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No.5(9月)ユビキタス環境を活用し,企業競争力を向上させる「UNIVERGE」特集
Vol.58 No.5(2005年9月)
ユビキタス環境を活用し,企業競争力を向上させる「UNIVERGE」特集
平素よりNEC製品のご愛顧を賜り,厚く御礼申し上げます。
ブロードバンド&モバイルの本格利活用が進み,ユビキタスネットワーク社会が広がろうとしています。国内ブロードバンド契約数は1,800万を突破し,1/3の世帯で導入されています。また国内の携帯電話は8,000万台を超え,その9割がインターネット接続による情報端末として利用されています。放送,通信,金融の融合は一段と進み,携帯テレビ電話やおサイフケータイなど新しいサービスが広がっています。このようなユビキタスネットワーク社会の到来に呼応して,人,もの,コンピュータなどあらゆるものを繋げ,新しいサービスを創出する基盤が重要な役割を担うようになってきました。NECは2003年11月に企業向けIT・ネットワーク統合商品である「UNIVERGEシリーズ」を発表し,ユビキタスネットワーク社会の実現に向けて継続的にその強化に取り組んできました。
お客様のご要望に基づいて整備されたUNIVERGEソリューションによって,新しいワークスタイルによる業務効率化や新サービスによる事業拡大など,多くのお客様の課題解決をご支援させていただいております。このUNIVERGEソリューションの中核として,IT・ネットワーク領域で豊富な実績を持つミドルウェア製品VALUMO ウェアやコラボレーションのためのソフトウェア製品は,最先端の技術を取り込み,機能強化や新製品の提供を行ってきました。
平素より弊社のIT,およびネットワーク商品のご愛顧を賜り,厚く御礼申し上げます。
NECは2003年11月に業界に先がけて,企業向けIT・ネットワーク統合商品「UNIVERGEシリーズ」を発表し,以後それらをプラットフォームとした数々のソリューションを提案してまいりました。その間,企業ネットワークにおいてはIP化とモバイル化の進展に加えて,ITとネットワークの統合によるオフィスの知的生産性向上などのニーズが多様化してきています。特にIP電話を中核としたソリューションは,先行導入フェーズから本格導入フェーズへと移行が進み,市場が本格的に立ち上がってきました。こうした市場環境の中で各競合ベンダーも,IT/ネットワーク統合ソリューションを指向してきており,連携や買収などによりUNIVERGEを猛追し,現在,熾烈な競争を繰り広げています。
平素よりNECのIT,およびネットワーク製品のご愛顧を賜り,厚く御礼申し上げます。
ブローバンド&モバイルの適用範囲が広がるなか,企業の情報システムには通信の高速化,情報量・質の拡大,通信コストの削減,運用コストの削減,新サービスの活用などによる期待が高まっており,企業競争力を向上させる戦略の一翼を担うまでになっています。
企業が活用するブロードバンドサービスでは,従来型のWANサービス(フレームリレーサービス,高速デジタル専用線サービス)から,IP技術を使用した低価格なWANサービス(インターネットVPN,広域Ethernetサービス,IP-VPNサービス)利用への移行が加速しています。
このブロードバンド環境の普及拡大にともない,IP電話の導入が加速してきており,よりいっそうユビキタス環境を整備する土壌が整いつつあります。現在IP電話を核にした通信と情報システムを統合する動きが広がりつつあり,この日本発の流れが世界に波及する可能性も高まっています。
NECではいち早く「IT・ネットワーク統合ソリューション」を支える製品ファミリとして「UNIVERGE」を立ち上げ,NECがこれまで培ってきたコンピュータやネットワーク関連の先進技術を投入し,高い付加価値を有する製品群を開発,提供してきました。
ここでは,「UNIVERGE」分野におけるコンピュータ製品および技術の関わりについて,今後の開発の方向性を述べます。
ソリューション
NECは,ブロードバンドを活用してコミュニケーション革命を実現するオフィスの革新コンセプトとして「ブロードバンドオフィス」を昨年,業界に先駆けて提唱し,その「ブロードバンドオフィス」を実現させるソリューションを,UNIVERGEソリューションとしてリリースしました。
