サイト内の現在位置

住友重機械工業株式会社様

技術視点から価値視点へ
新事業開発力を組織的に鍛える挑戦

業種:
  • 製造・プロセス
業務:
  • 経営企画
製品:
  • その他
ソリューション・サービス:
  • サービス/コンサルティングサービス

事例の詳細

高度な技術力を強みとする一方、新事業を立ち上げる力に課題を感じていた住友重機械工業様。同社は、専任組織である新事業探索室の設置とアイデアピッチコンテストの開催を軸に組織的に新事業開発力を鍛えてきました。その挑戦に共に取り組んでいるのがNECです。新事業開発の“進め方”となる標準プロセスや評価指標を整備し、新事業探索の関係者様やアイデアピッチコンテストの参加者様をコンサルタントが伴走支援しながら、人材育成にもつなげています。

成果

新事業開発に組織的に取り組む体制を整備

新設の新事業探索室を中心に新事業開発力の強化に取り組む。アイデアピッチコンテストを中核に据えて、全社から新事業の種を集め、人材育成にも取り組む。

再現性のある標準プロセスと評価指標を定義

NECの伴走支援のもと、アイデア創出から事業化までの6段階プロセスと“クリア条件”となる評価指標を定義し、新事業開発の進め方を体系化。

技術から価値に新事業開発の視点をシフト

価値を重視するNECのメンタリングを通じて、価値の検証、言語化に繰り返し取り組み、新事業開発の視点を技術から価値にシフトした。

強い技術を事業として社会に届けるために

住友重機械工業株式会社
新事業探索室
主管(取材当時)
松木 信雄氏

「こだわりの心と、共に先を見据える力で、人と社会を優しさで満たします」をパーパスに据える総合機械メーカーの住友重機械工業様。減速機、産業機械、建設機械、環境プラントなど、幅広い機械やサービスを国内外の企業に提供しています。

価値の源泉となる技術については、高度な専門性を備え技術者たちがパーパスにもある「こだわり」を貫き、磨き続ける文化が根付いています。「先輩、後輩を問わず率直に意見をぶつけあい、試行錯誤や挑戦も前向きに受け止めてくれる。理想的な研究開発の環境があります」と同社の北村 成氏は言います。

一方、高い技術力をどのように事業化し、どのような形でお客様や社会に届けるか――。新事業開発の考え方や進め方については、まだ磨き直す余地があると同社は考えています。

こうした問題意識を背景に同社は、2023年に新事業探索室という専任組織を立ち上げ、組織的に新事業開発力を強化する方針を打ち出しました。「これまでの新事業開発は、どちらかというと個人の意欲やスキルに頼っていました。そうではなく、住友重機械工業全体で新事業開発に取り組まなければならない。そうした考えのもと、新事業探索室には技術研究所やICT本部、各事業セグメントの業務も兼務するメンバーも参画し、全社横断体制で新事業の探索と人材育成を進めています」と同社の松木 信雄氏は言います。

その一環として計画したのがアイデアピッチコンテストの開催です。応募を通じて社内に眠っている新事業の種を拾い上げること、そして、コンテストという注目を集めやすい企画を通じて、社内外に同社が新事業開発に本気で取り組むことを明確に示したいという狙いがありました。

再現性ある新事業開発プロセスの構築に向けて

住友重機械工業株式会社
新事業探索室
兼 技術本部 技術研究所
環境エネルギー技術部
主任技師(取材当時)
今井 直子氏

同社には、技術開発や商品開発に挑戦する社員を後押しする「チャレンジ制度」という施策はありますが、技術や商品ではなく「事業」開発を主眼に置いたアイデアピッチコンテストを開催した経験はありませんでした。

そこで支援を依頼したのがNECです。NECが研究開発組織の変革、事業モデルの転換に自ら取り組んできた経験を持ち、新事業開発においても、自身の経験を活かしたプロセス設計から人材育成、事業化の伴走支援までを一貫して提供できる点を評価しました。「個人の力量に委ねるのではなく組織として新事業開発に取り組むには、再現性のある標準プロセスの策定と、そのプロセスの定着までを支援してくれる存在が必要。NECなら、それが期待できると感じました」と同社の今井 直子氏は振り返ります。

まず同社とNECが共に取り組んだのが、アイデアを新事業として成立させるまでの標準プロセスの設計です。「アイデア創出」「価値発見」「価値検証」「PoC開発」「MVP開発」「ビジネススケール」という6段階のプロセスを整理し、段階ごとに目的、実施内容、期間の目安などを定義しました。

また、各段階で何をどのように見極めるべきか、次に進むには何を満たす必要があるかを判断するための評価指標も合わせて策定。いわば“クリア条件”を明確にすることで、新事業開発プロセスの実現性を高めました。「新事業開発はどのように進めるべきか。各段階で何をしなければいけないかがはっきりしたため、進め方で悩む必要はありません。本来、力を注ぐべきアイデア磨きや、新事業の構想策定に専念できます」と松木氏は話します。

