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進化するテープバックアップによるデータ保護   [iStorage ストレージ]

導入前の課題

業務サーバ、ファイルサーバ、データベースサーバ、およびストレージシステムのシステム運用の安定のためにデータのバックアップを計画に組込みシステム設計することが重要です。

サーバやストレージシステムのハードウェア障害に伴うデータ損失に備えることに加え、昨今はランサムウェアにより業務ファイルが暗号化され、システムに甚大な被害が発生するという事例が多発しています。最近ではオンラインバックアップデータまで暗号化され業務の復旧すらままならず企業活動に多大な影響が発生する事例も発生しておりバックアップ方法の見直しも求められています。

バックアップを行うだけではなくきちんとリストア(復旧)が安全にできるのかについても考慮が必要です。

セキュリティー

各業務データの特性に合わせて適切なバックアップメディアや手法を選択することはシステムの可用性、運用継続性を満たしつつ、導入や運用に伴うコスト、消費電力を抑制し持続可能な社会を実現するためにも大事なことです。

コスト削減とエコ

解決策と効果

テープストレージの高速性・大容量データ記録

バックアップ対象のデータ量やバックアップ時間の短縮がシステム運用に重要となっています。
重要なデータを保護するためにバックアップメディアも進化しており、データ量増加やバックアップ時間短縮に寄与します。
お客様の有するデータが多くなればなるほどバックアップ対象のデータ量も増えていきます。
さらに昨今のランサムウェア被害対策として複数世代のバックアップが有効であり、バックアップメディアの大容量化が求められています。
増え続けるコールドデータの低コスト保管に向けて、LTO-7カートリッジから採用された磁気特性・長期保存性に優れる磁気テープの微粒子「バリウムフェライト磁性体」をさらに進化しています。
最新のLTO-9では従来(LTO-8)の1.5倍となる最大記録容量18TB(非圧縮時)を実現します。
データ転送速度は非圧縮時300MB/s (1.08TB/h)にもおよび、テープライブラリによる自動運用を導入することで短時間で信頼性の高いデータバックアップを可能にします。

LTO容量
  LTO-5HH LTO-6HH LTO-7HH LTO-8HH LTO-9HH
転送速度 140MB/s 160MB/s 300MB/s 300MB/s 300MB/s
容量 1.5TB 2.5TB 6.0TB 12.0TB 18.0TB

LTO-9テープカートリッジは初めて使用するときにLTOドライブにおけるメディア最適化が行われます。
これにより高品質なデータ記録・再生を実現します。メディア最適化はLTOドライブで自動的に実施され、通常1時間程度で処理が完了します。iStorage Tシリーズ テープストレージ製品では複数のテープカートリッジに対するメディア最適化を自動的に行う機能を持つ機種を取り揃えており、バックアップ運用前にメディア最適化を行う手間を解消できます。

  • メディア最適化を自動化する機能はiStorage T09AおよびT280でサポートしています。 2023年10月現在

LTO Ultriumテープストレージの互換性

長期保管性・互換性は検証済、LTOコンソーシアムで確約された長期供給性・明確なロードマップとベンダロックインがないオープン規格で将来も安心です。
オープン規格なので製造ベンダ間でテープカートリッジの読み書き互換性も保証されています。
iStorage Tシリーズ テープストレージ製品ではLTO Ultriumドライブをサポートします。
LTO世代のドライブ、カートリッジの読み書き互換性については以下の表のとおりです。

LTO互換性

LTO-9ドライブ

  • LTO-9規格のテープカートリッジ:18TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し
  • LTO-8規格のテープカートリッジ:12TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し

LTO-8ドライブ

  • LTO-8規格のテープカートリッジ:12TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し
  • LTO-7規格のテープカートリッジ:6TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し
  • LTO-7データカートリッジを特殊フォーマットして、LTO-7 Type Mフォーマットとして使用することができます。
  • 9TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出しができます。Type MフォーマットはLTO-8以外のドライブでは読み書きできません。

LTO-7ドライブ

  • LTO-7規格のテープカートリッジ:6TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し
  • LTO-6規格のテープカートリッジ:2.5TB(非圧縮)のデータ書き込みと読み出し
  • LTO-5規格のテープカートリッジ:1.5TB(非圧縮)のデータ読み出し

LTOドライブはハードウェア圧縮回路を有しており、書き込みデータを自動的に圧縮してテープカートリッジ上に記録します。
LTO-9ドライブの場合には、LTO-9カートリッジに圧縮時最大45TBのデータ記録が可能です。

3-2-1ルールによるテープストレージを使ったデータ保護

確実にお客様のデータを保護するためには「3-2-1データ保護ルール」に沿ったバックアップ運用が重要と考えられています。
3-2-1データ保護ルールはアメリカ合衆国国土安全保障省のサイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー庁(CISA)が運営するセキュリティー組織であるUS-CERT(United States Computer Emergency Readiness Team)から2012年に提示されておりデータ保護の考え方として幅広く活用されています。
iStorage Tシリーズ テープストレージ製品ではテープストレージの特性を活かし、3-2-1データ保護ルールを容易に実現できます。

