NEC、フィリピンで地デジ放送を用いた防災情報システムを実証
~ 世界初 データ放送と連動した緊急警報放送を実現 ~
2015年6月24日
日本電気株式会社
NECは、フィリピン政府の市民防衛局(OCD: Office of Civil Defense)および国営放送(PTV: People's Television)とともに、地上波デジタル放送で災害情報を提供可能な防災情報システムを構築し、実証を行いました。
現在、同局では、今回のような防災情報システムの導入に向けて検討が進められています。
本システムは、NECがOCD内にクラウドを活用して構築した防災システムから、PTVの放送網を利用して、関係機関に設置した約20カ所30台のテレビに対し、台風による被害の軽減を目的とした情報を配信するものです。
また、本システムは、待機状態にあるテレビやワンセグ受信機を緊急警報信号により自動で電源オンし、テレビ映像や字幕ともに、連動するデータ放送で避難情報などを提供します。
地上波デジタル放送における「データ放送」と受信機の自動電源オン機能を持つ「緊急警報放送」を連動するシステムを用いた、実際の放送波での実証は、世界初(注1)の試みとなります。
さらに、本システムでは、日本無線株式会社(注2)の協力により、PTVの放送網と連動したサイレン・スピーカ局を設置し、災害時に音声アナウンスやサイレンで地域住民へ情報伝達する手段も実現しました。
NECは社会ソリューション事業を推進しており、このたびの取り組みを契機に、地上波デジタル放送を用いた防災ICTの実現をグローバルに推進してまいります。
実証の概要
背景
フィリピン共和国は、地上デジタルテレビ放送の技術方式として日本方式(ISDB-T)を採用し、現在、フィリピン政府による国内制度整備や放送事業者による放送インフラ整備が積極的に進められています。
日本方式は緊急警報放送やデータ放送を活用して、災害情報を迅速かつ広範囲に伝えることができる機能があり、2013年11月に台風30号(ヨランダ)による大規模な被害が発生したフィリピンでは、この機能を生かした防災ICTシステム(防災情報システム)の導入が期待されています。
同国における防災情報システム実証のため、総務省は2014年11月、フィリピン政府の市民防衛局(OCD)及び国営放送(PTV)との間で相互協力を実現するための覚書に署名しました(注3)。
今回実証したシステムは、本署名を受けて、フィリピン国営放送によりマニラ中心部向けの試験放送が開始され、NECが防災情報を送信する実証を行ったものです。
NECは、フィリピン火山・地震研究所向けに広域防災システムを納入することにより、火山・地震活動の常時モニタリングや、地震発生時等の関連省庁への迅速な情報伝達の支援を進めています。
今後も今回の実証をもとに、フィリピンにおいて地上波デジタル放送を活用した防災情報システムの提案を進めるとともに、グローバルに展開し、事業拡大を進めていきます。
NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進のICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
- (注1) 2015年6月24日現在、NEC調べ。
- (注2) 本社:東京都中野区、代表取締役 取締役社長:土田隆平
- (注3) 総務省 報道資料:
地デジ日本方式を活用した防災ICTシステムに関するフィリピン共和国との協力覚書の署名 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000041.html
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