その後,UNIVERGE“FOMA”連携ソリューションを中核としたモバイルソリューションなどの拡張を行い,さらには,「ブロードバンドオフィス」のコンセプトも,よりいっそうお客様の固有の業務に即した形への適用を狙った4つの強化モデルの提案など,強化を図ってきました。
本稿では,ブロードバンドオフィスとUNIVERGEソリューションの強化について,およびUNIVERGEソリューションの体系化を紹介します。
ブロードバンドオフィスは,ブロードバンドを活用してオフィスのIT環境を整備することにより,ワークスタイルを変革し,知的生産性を向上し,さらには企業間のコラボレーションを活性化すると考えます。NECでは,IPテレフォニーを中心としたブロードバンド&モバイルネットワーク技術とIT技術を融合したUNIVERGEソリューションを提供し,ブロードバンドオフィスの構築を推進してきました。本稿では,さらにブロードバンドオフィスを業務に浸透させるため,業務に合わせた4つの適用モデルと,具体的なソリューションとその導入効果について紹介します。
無線LAN IPテレフォニーソリューションの導入により,社内のどこにいても電話がつながり,通信費を削減,フリーアドレスのオフィス環境など新しいワークスタイルを提供します。「無線LAN SIP端末MH210」は「SIPサーバ UNIVERGE SV7000」の呼制御に基づき,保留や転送機能などの従来から企業内で使われてきた様々な機能を同じ操作性で提供します。また,「無線LANシステム UNIVERGEWLシリーズ」を通じて無線LAN区間での音声通話品質を確保します。さらに,「認証サーバUNIVERGE RD1000」により,セキュリティを確保します。本稿では,UNIVERGEシリーズ製品を利用した「無線LAN IPテレフォニーソリューション」の特長や事例を述べます。
UNIVERGE“FOMA”連携ソリューションは,世界で初めて社内では無線LAN,社外ではFOMAとして使える携帯電話FOMA N900iLを活用するソリューションです。UNIVERGE“FOMA”連携ソリューションは,単に内線電話を無線IP電話にリプレースするだけでなく,オフィスのワークスタイルの革新や通信のTCO削減など,ビジネスにおけるコミュニケーションの在り方を大きく変えるポテンシャルを持っています。
本稿ではオフィスユーザの立場から見たUNIVERGE“FOMA”連携ソリューションの導入メリットとソリューションを支える個別のアプリケーション群について紹介します。
日本はブロードバンド回線や3Gモバイルが普及し,世界で最も進んだユビキタス環境を持っています。NECでは,このユビキタス環境を有効に活用し,企業の知的生産性を向上させるソリューションを「UNIVERGE」として体系化しました。しかし,ユビキタス環境が進展し,誰でもどこでも高速にインターネットにアクセスできるようになると,ウイルスやワームによる被害や,機密情報や個人情報の漏えいなど企業オフィスにおけるセキュリティの脅威が増大します。「UNIVERGE」において,そのオフィスのセキュリティ対策を提供するのが「UNIVERGEオフィスセキュリティソリューション」です。
本稿では,UNIVERGE オフィスセキュリティの体系と,新しい強化ソリューションについて紹介します。
近年,企業におけるコンタクトセンターの位置付けが大幅に変わり,CS向上/売上拡大の戦略拠点として注目を集めています。一方で,限界のないコスト削減が求められています。NECではこれらのニーズに応えるため,音声認識,テキストマイニング,Webコラボレーションについて,研究所で開発した自社技術を基にソリューションを開発しました。これらのソリューションは,NECグループ内での実業務への適用を経て,お客様に提供するものです。
ITとネットワークの融合により企業における業務効率化をめざすNECのUNIVERGEソリューションでは,音声とデータがIPで統合したコミュニケーション環境が提供されますが,そのような環境では今後,音声情報を他のデータと連携して有効活用することが必要になってくると考えられます。そのための技術として,NECでは話し言葉の音声をテキスト化する話し言葉認識技術を開発しています。本稿では,話し言葉認識技術と,コンタクトセンタを始めとするいくつかの応用事例について紹介します。
