NEC、ONFが主催する無線伝送装置の監視制御実験に成功
2016年6月13日
日本電気株式会社
NECは、SDN(注1)の利用促進、OpenFlow(注2)の標準化を行う標準化団体Open Networking Foundation(ONF)のOpen Transport WG(Working Group)が主催する、無線伝送装置における監視制御の実証実験に参加しました。
実証実験に用いた伝送装置は、超小型マイクロ波通信システムiPASOLINKシリーズの最新装置「iPASOLINK VR」です。ネットワーク制御のプロトコルとして「NETCONF」を実装することで、OpenDaylight(注3)を採用したSDNコントローラと、iPASOLINK VRの連携を実現しました。これによりSDNコントローラから、同装置の監視制御が可能なことを実証し、ONFの標準化活動に貢献しました。
NECは「社会ソリューション事業」に注力しており、豊かな社会を支える情報通信基盤の確立、高度化に貢献します。
ONFのOpen Transport WGは、無線伝送に適用する監視制御用のデータ管理・データ構造の標準化に向けた取り組みとして今回の実証実験を行いました。本実証実験は、本年4月25~27日に、ドイツ ミュンヘンの「Telefonica Germany」で行われ、NECはじめ12社が参加しました。
実証実験では、ネットワーク管理プロトコルとしてNETCONFを各社の無線装置に実装し、1つのSDNコントローラの下で、ネットワークの設定変更や装置間の設定相違検出、アラーム通知など5つの試験項目を通して無線装置の監視制御の実現性を検証しました。NECは本実証実験で、他社製装置も混在するネットワークにおいて、iPASOLINK VRがSDNコントローラから制御可能なことを確認しました。
Open Transport WGとは、光や無線などの異なる種類のトランスポートネットワークの制御をSDNおよびOpenFlowにより実現するためのWGです。ユースケースやアーキテクチャ、データ管理・データ構造、制御インターフェースの策定など、トランスポートネットワークの制御に関わる標準化を幅広く行っています。
モバイルバックホールは、5Gに求められる大容量低遅延通信の実現に向けて、装置の動的制御や有線から無線まで含めたトランスポートネットワーク全体の統合制御など、伝送装置の制御の高度化が求められています。NECは今回の実証実験の成果を踏まえ、モバイルバックホールへのSDN適用を引き続き推進していきます。
なお、本活動の一部は、総務省の委託研究「ネットワーク仮想化技術の研究開発」およびO3プロジェクト(注4)の成果です。
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
- (注1) Software-Defined Networking:ネットワークをソフトウェアで制御する概念。
- (注2) ネットワーク制御機能をスイッチから分離し、コントローラに集約することで、ネットワークを集中制御できる方式の標準でSDNを実現する手段の一つ。NECはOpenFlowの非営利標準化団体であるOpen Networking Foundation(ONF)の設立メンバー。
- (注3) オープンソースのSDNコントローラプラットフォームの協業開発プロジェクト、およびそのソフトウェア。
- (注4) http://www.o3project.org/
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