対策リスク)を毎年定め、それに関する対策を検討し、実行・評価を行っています。また、各部門や各子会社においては、それぞれの部門・会社のリスクに応じた管理活動を実行しています。

推進体制

当社では、トップマネジメントを含めて、コンプライアンスの徹底とその効果的な実践に取り組んでおり、リスク・コンプライアンス委員会やコンプライアンス推進部、経営監査本部を中心に活動をしています。各会議体やマネジメント体制は次のとおりです。

  1. 取締役会
    取締役会は、業務執行の監督という立場から、重大な不正事案に関する報告および重点対策リスクへの対応施策の状況等の報告を受けます。
  2. 経営会議
    経営会議は、重点対策リスク、その他経営戦略上の重要なリスクの審議を含め、経営方針や経営戦略などNECの経営に関する重要事項について審議します。
  3. 監査役
    監査役は、内部監査部門から定期的に監査結果の報告を受け、意見交換を行うほか、企業倫理・法令違反等の問題に関する内部者通報制度「コンプライアンス・ホットライン」の運用状況の報告を受けることなどにより、執行状況の監査を行います。
  4. チーフリーガル&コンプライアンスオフィサー(CLCO)
    チーフリーガル&コンプライアンスオフィサー(CLCO)は、リスク・コンプライアンス委員会委員長を担い、全社のコンプライアンス推進に係る活動を統括します。
  5. リスク・コンプライアンス委員会
    リスク・コンプライアンス委員会は、役員レベルで構成されており、不正行為の根本的な原因究明、再発防止・予防策の検討ならびにリスク管理に関する活動方針および重点対策リスクの選定・対応方針の審議を行います。重点対策リスクの具体的な施策に関する検討・進捗状況について、担当部門から定期的に報告を受け、活動の成果や課題、今後の活動計画などを確認し、必要に応じて施策を改善・強化するための方向性を指示するなど、全社のリスク管理の実施において監督機能を果たしています。
  6. コンプライアンス推進部
    コンプライアンス推進部は、「NECグループ企業行動憲章」および「NECグループ行動規範」の周知をはじめとしたコンプライアンス徹底のための各種施策を企画立案し、実施しています。また、事業部門およびスタッフ部門が実施するリスク・マネジメントが体系的かつ効果的に行われるように、必要な支援・調整および指示を行います。

    例えば、社外からの情報収集やリスク管理実態調査、国内外の子会社との情報交換を通じ、子会社を含む各部門におけるリスク管理活動への支援を継続的に実施して、NEC全体のリスク管理機能を強化しています。

    さらに、経営監査本部から定期的に監査結果の報告を受け、意見交換を行うほか、企業倫理・法令違反等の問題に関する内部者通報制度「コンプライアンス・ホットライン」の運用状況の報告を受けています。
  7. 経営監査本部
    経営監査本部は、社長直轄の内部監査部門として、内部監査に関する専門知識を有するスタッフなどから構成されています。経営監査本部は、NECにおける適法かつ適正・効率的な業務執行の確保のための監査を実施し、問題点の指摘と改善に向けた提言を行っています。
  8. 連結子会社におけるコンプライアンス推進
    国内連結子会社は、コンプライアンス推進部、コーポレート、各社を主管するユニット、ビジネスユニットからの指導・支援の下、各社社長がオーナーシップを持って、コンプライアンス施策を立案・実施しています。

    海外連結子会社については、世界5極の地域統括会社が、傘下の子会社を含めコンプライアンスを推進しています。

    また、コンプライアンスに関わる問題については、連結子会社から、緊急時および定期的に当社へ報告するためのルートを整備しています。

2018年度の主な活動実績

コンプライアンス

「NECコンプライアンスの日」に伴う各種施策の実行

コンプライアンスをNECの企業文化とするため、2018年度の「NECコンプライアンスの日」にあわせてさまざまな周知・啓発活動を行いました。
まず、社長やチーフコンプライアンスオフィサー(CCO、2019年4月1日よりチーフリーガル&コンプライアンスオフィサー(CLCO)に改称)を含めた役員、全事業部長(約130名)、国内および海外の連結子会社社長からメッセージを発信し、コンプライアンスの重要性を全従業員に徹底しました。また、当社の従業員一人ひとりが、コンプライアンスを企業文化とするために自らが取り組む行動を示す「コンプライアンス行動宣言」を行いました。
当社および国内連結子会社を対象に毎年開催している企業倫理フォーラム「NECビジネスエシックス」は、2018年度から「NECコンプライアンスの日」にあわせて開催しています。同フォーラムでは、当社の社長やコンプライアンスに精通した外部弁護士による講演に加え、当社が起こした3件の独占禁止法違反に関する事案に対応した従業員が、当時の社内の様子や実務経験から得た教訓を伝え、当該事案の風化防止に努めています。
さらに、3件の独占禁止法違反の事案がNECに与えた影響や従業員の「コンプライアンス行動宣言」を掲載したポスターを作成し、社内に掲示しました。イントラネット上には「NECコンプライアンスの日」のポータルサイトを新設し、「NECコンプライアンスの日」に関する活動や情報を従業員がいつでも閲覧できるようにしています。