UNIVERGEビジネスの拡大には,競争力あるソリューションを継続的に提供できることが成功の鍵となります。このためにはNEC単独での商品開発のみならず,パートナー様との協業による品揃えが重要と考えUNIVERGEアプリケーションパートナープログラム活動を行っています。
また同プログラムは海外にも展開しており,UNIVERGEビジネスのグローバルな拡大に貢献しています。
ブロードバンド環境を企業に導入するイメージを明確につかんでいただけるよう,お客様にブロードバンドオフィスを実際に見て,感じて,体験いただくことを目的として,2004年1月,品川にNECブロードバンドソリューションセンター(BBSC)を開設しました。お客様からの高い評価と予想を上回る効果を生みだしたことから,BBSC関西を2005年1月に設立,2拠点合わせてすでに2万人以上のお客様にご来場いただきました。
本稿では,ユニークなコンセプトのもと,UNIVERGEソリューションの核となるブロードバンドオフィスのリファレンス拠点として設置されたBBSCにおける活動と,今後の方向性について紹介します。
製品/ソフトウェア
StarOffice21/コミュニケーションポータルは,複数のコミュニケーション手段を一元化し,プレゼンスに合わせた最適なコミュニケーションを実現する製品です。
本稿では,StarOffice21/コミュニケーションポータルの概要および機能を説明します。
いつでも,どこからでもネットワークにアクセスするための手段として携帯電話の活用が着目されています。本稿では,携帯電話を利用したモバイルサービスの基盤となるコンテンツ変換製品MobilenetServer/WEB,モアレッシモについて紹介します。
また,コンテンツ変換の応用技術である,セマンティックズーム,携帯電話を利用して企業の業務システムへのアクセスするための基盤となるケータイポータルについて紹介します。
ネットワークのブローバンド化やパーソナルコンピュータの高性能化を背景に,映像・音声・データを活用したマルチメディア・リアルタイム・コミュニケーションが実際のビジネスの現場で活用されつつあります。
本稿では,NECのリアルタイム・コミュニケーションを実現するソフトウェア製品群である「コミュニケーションドア」のシステム体系,アーキテクチャ,ならびに各製品の特長と適用事例について説明します。
情報漏えい問題,またコンピュータウイルス・ワーム問題などLAN環境における不正アクセスに起因する問題が多発していることもあり,セキュリティレベルの低いPCを基幹ネットワークに接続させない「検疫」のニーズが高まっています。NECはいち早くこの技術の製品化に取り組み,PC検疫システムを開発し,総合サイバーアタック対策製品「CapsSuite」に組み込んでいます。そして今回,LAN環境におけるユーザ認証の方式を定めた標準規格であるIEEE802.1Xに対応した,PC検疫システムを開発しました。本稿では,「IEEE802.1X型PC検疫システム」の概要と特徴を説明します。
本稿では,NEC が開発した「WebSAM NetvisorPro WLAN Manager」の概要について説明します。
「WebSAM NetvisorPro WLAN Manager」は,マルチベンダのアクセスポイントで構成される無線LANにおいて,有線LANと統合したネットワーク管理を可能にします。
アクセスポイントの障害検出だけではなく,不正な端末やアクセスポイントの検出,無線LANの電波干渉発生時の回避機能や,同一アクセスポイントへのアクセス集中時に端末の接続先を分散し高負荷を回避する機能を提供することで,無線LANの安定運用をサポートします。
製品/プラットフォーム
ブロードバンドネットワークの普及により,企業のIPセントレックスやブロードバンドオフィスへのニーズが高まっています。UNIVERGE SV7000はこれらのニーズに応えるVoIPテレフォニーシステムの中核となる製品です。
