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事業・組織のこれからを創る、ポスト・ワークスタイル変革

2020年12月3日、オンラインイベント「NEC Visionary Week」において、「在宅ワークの普及状況、および新たに発生している課題とその対策」をテーマに、NEC デジタルビジネスプラットフォームユニット 戦略コンサルティングオフィス エグゼクティブコンサルタント戸田 雅仁がセッションを行いました。本記事では、その概略について紹介します。

NEC
デジタルビジネスプラットフォームユニット
戦略コンサルティングオフィス
エグゼクティブコンサルタント 戸田 雅仁

New Normalに向けての、NECの取り組み

新型コロナウイルスの脅威を乗り越えて、強い社会を取り戻すために、企業にはスピード感のある本質的な改革が求められています。そして、スピード感のある改革を行うためには、デジタルの力が必要不可欠であると、戸田は語ります。

「変化の大きなNew Normalの社会で、将来を見据えたDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める上では、経営戦略に整合し、かつ経営課題を解決できるDX戦略の策定を最初に行うべきだと考えます。そこでNECでは、お客様のDX戦略策定から実装・オファリングまでを、ワンストップでサポートするコンサルタントサービスをご提供しています。」(戸田)

一方で、コンサルタントとしてお客様のDXを支える存在となるためには、NEC自身にも働き方改革やDXの推進が求められます。その点、NECは2018年7月から、社員の力を最大限に引き出す変革プロジェクトとして「Project RISE」を推進し、経験と実績を積み重ねてきました。

このプロジェクトは、人事制度・ツール・オフィス環境などの「インフラの整備」、より付加価値の高い仕事に集中させるための「業務・プロセスのシンプル化」、変革マインドを醸成する「意識改革」の3つの要素を軸に進められています。

具体的な施策としては、コアタイムを設定しないスーパーフレックスタイム制度、「デジタルワークプレイス」と呼ばれる多様な働き方を支えるツール群の導入、承認の電子化などが挙げられます。

「2019年には2度のテレワーク試行期間を設け、ITインフラの負荷検証や事業継続計画の訓練などを実施した結果、2020年4月に発出された緊急事態宣言下でも、一部の業務を除き、ほぼテレワークで実施することができました。宣言解除後は、緩やかに実施率が低下したものの、2020年12月現在でも約75%の社員がテレワークを実施しています。」(戸田)

この数字の背景には、職種や担当業務によるテレワークのメリハリがあります。例えば、生産現場や高機密情報を扱う情報は、オンサイトが主流で、オフィスにおいて物理的な三密対策が採られています。一方、それ以外の社員には、テレワークを選択できる機器・環境が提供され、オンサイトとリモートのハイブリッドで働くことができる環境が整備されています。

テレワークの普及状況と新たに発生している課題

このように、NEC内ではすでにテレワークが定着していると言えるでしょう。一方、社会全体を見ると、新型コロナウイルスの影響によってテレワークが急速に浸透したことで、若い世代を中心に働き方に関する意識に変化が生じつつあります。

「内閣府が2020年6月に発表した調査結果(※1)からは、特にデジタルネイティブの若い世代における仕事への向き合い方について、ワークライフバランスを重視する傾向への変化が見受けられます。また、20代や東京都心部に居住する人の地方移住への関心が高まり、いわゆる『work anywhere』の志向が高まっていることもわかります。」(戸田)

  • (※1)
    2020年6月21日 内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響化における生活意識・行動の変化に関する調査」

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大にともない、20代で半数以上の方が職業選択や副業希望の意識が変化したとの結果もあり、今後、私生活やワークライフバランスへの考え方が、新たな職業・会社選択の基準になりうると、戸田は語ります。

「DXで先行的な取り組みを実施している大手企業においても、経営戦略の柱として、新型コロナウイルスの影響を踏まえた『社員の多様な価値観・働き方を支える環境基盤の整備』が据えられています。このことからも、今後、DXを支える優秀な人材を確保するためには、多様な働き方、すなわちオンライン・オフラインを柔軟に選択できる環境を整備することが重要と言えるでしょう。」(戸田)

一方で、テレワークでの生産性に関する調査結果(※2)では、30%が「生産性が落ちた」と回答していることも見逃せません。その要因は、「集中力の維持が難しい」「システム整備が不十分」など、自宅などの執務環境に関する課題が主なものでした。

  • (※2)
    「テレワークでの生産性に関するアンケート」ロバート・ウォルターズ・ジャパン

また、制度や仕組みに関する課題も散見されます。実際、(公財)日本生産性本部の調査(※3)では、「上司・同僚との連絡・意思疎通」「押印の廃止や決済手続きのデジタル化」などの課題感が見受けられます。このことから、さらなるテレワークの定着化のためには、適切な意思疎通に加えて、人事や評価制度の変革、業務プロセスのDX化などの対応が必要になるものと考えられます。

