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WebSAM Cloud - SDLCとは?各フェーズと開発モデル比較、成果物まで
SDLC(Software Development Life Cycle)は、ソフトウェア開発を複数のフェーズに分け、「何をいつ決めるか」「どの成果物で合意するか」を明確にしながら進めるための枠組みです。品質・コスト・納期のバランスを取りつつ、関係者の合意形成やリスク低減を実現する目的で活用されます。
この記事で得られること:自社に合うモデル選定の観点/各フェーズの判断ポイントと成果物イメージ/アジャイルとの関係の整理
| 意思決定の単位 | 計画変更の扱い |
|---|---|
| フェーズ終端で大きく合意・承認 |
変更要求として管理(影響評価→承認) |
| スプリント/反復単位で小さく合意 |
バックログで優先順位を見直し継続調整 |
結論(要点)
- SDLCは開発手法(アジャイル等)ではなく、意思決定と合意形成を作る枠組み。
- 手戻りを減らすカギは、前半フェーズでの成果物の質(要件・設計・受入基準)。
- モデル選定は、変更頻度・監査要件・意思決定速度で決めるのが実務的。
- 「6フェーズ」は代表例であり、組織・規制・外部委託・非機能(セキュリティ/運用)によって増減・順序変更する。
SDLCの概要と基本
SDLCは「開発を段階に分け、成果物と意思決定を明確にしながら進める」ための共通言語として機能します。まずは定義と全体像を押さえます。
- タスクとして割り当てられる:やることを担当に割り振れる形にする
- 完了と判断できる:終わったかどうかを判定できる
- 測定できる:進捗や品質を測れる状態にする
SDLCは、ソフトウェアを企画してから運用・改善するまでの流れを、フェーズごとの目的・作業・成果物に分解して管理する考え方です。やることを「タスクとして割り当てられる」「完了と判断できる」「測定できる」形に落とし込むのが核になります。
重要なのは、単に工程表を作ることではなく、各フェーズの終わりに意思決定できる材料を揃えることです。例えば、要件定義の成果物が曖昧だと設計・見積の精度が落ち、後工程の手戻りが増えます。SDLCはこの連鎖を断ち切るための枠組みです。
SDLCは特定の開発手法(アジャイルなど)そのものではなく、開発を統制するための基本構造です。自社の規模・規制・プロダクトの性質に合わせて、フェーズの粒度や順序、レビューの厳しさを調整して使います。
SDLCが重要な理由と導入メリット
要件変更や関係者の増加、技術スタックの複雑化により開発管理は難しくなります。SDLCはプロセスを標準化し、可視性と再現性を高めます。
- 変更コストを抑える:早い段階で確認と合意を挟み、後半での手戻り損失を小さくする
- 可視性が上がる:何を決め、次に何を判断すべきかを成果物で説明できる
- 品質・リスク管理を組み込める:各フェーズにレビュー・テストを計画的に配置できる
SDLCが重要な最大の理由は、開発が進むほど「変更コスト」が上がるからです。要件の誤解や設計の抜け漏れを後半で見つけると、コードだけでなくテスト計画、運用設計、場合によっては契約や説明資料まで修正が波及します。SDLCは早い段階で確認と合意を挟み、損失を小さくします。
導入メリットの一つは、ステークホルダーへの可視性が上がることです。何をどこまで決めたのか、次に何を判断すべきかが成果物で説明できるため、属人的な進行や“なんとなく進んでいる”状態を減らせます。結果として、見積・スケジュールの精度も上がります。
もう一つの大きな効果は、品質とリスク管理をプロセスに組み込める点です。セキュリティや性能などの非機能は後回しにすると手戻りが致命的になりがちですが、SDLCの各フェーズでレビューやテストを計画的に配置することで、重大欠陥の作り込みを抑えられます。
SDLCの主な開発モデル
SDLCの考え方は共通でも、フェーズの進め方(順序・反復・検証の仕方)はモデルによって異なります。代表例を比較します。
開発モデルは、SDLCのフェーズを「どの順番で」「どの頻度で」「どのタイミングで検証するか」を決める運用ルールです。モデル選定を誤ると、要件が固まらないのに前倒しで詳細設計を進めてしまったり、逆にスピードが必要なのに承認待ちで停滞したりします。
