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進化するテープバックアップによるデータ保護 [iStorage ストレージ]
低コストで、災害時やシステム障害、ランサムウェアにも強い磁気テープによるバックアップ導入前の課題
- 大量のデータをバックアップしたい
- 長期的なデータ保管がしたい
- 正しいデータをシステム・HW障害、災害等のトラブルから守りたい
- なるべくコストを抑えたい
- 煩雑なデータ管理は避けたい
- 環境に優しい製品を選びたい
システム設計をする上で、データのバックアップを計画に組込んでおくことは、業務サーバ、ファイルサーバ、データベースサーバ、およびストレージシステムのシステム運用の安定のために重要です。
サーバやストレージシステムのハードウェア障害に伴うデータ損失に加え、昨今はランサムウェアにより業務ファイルが暗号化され、システムに甚大な被害を与える事例が多発しています。また、最近ではオンラインバックアップデータまで暗号化され、業務の復旧すらままならず企業活動に多大な影響を及ぼす事態も少なくありません。こうした状況下ではバックアップ方法の見直しが急務です。
さらに、バックアップを行うだけではなくきちんとリストア(復旧)が安全にできるのかについても考慮が必要です。

各業務データの特性に合わせて適切なバックアップメディアや手法を選択することは、システムの可用性、運用継続性を満たしつつ、導入や運用に伴うコスト、消費電力を抑制します。
これらは緊急事態への備えとしてだけでなく、持続可能な社会を実現するためにも大事なことです。

解決策と効果
大容量・高速データ記録のテープストレージ
解決策:進化を続けるLTOテープで大容量バックアップ
システム運用においては、バックアップ対象のデータ量やバックアップ時間が重要です。
大切なデータを保護するため、バックアップメディアも発展を遂げており、増加するデータ量への対応やバックアップ時間の短縮を実現しています。
バックアップ対象のデータ量はお客様の有するデータ量に比例して増加します。
また、近年のランサムウェア被害対策として、複数世代のバックアップを保持することが有効とされており、これに対応するためバックアップメディアの大容量化が求められています。
このように増え続けるコールドデータの低コスト保管に向け、磁気テープ技術は進化し続けています。
LTO-7カートリッジからは磁気テープに「バリウムフェライト磁性体」微粒子が採用されました。これは磁気特性および長期保存性に優れているのが特長です。
最新のLTO-9では、従来モデル(LTO-8)の1.5倍となる最大記録容量の18TB(非圧縮時)を実現しました。
データ転送速度は非圧縮時300MB/s(1.08TB/時)に達し、テープライブラリによる自動運用を組み合わせることで、短時間で信頼性の高いデータバックアップを可能にします。

LTO-8ドライブ | LTO-9ドライブ | |
---|---|---|
転送速度 | 300MB/s | 300MB/s |
容量 | 12.0TB | 18.0TB |
LTO-9テープカートリッジは、初めて使用するときにLTOドライブにおけるメディア最適化が行われます。
これにより、高品質なデータ記録・再生を実現します。メディア最適化はLTOドライブで自動的に実施され、通常1時間程度で処理が完了します。iStorage Tシリーズ テープストレージ製品では、複数のテープカートリッジに対するメディア最適化を自動的に行う機種を取り揃えており、バックアップ運用前にメディア最適化を行う手間を解消できます。
- ※メディア最適化を自動化する機能はiStorage T09AおよびT280でサポートしております。 2025年7月現在
LTO Ultriumテープストレージの互換性
解決策:世代間で互換性があるテープとドライブ
LTOテープとドライブの長期保管性・互換性は検証済で、長期供給性はLTOコンソーシアムで確約された明確なロードマップがあります。
また、ベンダロックインがないオープン規格であるため製造ベンダ間でテープカートリッジの読み書き互換性も保証されています。
iStorage Tシリーズ テープストレージ製品ではLTO ドライブをサポートします。
LTO世代間のドライブ、カートリッジの読み書き互換性については以下の表のとおりです。
LTO-8ドライブ | LTO-9ドライブ | |
---|---|---|
LTO-9カートリッジ | × | ◎ |
LTO-8カートリッジ | ◎ | ◎ |
LTO-7カートリッジ | ◎ | × |
LTO-9ドライブ
- LTO-9規格のテープカートリッジ:18TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し
- LTO-8規格のテープカートリッジ:12TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し
LTO-8ドライブ
- LTO-8規格のテープカートリッジ:12TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し
- LTO-7規格のテープカートリッジ:6TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し
LTOドライブはハードウェア圧縮回路を有しており、書き込みデータを自動的に圧縮してテープカートリッジ上に記録します。
LTO-9ドライブの場合には、LTO-9カートリッジに圧縮時最大45TBのデータ記録が可能です。
3-2-1ルールによるテープストレージを使ったデータ保護
解決策:データ保護の鉄則「3-2-1ルール」で安全なデータ保護を実現
確実にお客様のデータを保護するためには「3-2-1データ保護ルール」に沿ったバックアップ運用が重要と考えられています。
3-2-1データ保護ルールはアメリカ合衆国国土安全保障省のサイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー庁(CISA)が運営するセキュリティー組織であるUS-CERT(United States Computer Emergency Readiness Team)から2012年に提示されておりデータ保護の考え方として幅広く活用されています。
iStorage Tシリーズ テープストレージ製品ではテープストレージの特性を活かし、3-2-1データ保護ルールを容易に実現できます。
3 copies:3つのデータで保護
3つのデータを保管することにより多数決により正しいデータを判断可能とします。データ破損時にどのデータが正しいか判別することが可能です。
⇒オリジナルデータのバックアップデータを正副2つ以上の別のカートリッジに二重記録することで簡単に実現可能