  • (※3)
    2020年5月22日、7月21日、10月16日 公益財団法人日本生産性本部「第1回〜第3回 働く人の意識調査」

さらに、別の課題としては、チームマネジメントが挙げられます。NECが行った調査では半数以上の管理職が執務環境の多様化により、『部下のマネジメントに困っている、難しさを感じている』と回答しています。

「回答理由を調査した結果、テレワークでもマネジメントに困っていない管理職は、普段から能動的にコミュニケーションを取ったり、勤務状況の把握のための工夫をしていることがわかりました。つまり、チームを従来のようにリードしていくためには、テレワーク中でもメンバーの状況が把握できるよう、活動内容やメンタル、健康状態などを可視化することが求められていると言えるでしょう。」(戸田)

NECの「デジタルワークプレイス」が、テレワークの課題を解決

このように、テレワークの課題解消に向けたツールが登場する中、NECにおいても、New Normalな働き方を実現するプラットフォームとして、「デジタルワークプレイス」を提供しています。

「デジタルワークプレイスは、『Well-Being』『圧倒的な生産性』『イノベーション創出』をコンセプトとしたサービス群です。全部で13あるカテゴリーの中から、今回は前述した『自宅環境』『テレワーク環境』『制度・仕組み』という3つの課題につながるサービスを紹介します。」(戸田)

①自宅環境に関する課題を解消:ヒアラブルデバイス
聞こえる音のノイズキャンセリングはもちろん、自分の声のノイズも除去可能なソリューションです。特許出願中の耳音響認証技術により、個人を特定することで、自分だけがアクセスできる音声メモを簡単に残すことができます。

②テレワーク環境に関する課題を解消:テレワークインフラ+セキュリティ対策
次の5つのソリューションにより、安心安全な環境化での業務を実現します。

  1. 場所を問わず、仕事をするための仮想デスクトップ環境
  2. 煩雑なクラウド運用を代行する、マルチクラウドサービス
  3. ゼロトラストモデルを実現するための、セキュリティコンサルティングサービス
  4. ゼロトラストを前提としたセキュアプロキシ管理を提供する、クラウドセキュリティ基盤
  5. 煩雑なパッチ適用を自動化し、間断のない脆弱性対策を実現する、脆弱性管理サービス

③制度・仕組みに関する課題を解消:NEC Digital Assistant
会議調整や経費精算など、負荷の高い日常業務をAIがサポートするソリューションです。例えば、経費精算の場合、AIチャットボットを利用した会話のやりとりで、必要な情報が入力されるなど、スムーズな申請をサポートします。NECにおいては、会議調整にかかる時間を65%、交通費生産にかかる時間を75%削減したという実績もあります。

中長期視野における、働き方改革の検討のアプローチ

このように、様々な製品やサービスを活用することで、テレワークにおける課題を解消することができます。一方で、働き方改革を実現するためには、中長期的な視野を持つことが欠かせません。

「中長期的な視野で見た場合、働き方に影響を与える外部環境は、『人口動態』『法律・法制度』『人の特質・特性』『テクノロジー』といったようにカテゴライズできます。下図に示した要素は、新型コロナウイルスの感染拡大以前より変化が生まれていたものがほとんどですが、地方移住者の増加やワークライフバランス重視など、新型コロナウイルスの影響で、さらに加速したものもあります。このことから、人の変化やテクノロジーの進展に対応することが、ますます重要になっていると言えます。」(戸田)

そして、進化するテクノロジーを活用して、人の変化に対応することが、組織変革や働き方改革における課題の解消につながると、戸田は語ります。

「例えば、働き方改革における代表的な課題として、『付加価値業務へのシフト』が挙げられます。こうした課題は、デジタルコミュニケーションや5Gを活用したリモートワークによる通勤時間の低減、RPAやアナリティクス(AI)を活用したルーティンワークの効率化などにより、解消することができます。」(戸田)

また、外部環境だけでなく、企業と従業員の関係についても変化していくものと考えられます。中でも、テレワークの定着をきっかけとして、執務場所の選択の自由化は、急速に加速する可能性があるため、注意が必要です。

「執務場所の選択の自由化が加速すれば、社員のキャリア形成や雇用契約、評価にも大きな影響が出るでしょう。具体的には、デュアルキャリアの普及や職務内容を詳細に定義したJob Description型の雇用契約、成果・スキルベースの評価の主流化などが予想されます。」(戸田)

さらに、執務場所についても、「work anywhere」の浸透により、社員1人ひとりのスタイルに合わせた、オンライン・オフラインのハイブリッド環境の提供が必要になると考えられます。

戸田は「このように、対応しなければならない課題は多く、New Normalに向けた変革への道のりは決して平坦ではありません。一方で、若い世代のデジタルネイティブな優秀層は、対応が遅れている企業を避ける傾向にあると考えられます。そのため、変革は待ったなしの状況と言えるでしょう。NECでは、実体験に基づく実現性の高い施策の提案をはじめ、お客様と伴走しながら、変革のサポートをさせていただきます。ワークスタイルの変革で課題を感じている企業の方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。」と力強く語りました。

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