NEC、OpenStackを活用したクラウド基盤構築・運用支援ソリューションを発売
2015年10月20日
日本電気株式会社
NECは、OpenStackを活用したクラウド基盤の構築と運用を支援するソリューション「NEC Cloud System(OSS構築モデル)」を、本日から販売します。
新ソリューションは、OpenStackやSDN(注1)などのオープンスタンダード技術(注2)とNECのミッションクリティカルシステム構築技術(注3)を融合し、通信事業者やデータセンター事業者、企業の情報システム向けに高い信頼性と拡張性を備えたクラウド基盤を提供します。これらは、NECのクラウド基盤サービス提供実績をもとに事前検証済みの製品や技術を組み合わせて提供し、導入までの期間を最大50%短縮(注4)します。
また、新たにOpenStack専門部隊を設置するとともに、開発やSE合わせて1000名体制で、お客様をトータルに支援します。さらに、可用性や性能などの非機能要件の視点で評価し品質を継続強化するとともに、ユーザ個別のカスタマイズ機能もOpenStackコミュニティに還元します。
NECは「社会ソリューション事業」に注力しており、新ソリューションをグローバルへ拡販することで、通信業を含めたデータセンター事業者や企業のICT基盤の高度化と安全・安心な利用に貢献していきます。
背景
近年、開発環境や情報系システムに留まらず、運用コストの低減を目的とした基幹システムのクラウド移行が進んでいます。また、ビッグデータやモバイル、SNSを活用した新規ビジネスの立ち上げに向けて、先進技術への対応も求められています。このようなコスト最適化と最新技術への対応の観点からオープンソースソフトウェア(OSS)の活用ニーズが加速しています。
一方、OSSを活用した基盤上での基幹システムの構築・運用には品質面の不安や、技術ノウハウ不足による構築、メンテナンスコストの増大が課題となっていました。
NECは、OpenStackコミュニティにおいて、主要なコンポーネントの開発にコアデベロッパーとして参加し、機能強化・改善に貢献しています。新ソリューションは、OpenStackを始めとする主要OSSのコミュニティに参画し培った技術力を活かして、クラウド基盤の設計から構築・運用までをトータルに支援します。
価格、提供内容および販売目標
サービス名 | 価格 (税別) |
概要 |
---|---|---|
NEC Cloud System OSSクラウド基盤構築支援サービス |
個別見積 | 設計(要件定義・製品選定・パラメータ設計、運用設計も含む)、構築(サーバ、ネットワーク等のリソース設定、基盤セットアップ)、評価 |
NEC Cloud System OSSクラウド基盤サポートサービス |
個別見積 | Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7、他OSSを含む基盤ソフトの技術問合せ、障害解析、回避策の提示、ディストリビュータと連携したお客様システムの問題解決支援 |
販売目標:3年間で約600億円
特長
- 高い信頼性と拡張性を備えたオープンなクラウド基盤を提供
クラウド基盤の中核機能には、OpenStack最新版(注5)をベースにした拡張性の高いIaaS基盤である「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7」をいち早く採用、その他、基盤の管理、監視、制御機能にもOSSを採用しています。これらを連携させることで、通信事業者のNFV基盤(注6)や通信・データセンター事業者のクラウドサービス基盤、企業の情報システムの基盤へも適用可能な、高い信頼性と拡張性を備えたオープンなクラウド基盤の提供を実現します。
また、ユーザ個別のニーズに対応した機能をコミュニティへ還元することで、機能のオープン化を促進します。具体的には、近年、脅威が増している外部ネットワークからの不正アクセスへの対策を行う仮想ファイアウォールや仮想IPS/IDSなどの仮想アプライアンスと連携、統合管理する機能をコミュニティに提案していきます。これによりユーザシステムのオープン性を維持し、柔軟なハードウェア選択によるコストの最適化を支援します。 さらに、2016年春には、SDN技術の採用により拠点を跨ったデータセンター(DC)を1つの仮想DCとして利用するための管理機能を提供する予定です。これにより、拡張性を向上し、BC/DRの仕組みとしての活用も可能になります。 - クラウド環境の短期構築と運用効率化を支援
NECは、クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」やユーザのクラウド環境の構築実績をもとに、必要な要件や機能を標準モデル化し、事前に組み合わせ検証を実施しています。ユーザの要件や規模に応じて機能を選択し、柔軟に組み合わせることで、個別に構築する場合と比べて構築期間を最大50%短縮可能です。
また、仮想サーバの払い出しやネットワーク設定など、運用管理者の日常作業を自動化する機能や運用プロセスの標準化に向けた運用ガイドの提供により、運用の効率化とサービス品質向上を支援します。 - OpenStackの品質強化への貢献とサポート体制