本稿では,UNIVERGE SV7000における,小容量領域タイプの投入によるフルラインナップ化,システム全体の信頼性を向上するバックアップソリューション,セキュリティ対策の強化,より高度なサービスの提供を可能とするアプリケーション連携について紹介します。
“UNIVERGE WLシリーズ”は,従来の無線LAN 製品群とは異なる集中型アーキテクチャで設計された,インテリジェント無線LANシステムです。最近では企業内にデータと音声を統合した無線LAN環境を構築するユーザ数も増加の一途をたどっていますが,無線LAN環境下で音声品質を確保し,音声端末を企業用途に使用するためには,多くの課題も抱えています。UNIVERGE WLシリーズでは,音声拡張機能を実装することにより,これらの課題を解決しています。
本稿では,UNIVERGE SVシリーズ用に開発された,UNIVERGEターミナルのラインナップを紹介します。
近年のIP-VPN,インターネットVPNの普及によって,より広帯域でセキュアなネットワークを安価に構築することが可能となってきました。
このようなVPNではIPデータ通信に限らず,音声通信の統合あるいはIP以外のプロトコルも使用可能なLAN間通信などへの利用に対する需要も高まってきています。
本稿ではこれら市場からの要求を実現するために,UNIVERGE IXシリーズ(IX2000/3000)に新たに実装した技術を紹介します。
「UNIVERGE IP8800/Rシリーズ」・「同Sシリーズ」は,最大384Gbps のスイッチング性能,および10ギガ・イーサネットを最大16ポート収容可能とした,業界最高クラスのポート収容密度を実現しています。また,専用LSI・高信頼性部品の採用,装置内の電源やモジュールの冗長化などにより,高い信頼性を実現しています。さらに,専用のハードウェアによって,レイヤ2からレイヤ4のきめ細かなQoS制御を可能とするとともに,IPv6やマルチキャストへの対応を図っています。
本稿では,「UNIVERGE iExpress5800/Lite Ⅱ」の概要について説明します。
「UNIVERGE iExpress5800/Lite Ⅱ」は,中小,SOHO規模で,IP電話を利用した業務の効率化や知的生産性向上などのソリューションを実現するプラットフォームとして,最適なIP電話機能付きのPCサーバです。
NX7700iシリーズは3種のOSをサポートし,豊富な製品ラインナップにより幅広い用途でご利用いただけるエンタープライズサーバプラットフォームです。業界標準技術とNECの技術との融合により,UNIVERGEの基盤を支えるプラットフォームにふさわしい性能/拡張性/信頼性/柔軟性を提供しています。
iStorageは,ブロードバンド時代におけるデータ量の爆発的な増加とデータの重要性増大に応えるストレージプラットフォームです。また,先進技術の搭載により,高性能/高信頼性/高運用性を実現しています。本稿では,iStorageの特長と製品に搭載されているテクノロジーについて紹介します。
Express5800シリーズは,CPUにインテル社Pentium4およびXeonプロセッサなどを採用し,オペレーティングシステム(OS)にはMicrosoft Windows ServerやLinuxを搭載することによって,広く流通している市販ソフトウェアや,オープンソースのソフトウェアを使用可能にした高機能,高性能,高信頼のサーバ製品です。
また,Express5800シリーズは,UNIVERGEの各種ソリューションの実現を支えるサーバプラットフォームの1つです。
本稿では,Express5800シリーズの製品概要と強化方向を紹介します。
これからの情報通信ネットワークは,ライフラインとして機能することが求められています。しかしながら,現在の情報インフラであるインターネットには様々な面で脆弱さがあり,人々が安心して使える安全なネットワークを構築していかなければなりません。これまで,主に利便性の追求に力を注いできたインターネットの技術開発に,ディペンダビリティという観点からアプローチする必要があると,NECは考えています。本稿では,情報通信基盤に求められるディペンダビリティとその要求条件を考察し,ディペンダブルネットワークを構築するための諸技術を紹介するとともに,技術だけでは解決できない社会的コンセンサスに関して言及します。