NEC、PLMソフトの新製品「Obbligato III R4.1」を発売
~IoT時代に求められる製品構成情報と製造プロセス情報の統合管理を実現~
2016年6月10日
日本電気株式会社
NECは、設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を一元管理するPLM(Product Lifecycle Management)ソフトウェア「Obbligato III(オブリガート スリー)」の新製品「Obbligato III R4.1」を本日から販売開始します。
「Obbligato III」は、国内トップシェア(注1)を有するPLMソフトです。新製品は、これまでの部品の種類や数量といった製品構成情報(BOM:Bills of Material)に加え、製造工程・使用設備などの製造プロセス情報(BOP:Bills of Process)も管理することで、製造ナレッジ(工程表や作業指示書など)の共有・継承を促進します。
また、BOMとBOPを統合管理することで、仕様変更や不具合の際に、部品だけでなく、工程や設備も含めて影響範囲を迅速に特定し、対処可能とします。これにより、一貫したものづくりの品質を確保できるので、グローバル製造拠点の迅速な立ち上げ・生産移管にも貢献します。
さらに、IoT(Internet of Things)によるセンサーなどからのリアルタイムな生産実績とBOPとの差異を分析し、ライン構成や設備の設定条件などが最適になるようBOPを継続的に改善することで、製造現場のパフォーマンスを最大化します。
上記に加えて、医療機器メーカーに求められる、米国食品医薬品局(FDA)が制定した品質システムに関する米国連邦規制「21 CFR Part820」に対応するため、苦情や予防措置の管理機能なども新たに追加しました。
NECは、注力する「社会ソリューション事業」を通じて、今後もグローバルでのものづくりのインフラやプロセスの変革に貢献するソリューションの提供・拡販に取り組んでいきます。
背景
現在、日本の製造業においては、BOPを工場ごと、または属人的に紙やExcelで管理している企業が多くあることや、生産技術者の高齢化や退職が進むことによる製造ナレッジの共有・継承が課題となっています。
また、昨今様々な製品におけるリコール問題などを背景に、品質のトレーサビリティ強化も強く求められていますが、BOPの標準化が進んでいないため、グローバルな生産拠点全体で一貫したものづくり品質を維持することが難しくなっています。加えて、需要変動や不測の事態の際のグローバル製造拠点の立ち上げや生産移管に時間がかかることも経営課題となっています。
一方で、IoTを活用したものづくりにおいて、製造現場のパフォーマンスを常に最大化するためには、計画された製造プロセスと製造現場の生産状況をリアルタイムに比較・分析し、製造プロセスの工程の基準情報などを改善し続ける必要があります。
このような状況を踏まえ、今回NECではPLMソフトObbligato IIIの強化を行いました。
価格・出荷日・販売目標
ライセンス価格:最小構成 360万円~(税別)(注2)
出荷日:2016年12月
販売目標:今後3年間で150社
特長
- BOMとBOPの統合管理を実現
PLMにおいて、これまでの「どんな部品をいくつ使って作るか」というBOMの管理だけでなく、「どの工程で」「どのように」「何の設備や治工具を使って作るか」といったBOPもあわせた統合管理を実現しました。
これにより、製造プロセスの共有・標準化、および、工程や設備を意識した製品設計が促進され、生産準備までの期間が短縮されるとともに、設備の共通化による固定費削減が期待できます。
また、ものづくりの基準情報であるBOMとBOPをPLM上に集約し、国内外の生産拠点へ配信・共有することで、グローバルで一貫したものづくり品質を確保します。さらに、需要変動や不測の事態の際に、統合管理したPLMを共有することで、グローバル製造拠点の短期間での立ち上げや最適な製造拠点への迅速な生産移管にも貢献します。仕様変更や不具合が発生した際には、グローバル全体に影響がでる部品、工程、設備、担当者を特定することで、迅速に対処することができます。 - IoTによるリアルタイムな実績データを活用し、製造現場の効率を向上
新製品を、MES(Manufacturing Execution System:製造実行管理システム)と連携することで、生産指示情報を製造現場に迅速・正確に伝えることができます。
加えて、IoTにより製造現場の実績データをグローバルレベルで収集することで、MESで管理したリアルタイムな実績とBOPの差異を分析しながら、ライン構成や設備の設定条件が最適になるよう製造プロセスを継続的に改善し、製造現場の効率を最大化することが可能になります。 - 医療機器製造に関する米国法規制に対応
Obbligato IIIは厳格な製品管理が必要な医療品機器メーカーにも多数の導入実績があります。
今回の機能強化では、米国食品医薬品局(FDA)が制定した、医療機器の製造における電子記録・電子署名に関する米国連邦規制「21 CFR Part11」に対応しました。従来のセキュリティ機能に加え、イベント管理・文書管理の規則「21 CFR Part820」の対応を支援する機能を提供します。本機能を提供するアプリケーションは以下の通りです。
〈イベント管理アプリケーション〉
社内外からの製品の品質に関わる意見に対して行った是正や予防措置を、複数の部門や担当者をまたがったワークフローとして管理し、関連するイベントやドキュメントとの関連付けを行うことで、査察時等に必要な情報への容易なアクセスを実現します。
〈文書管理アプリケーション〉
製品製造における各フェーズで作成されたドキュメントにアクセスするためのインデックスの集まりを、DHF(Design History File:設計履歴ファイル)やDMR(Device Master Recrod:機器原簿)の単位で管理することで、同規則で要求される文書管理に対応可能です。
NECは、IoTを活用した次世代ものづくりを支えるソリューション「NEC Industrial IoT」(注3)において、自律制御により最適な生産を可能とする「プロセス・イノベーション(つながる工場)」と、製品の付加価値を高める「プロダクト・イノベーション(つながる製品)」の実現を支える各種ソリューションを提供しています。
また、リテール・物流・製造などのエンタープライズ領域において、グローバルで提供するソリューションおよびサービス「NEC Global Enterprise Solutions」(注4)の拡充も進めています。
「Obbligato III」はこれらの中核となるソフトウェアの一つであり、日本の製造業の競争力強化・事業成長に貢献します。
なお、NECは新製品を「第27回 設計・製造ソリューション展」(会期:6/22(水)~24(金)、会場:東京ビッグサイト(東京都江東区))にて展示します。
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
【別紙】IoTを活用した次世代ものづくりにおけるPLMの役割
以上
- (注1) 出典:(株)テクノシステムリサーチ「2016年機械系CAD/PLM関連ビジネス市場分析調査」(2016年6月)
- (注2) 5ユーザの場合。ライセンス費用のみ。SI費は別途必要。
- (注3) NEC、IoTを活用した次世代ものづくりソリューション「NEC Industrial IoT」を提供開始
~顧客との共創により日本の製造業の競争力強化に貢献~
http://jpn.nec.com/press/201506/20150616_01.html - (注4)「NEC Global Enterprise Solutions」紹介サイト
http://jpn.nec.com/enterprise/index1.html
Obbligato IIIについて
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC 製造・装置業システム開発本部
TEL:03-3456-7474
NECは、社会ソリューション事業を推進する
ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」のもと、
今後の世界の大きな変化(メガトレンド)に対応する
様々な課題解決や社会価値創造に貢献していきます。
詳細はこちらをご覧ください。
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