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プロセス業のDXを促進する
生産財バリューチェーン
NECの取り組むテーマとユースケース【2020.05.20】
カテゴリ:DX・業務改革推進品質・環境・物流その他
生産財バリューチェーンとは
「生産財バリューチェーン」とは、鉄鋼、化学、ゴム・タイヤ、建材、土石・窯業、印刷・製紙といった人々の暮らしを支えている生産財企業に価値をお届けするソリューションです。
サプライヤや外注委託先、顧客と連携し、研究開発・試作工程における負荷を抑制するプロセス最適化や、量産・販売工程における工場デジタル化および在庫最適化を実現。生産財企業の収益最大化に貢献します。
生産財企業の環境変化と課題
いま、生産財企業を取り巻く環境変化や課題には、どのようなものが挙げられるでしょうか。
①品質保証の厳格化と労働力不足
頻発する品質保証問題に対し、政府当局や業界団体などによる是正要求が高まる一方、労働力不足が深刻化し熟練技術の承継が困難になりつつあるという問題が挙げられます。
これに対して、生産財企業には熟練者に依存せずプラントを安定稼働させるとともに、品質保証を実現する業務や品質改ざんを発生させない仕組みを構築する必要があります。
②市場環境変化
次に、消費者ニーズの多様化に伴う変種変量対応の高まりと、新興国の台頭や貿易戦争などによるグローバル事業環境の不安定化という問題が挙げられます。
そこで、変動するニーズに柔軟に対応するとともに、激化する競争に対応すべく、複雑化するグローバルSCMを変革する必要性があります。
③消費環境変化
消費環境がめまぐるしく変わる現在、先回りした新素材開発が重要となり、AI活用が進んでいるものの、材料開発知見とAI活用が可能な人材は不足しています。
また、属人的な研究開発による知的財産の分散が起こっています。消費環境変化を捉えつつ、いち早く開発するための人材・仕組みが求められます。
これらの課題に対し、NECは【事業の根幹を支える品質DX(デジタルトランスフォーメーション)】【収益最大化を目指す在庫最適化】【Materials Informaticsを活用した新素材開発】という3つのテーマで「生産財バリューチェーン」の構築に取り組む必要があると考えます。次に、それぞれのテーマにおける導入事例をご紹介します。
品質DXをテーマとした導入事例
品質DXは設備に起因するロスの見える化や検査・検品の自動化および品質情報のデジタル共有により、信頼性向上、業務効率化の両方を実現します。代表的な事例を3つご紹介します。
参考:品質管理・品質保証
●事例1:品質分析/予測ソリューション ~設備稼働/品質の見える化・分析~
高機能素材メーカーA社様では「設備に起因する機会ロスや工程ネックとなる問題個所を見える化し、改善サイクルを回したい」という課題に対し、工場における実績や設備状況などのデータを収集・見える化する基盤/ツールを導入。
これにより、環境変化に対応したダイナミックで柔軟なものづくりを実現しました。さらに、全社的な生産状況を見える化する基盤に発展させることで、経営判断を高度化し、品質不良抑制の20%向上を目指しています。
参考: NEC Industrial IoT Platform
導入シナリオ:設備編
導入シナリオ:人作業編
●事例2:検査・検品省人化ソリューション ~検査業務のAI自動判別~
合成ゴムやエマルジョン、合成樹脂などの石油化学系事業に加え、半導体/ディスプレイ材料やライフサイエンスなどの事業も展開するJSR様では、ある半導体材料の品質検査の業務改革に着手するにあたって、「電子顕微鏡で撮影した製品画像の目視検査における業務負担が大きい」、「検査業務の社内資格者の育成に数カ月かかる」という課題がありました。
こうした課題に対して、NECの画像認識技術(ディープラーニング)を活用して、製品特性に関わる各要因分類を自動判別化し担当者は高難度の業務に集中できるため、従来の作業時間を半減できました。なお、このAI自動判別は、高度な専門知識が不要で他製品への展開も可能であり、品質目視検査工数の50%以上の削減を目指しています。
参考:NEC AI Visual Inspection導入事例
●事例3:品質データ基盤