さらにアイデアピッチコンテストの開催にあたっては、NECのコンサルタントがコンテストの企画だけでなく審査にも関与。その上で書類審査を通過した参加者様に対してメンタリングを含む伴走支援を行い、アイデアのブラッシュアップに共に取り組みました。参加者様とコンサルタントが、仮説検証、価値の言語化、事業構想の整理、プレゼンテーションの磨き込みなどに共に取り組みながら、新事業開発に求められる実践的なノウハウやスキルの習得を促したのです。

zoom拡大する
新事業開発に向けたNECの支援内容
新事業開発の標準プロセスや評価指標の設計といった環境整備だけでなく、新事業開発そのものにも伴走支援を行っている。
住友重機械工業株式会社
技術本部 技術研究所
材料技術部 材料設計グループ
技師(取材当時)
北村 成(まさみ)氏

同社のアイデアピッチコンテストは「SHI Growth Explorers Program/IDEA Pitch Contest」という名称で、既に数回開催されています。冒頭、同社の技術研究の状況を紹介してくれた北村氏は1回目のグランプリ受賞者。現在は、そのアイデアの事業化に継続的に取り組んでいます。

「製造業において、品質や安定稼働を重視する中で再利用が想定されていなかった部品に対し、リユースの可能性を見出し、事業化に取り組んでいます。コンテストに応募するまで構想段階から事業化まで一貫して業務を推進した経験はありませんでした。参加中、特に印象に残っているのが『価値発見』の取り組みです。これまで顧客価値を意識していなかったわけではありませんが、当初は言語化が十分ではありませんでした。NECのコンサルタントから『誰のどんな課題を解決するのか』と何度も問いかけられる中で、お客様に提供できる価値を一つひとつ言語化していきました。その過程では、想定しているニーズが本当にあるのかを確かめるために、実際にお客様を訪問してインタビューを行うなど、経験したことのない取り組みにも挑戦しました。事業として成立させるために何が必要なのかを実感を持って学びました」(北村氏)。

北村氏以外にも複数の参加者様が、応募したアイデアにさらに磨きをかけ、事業化に向けた取り組みを進めています。

「技術重視の文化が定着しているがゆえに、私たちの視点はどうしても技術に寄りがちです。そうした中、NECのコンサルタントは、お客様のニーズや課題について粘り強く問いかけながら、参加者の視点を徐々に切り替えてくれました」と松木氏は言います。

今後も同社は新事業開発に継続的に取り組んでいきます。その中でNECは「Human AI Collaboration」のような新しいサービスの活用も提案しています。これは、アイデア検討などにAIとプロンプトエンジニアがセット参加し、その場で簡単な調査結果や壁打ちになるような意見を述べ、新事業開発初期の思考整理を支援するものです。「アイデア検討を効率的に行えるようになれば新事業開発全体のスピードアップにつながります。ぜひ試してみたいですね」と今井氏は話します。

技術という強みを起点にしながら、価値や事業性の視点を植え付け、新事業開発に取り組む力を組織的に育てる──。住友重機械工業様は難しい挑戦の重要な一歩を確実に踏み出しています。

新事業開発の“進め方”を共に整える支援

住友重機械工業様の支援においてNECが重視したのは、アイデアを評価することではなく、新事業開発の進め方そのものをSHI様と共に整えることでした。

具体的には、アイデアピッチコンテストを単発の取り組みで終わらせたり、せっかく生まれたアイデアが途中で尻すぼみになったりしないよう、標準プロセスと評価基準の設計に力を入れました。ベースとなっているのは、NEC自身が事業開発プロセスを策定・運用してきた中で培ってきた実践の経験です。

参加者様への伴走支援では、特に「価値」に重きを置きました。技術者が中心となる議論では、どうしても技術の完成度や新規性に視点が偏りがちですが、事業化においては、その技術がどのような価値を生み出すのか、その価値は本当に求められているのか、さらには収益につながるのかを明確にする必要があります。そこで、参加者様に対して繰り返し問いを投げかけながら、参加者様自身が価値を言語化できるようになることを意識した支援を行いました。

新事業開発は、正解が用意されている取り組みではなく試行錯誤の連続です。今後は「Human AI Collaboration」のようなサービスも活用し、人の思考とデジタルの力を組み合わせながら、アイデア検討や思考整理をよりスピーディーに進める支援も提案していく考えです。

NEC
コンサルティングサービス事業部門
ストラテジーコンサルティング統括部
Future Creation Designグループ グループ長
ディレクター
町田 正史
NEC
コンサルティングサービス事業部門
ストラテジーコンサルティング統括部
Future Creation Designグループ
ディレクター
HCD-Net認定 人間中心設計専門家
松平 恵美
NEC
コンサルティングサービス事業部門
ストラテジーコンサルティング統括部
Future Creation Designグループ
シニアコンサルタント
豊嶋 宏太

お客様プロフィール

住友重機械工業株式会社

本社所在地 東京都品川区大崎2丁目1番1号(ThinkPark Tower)
設立 昭和9年11月1日
従業員数 連結:25,337名(2024年12月31日現在)
概要 一般産業機械から最先端の精密機械、さらに建設機械、環境プラントまでをカバーする総合機械メーカー。一流の商品とサービスを世界に提供し続ける機械メーカーを目指すことを企業使命とし、確かな技術に支えられた品質の高い製品とソリューションを提供。社会や産業基盤、人々の生活を支えている。

住友重機械工業株式会社銀行様

この事例の製品・ソリューション


(2026年2月19日)

関連事例

Now Loading