3 copies:3つのデータで保護

3つのデータを保管することにより多数決により正しいデータを判断可能とします。データ破損時にどのデータが正しいか判別することが可能です。
⇒オリジナルデータのバックアップデータを正副2つ以上の別のカートリッジに二重記録することで簡単に実現可能

3つのデータで保護

2 media type:異なるメディアで保護

異なるメディアに保管することで機器故障、システム障害や経年劣化から保護します。
⇒ディスクによるオリジナルデータとは異なるテクノロジであるテープカートリッジでバックアップすることで異種メディアでのデータ保護ができます。

異なるメディアで保護

1 copy offsite:1つはオフサイトで保護

バックアップデータの1つは、遠隔地を含む別建屋で保管することでデータ保護します。別フロア、別装置でデータ保管することが最低限の災害対策です。
⇒テープカートリッジは可搬メディアのため、カートリッジを移動して別の場所に移動することで簡単にオフサイト保管を実現できます。

1つはオフサイトで保護

テープストレージは可搬メディアという特徴を活かして運用サーバ、ストレージシステムからネットワーク的に切り離してバックアップデータを保管することができるため、3-2-1データ保護ルールを容易に運用することができます。

テープカートリッジ交換を制御するテープライブラリ

iStorage Tシリーズ テープストレージ製品を利用することで、カートリッジ交換が自動化できます。運用管理業務の効率化に加え、ヒューマンエラーも防止可能です。
LTO Ultriumドライブを複数搭載できるテープライブラリを導入することでバックアップの高速化、冗長性や可用性の向上を実現したシステム設計をすることができます。

iStorage T280

テープストレージによるTCO削減

テープカートリッジはGB単価が安く低コストで運用できるだけではなく、データ保管時の消費電力はゼロ、データ記録・再生時も省電力のため発熱量は低く、空調に必要な電力コストも削減できます。
コンピューターシステムの導入時に必要な初期投資費用(イニシャルコスト)と、保守・運用・維持費用(ランニングコスト)を含めたシステムの総保有コスト(TCO)は、ディスクを用いたストレージシステムにテープストレージを適切に組み合わせることで劇的に下げることができます。例えば初年度960TBのデータ量が5年間で5倍の4800TBに増加するシステムを導入・運用する際に、ディスクストレージのみのストレージシステムと比較してテープストレージを組み合わせて構成したシステムはコスト(TCO)が1/10で済むと算出されています。テープストレージをストレージシステムに組み込むことはTCOの視点で非常に有効です。

TCO削減
出典:JEITAテープストレージ専門委員会
https://home.jeita.or.jp/standardization/committee/tape_storage.html

ストレージシステムへのテープストレージ活用でCO2削減

ディスクストレージのみで運用する場合に比べて省電力でデータ保管が可能です。
ディスク容量96TB+テープ容量864TBの運用組み合わせパターン1において、トータル容量1PBをディスク1:テープ9のハイブリッドストレージ構成を取ることにより省電力を実現し、CO2排出量を最大86.7%低減させることができます。
テープライブラリを利用することで大容量のテープカートリッジを大量に保管することができ、高い省エネ効果が期待でき、カーボンニュートラルに貢献し持続可能な社会の実現に貢献します。

CO2削減
出典:JEITAテープストレージ専門委員会
https://home.jeita.or.jp/standardization/committee/tape_storage.html

テープストレージ向けファイルアクセスを可能とするLTFSフォーマット

テープストレージ向けファイルI/Oアクセスを可能とするLTFS(Linear Tape File System)フォーマットをサポートするLTFSオプションを提供します。
OSコマンドでテープを使ってバックアップ/アーカイブシステムを実装可能で柔軟なシステムを安価に実現できます。 LTFSテープ用コピーコマンドをサポートすることによりマイグレーション運用負荷を低減します。

LTFSフォーマット
項目 状況
サポート装置 iStorage T09A, T280
サポートLTO LTO-9, LTO-8, LTO-7ドライブ
(LTO-5以降のデータカートリッジ)
サポートOS RHEL7.x,  RHEL8.x
サポート機能 ファイルI/Oアクセス
LTFSコマンド:
 フォーマット / フォーマット整合チェック /
 テープ・ドライブ管理 / LTFSテープコピー
WebブラウザによるLTFSテープ管理

iStorage Tシリーズはテープストレージの優れた拡張性と高い信頼性でデータ保護・長期保管を実現しデータバックアップ基盤をサポートします。

その他 事業継続・災害対策

  • 進化するテープバックアップによるデータ保護