高機能素材メーカーB社様では、「各社・各様に品質保証書を提示しており、対応負荷が高い」、「品質保証書が紙データのため、数字等の書き換えリスクがある」という課題に対し、NECの品質データ基盤によりデジタル化した品質保証データを統合管理し、お客様へ結果として共有。さらに、自社企業・グループを跨いだ品質情報の基盤として活用可能。
これにより、品質情報の改ざん防止・品質保証業務の効率化を図り、品質保証体制の強化を実現します。
参考:品質データ基盤
在庫最適化をテーマとした導入事例
NECのものづくり革新経験と在庫状況の見える化やAI活用で、在庫の最適化を促進します。代表的な事例を3つご紹介します。
参考:在庫最適化
●事例4:業務改革・システム改革
工業用シール剤・接着剤製品を製造・販売するスリーボンド様では、「市場競争力の獲得に向けグループシナジーを強化したい」、「市場のダイナミックな需要変動に対応できる生産体制を整備したい」、「原価管理の適正化により収益力向上に向けた正確な意思決定を行いたい」という課題に対し、基幹システムの刷新と業務改革を推進。
グループ全体での競争力強化する仕組みや、製販一体化による在庫最適化およびリードタイム短縮化、原価管理の適正化を実現しました。年間2000以上増加する品目に柔軟に対応する業務およびシステムを構築しています。
参考:IFS Applications
IFS Applications導入事例
●事例5:滞留可視化
高機能素材メーカーC社様では、「新興国のメーカーとの競争が激化する中、過剰不良在庫で収支が悪化している」という課題に対し、サプライチェーンにおけるモノの流れやボトルネックを見える化して、全体最適を実現。過剰な不良在庫状況を見える化することで、適正値との乖離状況を把握できるようにしました。
これにより、拠点ごとや品目ごとなど管理したい切り口での在庫の予実がわかるため、直感的な是正措置が可能となり、30%の在庫削減を目指しています。
参考:SCM Performance Monitoring
●事例6:AI製品需要予測
また、上記と同様の課題に対し、ある建材メーカーD社様では、需要予測領域における脱属人化・省力化を目指してAI(異種混合学習技術)を活用。部品在庫45%削減した例もあります。
参考:NEC AAPF Solution Templates
新素材開発をテーマとした導入事例
新システム基盤導入やプロジェクト可視化により、開発サイクルを短期化し多様化するニーズへの対応力を向上します。代表的な事例を2つご紹介します。
参考:素材開発
●事例7:技術情報管理
高機能素材メーカーE社様では、技術情報管理(レシピ・工程・ドキュメントなどの管理)の業務/システムが工場ごとに異なる事で、「システムの操作性・手順が煩雑」、「マスタのメンテ負荷が高い」、「メンテナンス性や拡張性がない」といった課題を抱えており、『Obbligato』により、統合技術情報管理基盤を構築。
工場ごとに異なっていた業務およびシステム範囲を統一し、業務をシステムに合わせることで全体最適を図りました。また、素材レシピノウハウを活かす機能についてはアドオンで構築することで、設計者の利便性を向上。開発リードタイム短縮や品質向上に寄与しています。
参考:プロセス業向けPLMソリューション
NEC PLM Obbligato
●事例8:開発プロジェクト管理
高機能素材メーカーF社様では、「開発プロセスでの調査・チェック漏れによる手戻りが多い」、「開発遅延リスクがある場合に、意思決定のための必要情報が見えない」、「ドキュメント管理に手間がかかる」といった課題に対し、『Obbligato』の導入により開発プロジェクトの可視化と技術情報の一元管理、意思決定の支援や遅延防止を実現させました。
また、タスク・関連製品・ドキュメント・チェック項目の一元管理により、ヌケモレを削減。数万点におよぶ管理項目を集約し、20%の業務効率化を実現しています。
参考:プロジェクト管理ソリューション
新たな価値を提供する、NECの生産財バリューチェーン
以上にあげた事例はほんの一例です。NECの生産財バリューチェーンは、「事業の根幹を支える品質DX」、「収益最大化を目指す在庫最適化」、「Materials Informaticsを活用した新素材開発」という3つのテーマで新たな価値をご提供。
生産財企業と共にグローバルアジェンダを解決し、持続可能な社会を実現して参ります。
関連リンク
生産財(素材産業)のDXを促進する生産財バリューチェーン
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