新たにOpenStack対応の専門部隊を設置し、非機能要件(可用性、性能、運用性、拡張性等)の視点で評価し、システム構築やサポート時に、迅速に問題解決や回避方法を提供します。これにより、ユーザへの万全なサポートを提供するとともに、修正部分をコミュニティへ還元することで、OpenStackの品質強化に貢献します。
また、これらの専門部隊に加えて、開発/SEを含めた1000名体制で、OpenStackを活用したオープンなクラウド基盤の提案から設計、構築、運用、サポートまでお客様をトータルに支援します。
今後NECは、高信頼化やIoT、PaaSへの対応など、ビジネスニーズへの柔軟な対応力強化などを進めていきます。
なお、新ソリューションは、OpenStack Foundation主催の国際イベント「OpenStack Summit October 2015 - Tokyo」(会期:10/27(火)~30(金)、会場:グランドプリンスインターナショナル コンベンションセンター&ホテルズ(東京都港区))にて展示します。
http://jpn.nec.com/event/openstack-summit-tokyo/index.html
NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
なお、本発表にあたり、OpenStack FoundationとRed Hat株式会社から賛同文をいただいています。
Jonathan Bryce, Executive Director of the OpenStack Foundation
As a top 10 contributor to OpenStack Liberty and Gold Member of the Foundation, NEC has demonstrated leadership in the global OpenStack community. Many companies are looking for support in building and operating OpenStack infrastructure, and NEC brings deep history and experience across many open source technologies to this market.
Red Hat 副社長兼ゼネラルマネージャー プラットフォーム事業部門 ジム・トットン
Red Hatは、クラウド基盤の中核としてRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7を採用した「NEC Cloud System(OSS構築モデル)」の販売開始を歓迎いたします。NECとは、長期にわたる継続的な協業を通して、幅広いお客様にOSSを活用した信頼性の高いICT基盤を提供してまいりました。今回さらに連携を深めることで、より安全性の高い、高品質でオープンな拡張性のあるクラウドブラットフォームを提供し、OpenStackのエコシステムの拡大に貢献してまいります。
以上
- (注1) SDN(Software-Defined Networking):ネットワークをソフトウェアで制御する概念。
- (注2) 利用料が徴収されず、全ての利害関係者が参加可能な委員会で合意形成ができる技術
- (注3) オープンシステム構築においてNECが定義した6つの非機能要件(可用性、性能、運用性、拡張性、連携性、機密性)を検証して品質を確保する技術体系
- (注4) 本ソリューションが想定するシステム規模に対して、過去プロジェクト経験に基づいた構築期間と今回の手法を用いた構築期間を比較した場合。NEC調べ。
- (注5) OpenStackコミュニティから2015/4にリリースされたkiloベース
- (注6) NFV(Network Functions Virtualization):ネットワーク機能仮想化
Red Hat、Red Hat Enterprise Linux、Shadowmanロゴ、JBossは米国およびその他の国において登録されたRed Hat, Inc.の商標です。LINUXRは米国及びその他の国におけるLinus Torvaldsの登録商標です。OpenStackのワードマークは、米国とその他の国におけるOpenStack Foundationの登録商標/サービスマークまたは商標/サービスマークのいずれかであり、OpenStack Foundationの許諾の下に使用されています。Red Hatは、OpenStack FoundationやOpenStackコミュニティに所属しておらず、公認や出資も受けていません。
新ソリューションについて
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC プラットフォームサービス事業部
E-Mail: contact-neccs@bcd.jp.nec.com
NECは、社会ソリューション事業を推進する
ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」のもと、
今後の世界の大きな変化(メガトレンド)に対応する
様々な課題解決や社会価値創造に貢献していきます。
詳細はこちらをご覧ください。
http://jpn.nec.com/profile/solutionsforsociety/index.html