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デジタルで創る、New Normalな
企業・産業のかたち

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大をきっかけに、わたしたちの社会はいままで以上に急速な変革が求められている。なかでも重要なのはデジタル化によるシステムの再編や新たなエコシステムの創出だろう。産業を越えてビジネスが影響を及ぼし合い社会課題も複雑化するなかで、NECはかねてより社会価値創造を実現すべく「NEC Value Chain Innovation」を掲げてさまざまな取り組みを進めてきた。

「NEC Value Chain Innovation」とは、人やモノ、プロセスが、企業や業種の垣根を越えて「つながる」ことをキーワードとしてイノベーションを起こし、5つの産業領域にデジタル革新を起こすとともに、産業間を自由に横断した取り組みを増やすことでわたしたちの生活や社会システムを大きく変えようとしている。NECはデジタルテクノロジーをいかに活用し、これまで分断されていた人やモノ、企業をつなげて新たな価値を生み出そうとしているのだろうか。NEC デジタルインテグレーション本部 本部長 高野 雅則にNEC Value Chain Innovation のコンセプトや取り組みを聞いた。

COVID-19は"進化圧"となった

NEC エンタープライズビジネスユニット
デジタルインテグレーション本部
本部長 高野雅則

いまもなお世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス(COVID-19)によって、わたしたちの社会は大きく変わってしまった。暮らし方や働き方など日々の生活が変わるばかりではなく、あまねく企業や産業が大きな変革を迫られている。COVID-19によって浮き彫りになったさまざまな課題に対応するためには、これからの社会を支える新たなシステムが必要不可欠だといえるだろう。

「サプライチェーンの分断や人の移動や対面の制限、働き方改革などさまざまな変化が生じていますが、こうした課題やトレンドはCOVID-19以前からあったものだとも言えます。注視すべき点は世界同時に“進化圧”が高まり、従来の企業間にあった障壁が半強制的に取り払われたことでしょう。ビジネスの現場で身近なものとしては電子契約やテレワークそして遠隔会議などが挙げられますが、これらは限られた企業だけでなく相手企業も同様に変わらなければ機能しないものです。以前から抱えていた課題が一気に表面化したことでデジタル化や市場の変化の必要性が急激に加速している。わたしたちはこの変化に対応すべく、NEC Value Chain Innovationというコンセプトに沿った活動を進めています」

そう語るのは、NEC エンタープライズビジネスユニット デジタルインテグレーション本部 本部長の高野雅則だ。高野は国や自治体など行政機構のデジタル化や企業の業務リモート化を例に挙げ、これらは仮にCOVID-19がなくとも誰もが「やらなければいけないこと」だと認識していたはずだと指摘する。とりわけ日本ではコストの障壁などを理由に変化が先延ばしにされていたが、“進化圧”によってデジタル化を進めなければいけない局面を迎えているというわけだ。

もっとも、ひとくちに「変化」といっても、それが求められる領域は多岐にわたる。サプライチェーンの再構築やキャッシュレス・非対面・非接触型サービスへの移行はもちろんのこと、気候変動や食糧危機といった社会課題を解決するためにはグローバル規模の取り組みが求められるだろう。だからこそ高野は「わたしたちはCOVID-19以前から単独の企業が起こすイノベーションには限界が来ており、企業・産業の枠を超えた取り組みが求められていると発信してきました」と語る。

共創のためのエコシステム

先立って高野が紹介した「NEC Value Chain Innovation」とは2014年からNECが提唱しているコンセプトであり、人やモノ、プロセスを産業の枠を超えてつなぎ新たな価値を創出するべくNECは活動を続けてきたという。

「NECは企業・産業の枠を超えた取り組みを実現するために必要なこととして、デジタルによる共創/社会価値創造/データ流通・利活用という3つのキーワードを挙げています。社会課題を解決することは社会価値創造でもありますし、そのためには企業の壁を越えてお客さまやパートナーとデジタルによる共創を起こし、Win-Winなエコシステムをつくっていかなければいけません。デジタルを活用するうえでとりわけ今後重要となるのが、データを流通させ利活用することだと考えています」

高野はそう語り、これらを実現するためには企業や産業を問わず多くの人々が「大義」に共感しなければいけないのだと続ける。単に個々の企業が目先の利益を追求するのではなく、その先にある社会課題の解決という目標を共有できなければ共創はうまくいかないというわけだ。高野は「今回のCOVID-19は世界中が一致団結する大義をつくったともいえるかもしれません」と指摘する。

こうした考え方にもとづき、NECは社会価値創造をめざすにあたって2014年に「7つの社会価値創造テーマ」を挙げている。「一人ひとりのわくわくする毎日を創る」「誰もが活躍できる働き方を創る」「これからの産業のかたちを創る」「時間や距離を感じさせない体験を創る」「強くしなやかなライフラインを創る」「誰もが住みたくなる街を創る」「地球と共生する社会を創る」という7つのテーマはまさに「大義」と呼べるもので、ときには現実的でないと思われることもあるだろう。しかし、翌2015年にSDGsとして17の開発テーマが採択され、近年ますますその達成が重要視されていることを思えば、現代社会においてはこうした大義の価値を改めて考えることが必要不可欠だといえるかもしれない。

つながりから始まる4つのイノベーション

「わたしたちは2019年に改めてNEC Value Chain Innovationを大きく打ち出すにあたって、お客さまの事業領域を5つに定義し、それぞれの事業領域を起点としたデジタル化を考えることにしました。そのうえで、“つながる”をキーワードとしてイノベーションを4つに類型化しています」

NECが定義した事業領域とは、製造、物流、小売、ホテル・エンターテイメント施設、金融の5領域だ。さらにそれぞれにおいて目指す世界が描かれており、製造は「Connected Manufacturing」として現場とデジタルの融合を、物流は「Intelligent Logistics & Mobility」として人の移動を快適にしモノの流れを最適にすることを、小売は「Smart Retail CX」として顧客接点を重視して体験に革新を起こすことを、ホテル・エンターテイメント施設は「Smart VenueCX」として感性とデジタルの融和による感動体験の創出を、金融は「Digital Finance」としてデジタルにより金融サービスをあらゆる人と産業に組み込んでいくことを目指している。

「つながる」がイノベーションのキーワードとして挙げられているように、重要なのはただ5つの事業領域の内部で変革を起こすことだけではない。産業横断の取り組みを増やすことでイノベーションを連鎖させていくことこそが社会価値創造においては重要なのだ。

高野によれば、NECのめざすイノベーションはまず「新たにつながる」と「つながり方を変える」のふたつに分けられるという。前者はさらに「広くつながる」と「新たにつながる」のふたつにわけられる。広くつながるとはこれまで商流などではつながっていたがデータ連携が行なわれていなかった場合など、視野を広げて人やモノ、データをつなげていくことを意味する。後者は顧客視点など新たな視点を導入することで、従来は直接つながっていなかったものをつないでいくものだ。

「つながり方を変える」も同じくふたつに分けられる。ひとつは「換えてつながる」であり、それは自動化による短縮などプロセスの一部をAIに置き換えて効率化するとともに人間が人間にしかできないことに集中できる環境をつくることを意味する。もうひとつの「変えてつながる」は発想を変えることであり、たとえばこれまで事後的に発生していた修理対応などをIoTやAIの導入による故障検知により予防保全できるようなシステムへと変えていくことを意味している。

「広くつながる」「新たにつながる」「換えてつながる」「変えてつながる」――これら4つのイノベーションを実践することで、NEC Value Chain Innovationはすでに社会課題の解決へと取り組んでいるのだ。

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