実務では、プロダクトの不確実性、変更の多さ、リリース頻度、関係者の意思決定速度、規制や監査要件などを見て選びます。単一モデルにこだわらず、基盤はウォーターフォール寄り、UIはアジャイル寄りのように混ぜることもあります。
| モデル | 強み | 弱み | 意思決定の単位 | 計画変更の扱い | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|---|
| ウォーターフォール | 各フェーズ終端で成果物が明確。承認・監査がしやすい | 後戻り・仕様変更に弱い |
フェーズ終端で大きく合意・承認 |
変更要求として管理(影響評価→承認) | 要件が安定・ドキュメント重視(基幹系/規制産業/外部委託) |
| アジャイル | 変化への適応力が高い。価値提供が早い | スコープ管理・期待値調整が重要 |
スプリント/反復単位で小さく合意 |
バックログで優先順位を見直し継続調整 | 要件が変化する・スピード重視 |
ウォーターフォール
ウォーターフォールは、要件定義、設計、実装、テスト、リリースといったフェーズを順番に完了させてから次へ進む直線的なモデルです。各フェーズの終端で成果物が明確になり、承認や監査がしやすいのが強みです。
一方で、後戻りや仕様変更に弱いという構造的な課題があります。要件が十分に固まりきらない段階で“確定”してしまうと、後工程の修正コストが大きくなり、納期・コスト・品質のいずれかを犠牲にしやすくなります。
アジャイル
アジャイルは、短い期間で計画・設計・実装・テスト・リリースを小さく回し、フィードバックを取り込みながら反復して完成度を上げるモデルです。変化への適応と、価値提供の早さが最大の強みになります。
ただし、自由度が高い分だけ、スコープ管理と期待値調整が重要です。優先順位が曖昧なまま要望を取り込み続けると、いつまでも終わらない開発になったり、技術的負債が蓄積して速度が落ちたりします。アジャイルほど“やらないことを決める力”が必要になります。
SDLCの各フェーズ
SDLCは一般に、企画から運用までを複数フェーズに分割して管理します。各フェーズの目的・主な作業・成果物のイメージを整理します。
フェーズ分割の狙いは、作業を細かくすることではなく、判断のタイミングを作ることです。各フェーズで「何を決めたか」「何が未決か」「次に何を検証するか」を明確にすると、手戻りの原因になりやすい曖昧さを減らせます。
成果物はチームの言語になります。口頭の理解は人によってズレますが、要件書や設計書、テスト計画、運用手順のように形にすると、レビューで論点を揃えられます。特に外部連携や非機能要件は、文書化しないと後から“聞いていない”が起きやすい領域です。
| ステップ | 内容 | 代表的な成果物(例) |
|---|---|---|
| STEP 1 企画・要件定義 | 事業目的からスコープと成功指標を明確にし、要求仕様・計画を固める |
要求仕様書(SRS)、受入基準、スコープ/優先度、見積・体制・リスク一覧 |
| STEP 2 設計 |
要件を満たす構造とルールを具体化(アーキテクチャ→方式→詳細設計) |
アーキ図、API/IF仕様、データ設計、非機能要件(性能/可用性/セキュリティ)設計 |
| STEP 3 実装(開発) |
設計に基づきコーディングし、コードレビューとCIで品質を上げる |
実装コード、レビュー記録、CI設定、テストコード(単体) |
| STEP 4 テスト |
要件充足を証明し事故確率を下げる(単体・結合・総合・受入) |
テスト計画/項目書、欠陥管理ルール、テスト結果レポート |
| STEP 5 リリース(展開) |
手順・責任分界・ロールバックを整え、安全に本番反映する |
リリース手順書、ロールバック手順、移行計画、運用引継ぎ資料 |
| STEP 6 運用・保守 |
監視・障害対応・改善を通じて安定稼働させ、継続的に育てる |
監視設計、SLO/運用KPI、インシデント対応フロー、変更管理(CAB等) |
企画・要件定義
企画・要件定義では、何を実現するのかを事業目的から落とし込み、スコープと成功指標を明確にします。ここが曖昧だと、開発中の判断基準がなくなり、声の大きい要望に流されやすくなります。
要件収集は「要望を集める」だけで終わらせず、優先順位付けとトレードオフの合意まで進めるのがポイントです。必須要件と推奨要件を分け、納期や予算の制約の中で、何を先に価値として届けるかを決めます。