2 media type:異なるメディアで保護
異なるメディアに保管することで機器故障、システム障害や経年劣化から保護します。
⇒ディスクによるオリジナルデータとは異なるテクノロジであるテープカートリッジでバックアップすることで異種メディアでのデータ保護ができます。

1 copy offsite:1つはオフサイトで保護
バックアップデータの1つは、遠隔地を含む別建屋で保管することでデータ保護します。別フロア、別装置でデータ保管することが最低限の災害対策です。
⇒テープカートリッジは可搬メディアのため、カートリッジを移動して別の場所に移動することで簡単にオフサイト保管を実現できます。

テープストレージは可搬メディアという特徴を活かし、バックアップデータを運用サーバ、ストレージシステムからネットワーク的に切り離して保管することが可能です。そのため、3-2-1データ保護ルールを容易に運用することができます。
テープカートリッジ交換を制御するテープライブラリ
解決策1:テープカートリッジ交換の自動化
iStorage Tシリーズ テープストレージ製品を利用することで、カートリッジ交換が自動化できます。運用管理業務の効率化に加え、ヒューマンエラーも防止可能です。
LTO Ultriumドライブを複数搭載できるテープライブラリを導入することでバックアップの高速化、冗長性や可用性の向上を実現したシステム設計をすることができます。

ランサムウェア対策に有効なテープバックアップ
解決策2:シンプルなバックアップ構成
業務データをPC・業務用サーバからArcserve Backupによりバックアップサーバへ転送します。
その後、テープ専用の接続インターフェース(ファイバーチャネル/SAS)でiStorage Tシリーズに高速でバックアップを行います。
データを記録したテープはオフサイトで保管できます。
オフサイトでの保管はネットワークから物理的に隔てられており(エアギャップ)、ランサムウェア攻撃に対して最も安全とされています。

テープストレージ向けファイルアクセスを可能とするLTFSフォーマット
解決策3:テープにファイルとして長期保管
LTFS(Linear Tape File System)により、容易なファイルアクセスでテープへのデータ記録再生を実現します。
また、LTFSテープ用コピーコマンドをサポートすることにより、システム更新におけるテープマイグレーション運用(データ移行)の負荷を軽減できます。
LTFSはバックアップソフトやOSの記録形式に依存しないため、長期的なアーカイブシステムを構築できます。

テープストレージによるTCO削減
解決策:テープの組み込みで劇的なコスト削減
テープカートリッジはGB単価が安く低コストで運用できるだけではなく、データ保管時の消費電力はゼロ、データ記録・再生時も省電力のため発熱量は低く、空調に必要な電力コストも削減できます。
必要な初期投資費用(イニシャルコスト)と、保守・運用・維持費用(ランニングコスト)を含めたシステムの総保有コスト(TCO)は、コンピューターシステムの導入時にディスクを用いたストレージシステムにテープストレージを適切に組み合わせることで劇的に下げることができます。
例えば初年度960TBのデータ量が5年間で5倍の4800TBに増加するシステムを導入・運用する際に、ディスクストレージのみのストレージシステムと比較してテープストレージを組み合わせて構成したシステムはコスト(TCO)が1/9で済むと算出されています。
このように、テープストレージをストレージシステムに組み込むことはTCOの視点で非常に有効です。

https://home.jeita.or.jp/standardization/committee/tape_storage.html
ストレージシステムへのテープストレージ活用でCO2削減
解決策:テープの組み込みでCO2大幅削減
テープを組み合わせると、ディスクのみで運用する場合に比べて省電力でデータ保管が可能です。
パターン1の、ディスク容量96TB+テープ容量864TBの運用組み合わせにおいて、トータル容量1PBをディスク1:テープ9のハイブリッドストレージ構成を取ることにより省電力を実現し、CO2排出量を最大86.7%低減させることができます。
テープストレージの活用によって高い省エネ効果が期待でき、カーボンニュートラル、ひいては持続可能な社会の実現に貢献します。

https://home.jeita.or.jp/standardization/committee/tape_storage.html
iStorage Tシリーズはテープストレージの優れた拡張性と高い信頼性でデータ保護・長期保管を実現しデータバックアップ基盤をサポートします。
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