2014年6月24日
日本電気株式会社
NECは、コンテナ型データセンタ(注1)の整備や、ネットワークインフラの強化など、国立大学法人徳島大学(所在地:徳島県徳島市、学長:香川 征、以下 徳島大学)の事業継続性を強化する情報システム基盤を構築し、本システムが稼働を開始しました。
徳島大学は2013年度に「情報システムBCPプロジェクト」(注2)を掲げ、災害に強い教育環境の整備を進めてきました。今回のシステム導入は、その活動の一環となります。
現在、災害時の事業継続性(BC: Business Continuity)の強化は、官公庁・企業のみならず、教育機関においても取り組みが進んでいます。 NECは、社会ソリューション事業に注力しており、その中核領域の一つであるクラウド事業の技術・ノウハウを用いて、今回のシステム構築を行いました。災害に強いICTインフラにより、徳島大学の教育環境の向上に貢献していきます。 |
背景
東日本大震災以降、全国の大学においては、事業継続性の確保や災害対策強化のため、クラウドサービスやデータセンタの利用ニーズが高まっています。一方、学生情報や研究成果などの機密データは学内で管理をしたいという大学も多数あります。
徳島大学は、南海トラフ大地震が発生した場合、その影響が甚大と想定される地域に立地しており、情報資産にも重大な被害が生じる可能性があると想定していることから、「情報システムBCPプロジェクト」を掲げ、大学を中心とした地域の災害対策強化に向けて、ICT環境整備を推進しています。
今回、コンテナ型データセンタの整備やネットワークインフラの強化を行うことで、学内での安全なデータ管理を低コストで実現すると共に、万一の災害時においても事業を継続できる環境を実現していきます。
本システムの特長
- コンテナ型データセンタを活用し、学内の安全なデータ管理を低コストで実現
- コンテナ本体は耐震構造であるとともに、搭載されるラックも免震装置を装備。これまでサーバの管理・運用をしていた建屋の耐震工事等を行う場合に比べ、約1/2のコストで導入が可能。
- 専用ICカードによる入退管理システムで、コンテナへの出入りを厳格に管理することでセキュリティを確保。学生情報や研究成果など機密データを学内で安全に管理することが可能。
- 災害に強いネットワークインフラと仮想化基盤を整備
- これまで、3箇所(常三島・蔵本・新蔵)の全キャンパスにおいて、常三島キャンパスを経由してインターネット接続していたネットワーク構成(ツリー型)を、学外データセンタを中心にした構成(スター型)へ移行。災害が発生した場合でも、各キャンパスから学外データセンタを介したインターネット接続や、キャンパス間の相互接続ができ、授業継続を目指す。
- ネットワークを冗長化(二重化)することで、回線遮断の際のバックアップ環境を整備。より安定した、止まらないネットワークを実現。これにより、万一の災害時においても、学生・教職員の安否確認や、近隣地域住民に向けた災害情報発信に関するホームページの継続が可能。
- 常三島キャンパス・学外データセンタ・コンテナ型データセンタの3拠点間で学生・教職員のアカウント認証情報を互いにバックアップすることで、災害時においても、データの損失・破損を防止できることから、メールサービスなどの利用継続が可能。
徳島大学は、コンテナ型データセンタ、ネットワークインフラ、仮想化基盤の他、キャンパス間での広域無線環境や衛星通信設備、自家発電・蓄電設備も導入し、災害時の通信網や電力を確保するとともに、通信網を近隣住民に開放するなど、地域への貢献も行っていきます。
NECは今回の構築実績をもとに、大学のBCP策定などのコンサルティングサービスからシステム構築・保守・運用までトータルに提供していきます。今後、教育機関向けのBCPソリューションを一層強化し、教育環境の向上や業務継続による学校運営への貢献に加え、災害時の地域住民へのサービス提供等の実現に貢献していきます。
NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進のICT技術や知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
(注2) Business Continuity Plan:事業継続計画
本件に関する情報
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NECは、社会ソリューション事業を推進する企業としてのグローバルブランドを構築するため、
新ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」を策定しました。
本ブランドメッセージのもと、世界の人々と協奏・共創しながら、社会の様々な課題解決に貢献していきます。
