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NEC Value Chain Innovation特集によせて

堺 和宏
SAKAI Kazuhiro
今、企業や産業は、食料廃棄、労働力不足、消費環境の変化、多様化する実社会及びサイバー空間の脅威など、さまざまな課題に直面しています。
一方で、デジタルの浸透は加速度的に進んでいます。SNSをはじめとしたコミュニケーションスタイルの変化は、急激な需要変動を生むとともに、生活者の価値観を多様化、細分化し、モノからコト消費へシフトさせました。また、シェアリングサービスが次々に生まれ、あらゆるデータや決済などの機能を活用したサービスも誕生し、人々の生活様式も大きく変化してきました。
更に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に端を発したNew Normalへの対応に向け、これまでの日常とはまったく異なる価値観/社会への変革が求められています。
こうした社会課題や変化に企業や産業が対応するためには、今まで以上にデジタルの力が必要となります。NECは、最先端のデジタル技術を活用し、お客様との共創活動を通じて人やモノ、プロセス、そしてデータを企業・産業の枠を超えてつなぎ、新たな価値を生み出すデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みが不可欠と考えています。
この取り組みを「NEC Value Chain Innovation」(以下、VCI)という事業コンセプトとして掲げ、NECは2014年から取り組んできました。VCIの実現には、産業界全体の幅広い知見や実績が求められます。
具体的には、NECは、自らも製造業としてものづくりを研鑽し、市場の変化に対応したスマートファクトリーの実現や製品のオンライン化、スマート化に伴う製造業のビジネスモデルの変革を支えています。また、人手不足が進む小売業の業務効率化や手ぶらでスムーズな新しいお買物体験の実現を支えるとともに、ホテル、エンターテインメント施設におけるタッチレスで快適な顧客体験の創出に貢献しています。更に、止まらない物流インフラを構築し、安全・安心な人・モノの移動を支え、モビリティ社会の実現に貢献しています。加えて、金融サービスのデジタル連携やデジタル変革、そして複雑化するリスクや規制への対応高度化を実現しています。
更に、121年にわたり蓄積してきたテクノロジーや人財を用い、製造業、物流業、小売業、サービス業、金融業といった5つの事業領域で産業の枠を超えたVCI事業に取り組んでいます。
その代表的な取り組みが、製造、物流・卸、小売業の皆様と共創を通じ食品ロス削減や労働力、エネルギー効率化といった社会価値創造を目指す需給最適化プラットフォームです。その他に、オープンAPIを活用し銀行が保有する本人確認済情報を事業者へセキュアに連携し、オンライン本人確認を完結するマルチバンク本人確認プラットフォームや、顔や虹彩を使った生体認証を共通のIDとして、顧客へ一貫した体験を提供する「NEC I:Delight(アイディライト)」など、データを活用した社会価値創造の取り組みを進めています。
そして、このVCIの実現はNECが持つ最新のテクノロジーに支えられています。施設への入退や決済など、さまざまなシーンで活用が進む生体認証技術、商品の需要予測や製造工程での不良品検知、また金融取引の不正検知など、着実に実装が進むAI技術、更にスマートファクトリーや建設機械などで検証が進む次世代通信技術5Gなどのネットワーク技術。加えて、IoT、サイバーセキュリティ、クラウドなどの最先端のデジタル技術と長年培ってきた業種ノウハウやシステム構築実績がVCI事業を下支えしています。
本NEC Value Chain Innovation特集では、NECがデジタルを活用しお客様との共創を通じて実現するDXにより創り出す価値とそのベースとなるテクノロジーについて代表的な事例を交え紹介いたします。
本特集をぜひご一読賜りますとともに、引き続き皆様の事業拡大に貢献したく今後ともよろしくお願いいたします。
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