プレスリリース
NEC、PLMソフトの新製品「Obbligato III R4.1」を発売
~IoT時代に求められる製品構成情報と製造プロセス情報の統合管理を実現~
NECは、設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を一元管理するPLM(Product Lifecycle Management)ソフトウェア「Obbligato III(オブリガート スリー)」の新製品「Obbligato III R4.1」を本日から販売開始します。
「Obbligato III」は、国内トップシェア(注1)を有するPLMソフトです。新製品は、これまでの部品の種類や数量といった製品構成情報(BOM:Bills of Material)に加え、製造工程・使用設備などの製造プロセス情報(BOP:Bills of Process)も管理することで、製造ナレッジ(工程表や作業指示書など)の共有・継承を促進します。
また、BOMとBOPを統合管理することで、仕様変更や不具合の際に、部品だけでなく、工程や設備も含めて影響範囲を迅速に特定し、対処可能とします。これにより、一貫したものづくりの品質を確保できるので、グローバル製造拠点の迅速な立ち上げ・生産移管にも貢献します。
さらに、IoT(Internet of Things)によるセンサーなどからのリアルタイムな生産実績とBOPとの差異を分析し、ライン構成や設備の設定条件などが最適になるようBOPを継続的に改善することで、製造現場のパフォーマンスを最大化します。
上記に加えて、医療機器メーカーに求められる、米国食品医薬品局(FDA)が制定した品質システムに関する米国連邦規制「21 CFR Part820」に対応するため、苦情や予防措置の管理機能なども新たに追加しました。
- BOMとBOPの統合管理を実現
PLMにおいて、これまでの「どんな部品をいくつ使って作るか」というBOMの管理だけでなく、「どの工程で」「どのように」「何の設備や治工具を使って作るか」といったBOPもあわせた統合管理を実現しました。
これにより、製造プロセスの共有・標準化、および、工程や設備を意識した製品設計が促進され、生産準備までの期間が短縮されるとともに、設備の共通化による固定費削減が期待できます。
また、ものづくりの基準情報であるBOMとBOPをPLM上に集約し、国内外の生産拠点へ配信・共有することで、グローバルで一貫したものづくり品質を確保します。さらに、需要変動や不測の事態の際に、統合管理したPLMを共有することで、グローバル製造拠点の短期間での立ち上げや最適な製造拠点への迅速な生産移管にも貢献します。仕様変更や不具合が発生した際には、グローバル全体に影響がでる部品、工程、設備、担当者を特定することで、迅速に対処することができます。
- IoTによるリアルタイムな実績データを活用し、製造現場の効率を向上
新製品を、MES(Manufacturing Execution System:製造実行管理システム)と連携することで、生産指示情報を製造現場に迅速・正確に伝えることができます。
加えて、IoTにより製造現場の実績データをグローバルレベルで収集することで、MESで管理したリアルタイムな実績とBOPの差異を分析しながら、ライン構成や設備の設定条件が最適になるよう製造プロセスを継続的に改善し、製造現場の効率を最大化することが可能になります。
- 医療機器製造に関する米国法規制に対応
Obbligato IIIは厳格な製品管理が必要な医療品機器メーカーにも多数の導入実績があります。
今回の機能強化では、米国食品医薬品局(FDA)が制定した、医療機器の製造における電子記録・電子署名に関する米国連邦規制「21 CFR Part11」に対応しました。従来のセキュリティ機能に加え、イベント管理・文書管理の規則「21 CFR Part820」の対応を支援する機能を提供します。本機能を提供するアプリケーションは以下の通りです。
〈イベント管理アプリケーション〉
社内外からの製品の品質に関わる意見に対して行った是正や予防措置を、複数の部門や担当者をまたがったワークフローとして管理し、関連するイベントやドキュメントとの関連付けを行うことで、査察時等に必要な情報への容易なアクセスを実現します。
〈文書管理アプリケーション〉
製品製造における各フェーズで作成されたドキュメントにアクセスするためのインデックスの集まりを、DHF(Design History File:設計履歴ファイル)やDMR(Device Master Recrod:機器原簿)の単位で管理することで、同規則で要求される文書管理に対応可能です。
- (注)出典:(株)テクノシステムリサーチ「2016年機械系CAD/PLM関連ビジネス市場分析調査」(2016年6月)