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アフターコロナで主流となる働き方「ハイブリッドワーク」

~企業の新たなワークスタイル変革はDXと相互依存の関係に~

2020年に発生したCOVID-19の世界的な感染拡大を受けて、多くの企業がリモートワークへ舵を切りました。その後、コロナ禍が落ち着き始めるとともに、リモートワーク一辺倒から再びオフィス出社を取り入れる企業が増えた一方で、リモートワークを活かして働き方改革に踏み切った企業も多く見られました。こうした中、次世代の新たな働き方として注目を集めているのが、リモートワークとオフィス出社を混在させた「ハイブリッドワーク」です。

新たなワークスタイル「ハイブリッドワーク」とは?

従業員がオフィス出社を求められることなく、働く場所を自由に選んで業務を遂行できるリモートワークは、働き方改革や魅力的な労働環境の実現をめぐって企業と従業員の双方に数多くのメリットがあります。もともとリモートワーク先進国と呼ばれていた米国では、コロナ禍によってリモートワークが広く普及した結果、リモートワークを許容しない企業が優秀な人材を失ったり、新たな人材を確保しにくくなったりと、人事部が頭を悩ます事態が起きています。

もちろん、リモートワークは必ずしも「万能な選択肢」ではありません。例えば製造業のラインや建設業の現場では、従業員はどうしても職場に出向く必要があるため、リモートワークがそもそも適さない事情があります。店舗での接客を伴う小売業やサービス業も同様です。また知識集約型産業であっても、オフィスで従業員同士が直接顔を合わせることで生まれるコミュニケーションやコラボレーションを重視する企業では、やはりオフィス出社を奨励する傾向にあります。

そこで、「アフターコロナ」へ向けては、リモートワークとオフィス出社の両方を取り入れ、それぞれのメリットを享受することを図った働き方「ハイブリッドワーク」が主流になると考えられています。米国では早くもこの動きが顕在化しており、米ギャラップ社が14万人の労働者を対象に行った調査(※1)によると、「完全リモート」「ハイブリッド」「完全オフィス」の3種類の働き方のうち、現在の働き方および将来希望する働き方に最も当てはまるものとして「ハイブリッド」と答える回答者が最も多かったといいます。

いわゆる「GAFAM」に代表される大手IT企業もハイブリッドワークの導入に動いています。AppleとGoogle、Microsoftは2022年3月から5月にかけて相次いでリモートワークを見直し、AppleとGoogleは週3日以上、Microsoftは労働時間の50%以上の出社を定め、それ以外の時間はオフィス以外の場所で働ける決まりとしています。

ハイブリッドワークがDXを加速させる

このハイブリッドワークの潮流は、単に働き方改革や人材確保の面だけではなく、実はDXの文脈においても注目を集めています。企業がDXの道を進む上で欠かせない取り組みであることがその理由です。

まず、ハイブリッドワークを導入することにより従業員はこれまで通勤に費やしていた時間を節約でき、多くの余剰時間を創出することができます。この時間を有効活用することによって、これまでなかなか手が付けられなかった「新たなアイデアの創出」「デジタル技術の習得」といった活動により注力できるようになり、企業は新たにDXの推進力を得ることができます。

また、企業がハイブリッドワークのために必要な情報へのアクセス手段、コミュニケーション/コラボレーション手段を上手に整備することで、従業員はこれまで以上に関係者との情報共有や部署の垣根を越えた協働が行いやすくなります。加えて、リモートだけではない、リアルな場を交えることで共創がいっそう進み、アイデアの付加価値を高められることもハイブリッドワークならではの特長と言えます。

DXは単に既存業務の生産性を向上するだけではなく、デジタル技術の活用によって企業全体のビジネスモデルやカルチャーを変革することを目指す取り組みです。従ってDXを本格的に進めるためには、いつでもどこでも誰とでも情報を共有し、共に活動できる全社規模の環境整備が不可欠です。ハイブリッドワークのための環境整備が、まさにDXを後押しすることになるのです。

DXの実現へ向けては、デジタルとビジネスの双方に長けたいわゆる「DX人材」の存在が欠かせません。ハイブリッドワークはDX人材の育成に寄与するだけなく、すでにこのようなスキルを持つ人材の活動をバックアップすることにつながります。加えて、優れた人材の流出を防ぎ、また新規採用のためにも、企業がハイブリッドワークに代表される魅力的な労働環境を用意することは大変重要です。

ハイブリッドワークで新たに持ち上がってくる課題とは?

ハイブリッドワークにおいては、職種によって「オフィス出社組」と「リモートワーク組」とに従業員が分かれてしまうと、どうしてもそれらの間のコミュニケーションが希薄になる可能性が否定できません。また、ハイブリッドワーク環境が不十分なものであると、どうしても後者の方が社内コミュニケーションや情報共有の面で不利になりがちです。そのため、これまでにも増してリモートワーカーが社内で孤独感や不公平感を募らせやすくなります。

実際に、米Microsoftが実施した調査(※2)によると、完全リモートワークの環境下においては、特に「Z世代(18-25歳)」と呼ばれる若い世代が上司や同僚と人間関係をなかなか構築できず、仕事を進めるのに苦労しているという調査結果が出ています。

従業員を管理・評価する立場にあるマネジメント層や人事部門にとっても、ハイブリッドワークの導入によってオフィス内と目の届かないリモートワーク先に分かれて働く従業員が出てくると、「互いをいかにして公正に評価すればいいのか?」という新たな課題が持ち上がります。

情報システム部門にとっても、オフィスから離れた場所で働くリモートワーカーのIT環境に対してしっかりとITガバナンスを利かせたり、情報セキュリティ対策を講じたりする必要があります。オフィスの内と外を意識した旧来通りの取り組みだけでは、セキュリティ面はもちろん使いやすさの面からもなかなかうまくいきません。

デジタルの力を動員して課題に向き合う

こうした課題を解決するのは、やはりデジタルの力です。例えばWeb会議ツールやチャットツール、クラウドストレージといったコミュニケーションツールやコラボレーション基盤を導入することで、オフィス出社組とリモートワーク組との間に生じる情報格差を解消し、コミュニケーションの円滑化を図ることが可能です。

またこれらのツールの利用履歴データを収集・分析できるようになれば、その分析結果を基に従業員の働きぶりをデータ化・可視化して公正な評価につなげることもできます。さらには、オフィスの内と外を隔てるのではない「ゼロトラスト」と呼ばれる新たなセキュリティモデルに基づく仕組みを導入することで、リモートワーク環境をセキュアに保つこともできます。

このように「相互依存」の関係にあるハイブリッドワークとDX。今後企業が自社の価値と競争力を高めるためには、この2つの取り組みを両輪として同時に回していく必要があるでしょう。
このことは、DXやデジタル活用に関するパートナー企業を選ぶ際にも、ぜひ考慮に入れておきたいところです。DXとハイブリッドワークの価値を最大限に引き出すためには、単にデジタル技術やビジネスに長けているだけでなく、ハイブリッドワークをはじめとする新たなワークスタイルの実現に積極的に挑戦していることも、ITパートナー企業選びの条件と言えます。

  • ※1
    「The Future of Hybrid Work: 5 Key Questions Answered With Data」
  • ※2
    「Microsoft 2022 Work Trend Index: Annual Report」

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