成果物(例):要求仕様書(SRS)、受入基準、スコープ/優先度表、見積・体制・主要リスク一覧
設計
設計フェーズでは、要件を満たすための構造とルールを具体化します。アーキテクチャ、方式設計、詳細設計へと段階的に落とし込み、実装が迷わない状態を作ります。
技術選定、外部連携、データ設計に加え、性能・可用性・セキュリティなどの非機能をここで設計に織り込むことが重要です。非機能は後から付け足すと、設計前提そのものを変える必要が出て、コストが跳ね上がります。
成果物(例):アーキ図、API/IF仕様、データモデル、非機能要件設計、設計レビュー記録
実装(開発)
実装では、設計に基づいてコーディングし、コードレビューで品質を上げます。レビューはバグ探しだけでなく、可読性、テストしやすさ、保守性、セキュリティ上の危険な書き方の排除まで含めて運用するのが理想です。
進捗管理は、タスクを小さく分割し、完了条件を明確にすることで精度が上がります。大きなタスクのままだと遅れが見えず、テスト直前に統合作業が噴き出して納期リスクになります。
成果物(例):実装コード、レビュー記録、CI設定(ビルド/静的解析/テスト)、単体テスト
テスト
テストは、要件を満たしていることを証明し、リリース後の事故確率を下げる工程です。単体、結合、総合、受入といった段階に分け、どの段階で何を保証するのかを決めます。
自動テストと手動テストは競合ではなく役割分担です。回帰防止や繰り返し実行は自動化が強く、探索的テストやユーザー体験の確認は手動が強い、というように目的で使い分けると効率が上がります。
成果物(例):テスト計画/項目書、欠陥管理ルール、テスト結果レポート、受入結果
リリース(展開)
リリースでは、本番反映の手順、責任分界、ロールバック方針を事前に整備します。緊張感の高い作業ほど属人化しやすいため、手順書と自動化で再現性を高めるのが基本です。
環境差分と設定管理を徹底すると、想定外の不具合を減らせます。アプリのコードが同じでも、設定値、権限、外部サービスの接続先が違えば挙動は変わるため、環境をコード化して差分を追える状態が重要です。
成果物(例):リリース手順書、ロールバック手順、段階リリース計画、運用引継ぎ資料
運用・保守
運用・保守では、監視、障害対応、問い合わせ対応を通じてサービスを安定稼働させます。同時に、性能とコストの最適化、ログやメトリクスからの改善点抽出など、継続的改善の活動が価値を生みます。
セキュリティ面では、脆弱性対応や依存ライブラリの更新が継続タスクになります。運用中に新しい脆弱性が見つかるのは普通なので、検知から対応までのリードタイムを短くする仕組みが重要です。
成果物(例):監視設計、SLO/運用KPI、インシデント対応フロー、変更管理プロセス
SDLCで使うツールとベストプラクティス
SDLCの実効性は、工程を回すためのツール群と運用ルール(ベストプラクティス)で大きく変わります。代表的な組み合わせを整理します。
- 要件・タスク管理(チケット)
- ソースコード管理
- CI/CD
- テスト自動化
- 品質解析
- 監視・アラート
- ナレッジ共有
ツールは目的別に揃えると整理しやすくなります。要件・タスク管理(チケット)、ソースコード管理、CI/CD、テスト自動化、品質解析、監視・アラート、ナレッジ共有が基本セットです。重要なのは“導入”より“運用設計”で、誰がどのタイミングで何を見るかまで決めないと形骸化します。
ベストプラクティスとして効果が大きいのは、成果物の定義と完了条件の統一です。例えば「要件定義完了」の条件を、SRS承認、非機能の合意、受入基準の確定、主要リスクの洗い出しまで含める、といった形で揃えると、後工程が安定します。
近年はセキュリティをSDLC全体に組み込む考え方が主流です。設計で脅威モデリング、実装で静的解析、テストで動的解析やペネトレーションテスト、運用で依存関係の継続監視を行うと、後半での高コスト修正を減らせます。
システム開発とソフトウェア開発の違い
似た文脈で語られますが、対象範囲が異なります。混同を避けるために、開発対象と管理範囲の違いを整理します。
| ソフトウェア開発 | システム開発 |
|---|---|
| アプリ・プログラムなどソフトウェアコンポーネントの設計・実装・テストが中心 | ソフトに加え、ハードウェア・ネットワーク・運用手順・利用者教育・業務プロセスまで含む |