国内外における教育・啓発活動の展開

当社および国内連結子会社では、全役員・従業員を対象として、コンプライアンスに関するWeb教育を年1回実施しています(当社受講率98.4%、国内連結子会社受講率98.6%)。海外連結子会社向けには、コンプライアンス教育を多言語化(英語、スペイン語、ポルトガル語、中国語)して実施しています。また、「NECグループ行動規範」をはじめとした社内ポリシーを遵守する旨の誓約を従業員から取得しています。このほか、当社では、新入社員教育や新任役員、新任事業部長向けの階層別教育などの機会を活用して、NECグループ行動規範に則った行動の重要性を強調しています。
また、当社では、2018年度から、各部門長がより一層オーナーシップを持ってコンプライアンス施策に取り組むこととしています。この一例として、ある事業部門においては、コンプライアンス徹底のための行動ポイントをまとめた冊子を作成・配付し、内容の周知徹底を目的に営業担当者向けの説明会を開催するという独自の活動を実施しました。

コンプライアンス・ホットライン(従業員やお取引先などからの相談・申告窓口)

当社の内部者通報制度「コンプライアンス・ホットライン」は、利便性を高め広範囲のリスクにより早く対応するために、第三者機関にも受付窓口を設けており、当社の従業員のみならず、国内連結子会社やお取引先からも相談・申告を受け付けています。同ホットラインへの相談や申告の事実とその内容については、対応に従事する関係者により秘密の厳守が保証され、また相談者は、相談や申告の事実により不利益を受けることは一切ありません。当社は、これらの内容をイントラネットで明示するとともに、教育等の機会を通じて従業員に周知しています。
2018年度におけるこの窓口への相談・申告件数は121件で、前年度から3件増加しました。相談・申告の内容としては、倫理行動違反、NECグループ行動規範や社内ルールへの違反や不正、違法行為の可能性の指摘などがあり、これらについては適切に対処しています。
また、海外連結子会社においても第三者機関の受付窓口を設置しており、当該会社の役員や従業員による利用が可能です。同受付窓口への通報やそれに対する海外連結子会社の対応状況については、当社でも共有しています。

コンプライアンス推進活動への取り組みに関するアンケート調査

コンプライアンス推進活動への取り組み状況やコンプライアンスに関する意識評価を目的として、コンプライアンスに関するWeb研修にあわせて全役員・従業員を対象にしたアンケート調査を実施しました。また、「NECコンプライアンスの日」にあわせて実施したアンケート調査では、当社の事業部長が発信したメッセージに対する当該部門部員による評価も行いました。これらの結果は、イントラネット上のポータルサイトに掲載して社内にフィードバックするとともに、今後のコンプライアンス徹底に向けた施策の立案と実施に役立てています。

リスク・マネジメント

「重点対策リスク」の選定とその対策

コンプライアンス推進部は、アンケート方式による「リスク管理実態調査」で把握したリスク評価の結果、および経営監査本部による内部監査における指摘事項などを踏まえ、対策の必要性、企業経営への影響の大きさおよび社会への影響度などの観点から、毎年「重要リスク」を抽出しています。その中から特に影響が大きいと評価されるリスクを「重点対策リスク」として選定し、対策を講じています。
2018年度は、「個人情報保護に関わるリスク」、「贈収賄に関わるリスク」、「競争法違反に関わるリスク」および「不適切な原価計上に関わるリスク」を重点対策リスクとして選定しました。これらのリスクに係る主な対策については、「公正な取引の推進」および「個人情報保護、プライバシー」の章をご参照ください。

外部団体の活動への参加

経営倫理実践研究センター(BERC)

経営倫理に関する国内外の情報収集や研究、企業活動におけるコンサルティング、企業人への啓発・普及などを行う一般社団法人経営倫理実践研究センターに、当社は設立時(1998年)から参加しています。当社は、同センターを通じて得られた他社における取り組み事例などを、当社におけるコンプライアンスの徹底・浸透施策の立案に役立てています。