| 主な完成条件はソフトウェアが意図どおり動作すること |
“運用できる状態”が完成条件(権限設計・運用監視・問い合わせ窓口・業務手順の整備) |
SDLCという言葉は「ソフトウェア開発ライフサイクル」を指すのが一般的ですが、文脈によっては「システム開発ライフサイクル」の略として使われる場合もあります。会議や資料では、対象範囲(ソフトウェアだけか、周辺システムや運用まで含むか)を最初に明示すると誤解を防げます。
この違いが重要なのは、成果物と利害関係者が変わるからです。システム開発では、アプリが完成しても、権限設計、運用監視、問い合わせ窓口、業務手順の変更が整っていないと稼働できません。つまり、技術だけでなく“運用できる状態”が完成条件になります。
ソフトウェア開発は、主にアプリケーションやプログラムといったソフトウェアコンポーネントの設計・実装・テストに焦点が当たります。一方のシステム開発は、ソフトウェアに加えてハードウェア、ネットワーク、運用手順、利用者教育、組織の業務プロセスまで含むことが多い、より広い概念です。
SDLCとアジャイルの違い
SDLCはライフサイクル全体の枠組みであり、アジャイルはその進め方(方法論・開発モデル)の一つです。関係性と使い分けを明確にします。
SDLCは「何をいつ決め、何を成果物として残すか」という全体の枠組みです。アジャイルは、その枠組みの中でフェーズを小さく回し、反復で価値を届ける進め方です。つまり対立概念ではなく、SDLCの運用形態としてアジャイルがある、という関係になります。
混同が起きやすいのは、アジャイルを“ドキュメント不要”や“計画不要”と誤解したときです。実際には、アジャイルでも目的、優先順位、受入基準、リリース方針が曖昧だと破綻します。SDLCの観点で必要な意思決定と成果物を押さえたうえで、粒度と頻度をアジャイルに最適化するのが現実的です。
使い分けの目安は、不確実性と変更頻度です。要件が固く監査が重い領域はウォーターフォール寄りのSDLCが向き、顧客価値を探りながら作る領域はアジャイル寄りが向きます。現場では、統制(ガバナンス)と俊敏性のバランスを取り、必要な部分にだけ厳格さを残す設計が成功しやすいです。
SDLCのポイントまとめ
最後に、SDLCを現場で機能させるための要点を、目的・モデル選定・フェーズ運用・継続改善の観点で簡潔に振り返ります。
- 目的:意思決定と合意形成をしやすくし、品質・コスト・納期のバランスを取る
- モデル選定:不確実性・変更頻度・監査要件・意思決定速度に合わせて選ぶ
- フェーズ運用:目的・作業・成果物・完了条件を揃え、レビューとテストで早期にリスクを潰す
- 継続改善:ツール・ベストプラクティス・セキュリティを組み合わせる
SDLCの目的は、開発をフェーズで分けて、意思決定と合意形成をしやすくし、品質・コスト・納期のバランスを取りやすくすることです。工程を増やすことが目的ではなく、手戻りを減らし再現性を高めることが本質です。
各フェーズでは、目的・作業・成果物・完了条件を揃え、レビューとテストで早期にリスクを潰すのが効果的です。ツールとベストプラクティス、そしてセキュリティを含む継続的改善を組み合わせることで、SDLCは“守るための手順”ではなく“速く安全に作るための仕組み”として機能します。
運用・保守フェーズの実務を支える「WebSAM Cloud」
SDLCは企画から運用までの全体像を扱う枠組みですが、多くの現場で負荷が集中するのが、終わりのない運用・保守フェーズです。本記事で重要だと述べたこの局面に、ピンポイントで効くのが、クラウド型インシデント管理・ITSMサービス WebSAM Cloud です。
運用・保守フェーズは、監視・障害対応・継続的改善を通じてサービスを安定稼働させ、プロダクトを育てる活動です。一方で「アラート過多」「初動の遅れ」「対応の属人化」が起きやすく、現場の負荷になりがちな領域でもあります。WebSAM Cloud は、SDLCのこの一局面に絞って、運用の実務を支えるサービスです。
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のコストを
100%削減

時間を
5分の1に短縮

アラート対応工数を
50%削減

通知を平均
80%以上削減

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