2014年7月11日
日本電気株式会社
NECは、埼玉県立がんセンター(所在地:埼玉県北足立郡、病院長:田中 洋一)の新病院に、各種システムの統合利用を実現する最新のICTシステムを納入しました。 旧病院から約400mの距離に新設され、503床へ増床した新病院では、全館を無線LANに対応させた高速で大容量通信が可能な統合ネットワークを構築し、電子カルテ・IP内線・ナースコール・看護支援・患者呼出などの病院内の各種システムの統合利用が可能になりました。スマートフォンを活用した病院スタッフ間の円滑なコミュニケーションや業務の効率化を図り、NECが新規開発した「患者呼出システム」により、外来患者に対する受付から会計までの円滑な案内や、待ち時間の快適化を実現しています。
NECは今後、病院内の各種システムを統合利用できるネットワークと、患者に優しい院内案内を実現する「患者呼出システム」を核とした、病院向けの統合ICTシステムを全国の医療機関に拡販していきます。これにより、暮らしや社会を支えるICTインフラの高度化に貢献していきます。 |
埼玉県立がんセンターの導入背景
昭和50年の開院以来、埼玉県における中核的がん専門医療機関として、高度先進がん医療を実践してきた埼玉県立がんセンターは、新病院の建設にあたり、「高度先進がん医療を実践する病院」、「日本一患者と家族にやさしい病院」を基本コンセプトとして、さらなる医療設備の充実と明るく開放的な空間を有した快適な環境づくりに取り組みました。
従来の病院内のネットワークは、データ系と音声系で別々のネットワークが構築され、音声通話のための院内PHS利用においては、データ通信を行う情報系の無線LANとは別にPHS用のアンテナを設置する必要がありました。また、外来患者の案内・誘導については紙の受診票を利用していたため、名前を呼ばれるまで混雑した待合室で待たなければならず、大きなストレスになっていました。
新病院に導入したICTシステムは、無線LANのアクセスポイントを全館に展開するとともに、データ系と音声系をIPネットワークで統合しました。これにより、病院スタッフは、スマートフォン1台で電話や各種システムとの連携が可能となり、円滑なコミュニケーションや業務効率化を実現しています。
また、「患者呼出システム」は、受付時に患者一人ひとりに渡される携帯用呼出受信機により、受付から診療・会計まで、順番待ちの状況を適切なタイミングで案内され、診察の待ち時間を待合室以外のアメニティスペースなどで快適に過ごすことが可能で、外来患者のサービス向上を実現するものです。
新システムの特長
- 各種病院システムと統合ネットワーク連携による最新ICTシステム
従来、病棟だけに設置されていたデータ系ネットワーク用の無線LANを外来やアメニティスペースも含めた全館に設置し、データ通信に加え、音声も含めた統合ネットワークを構築しました。また、データ系ネットワークと音声系ネットワークを統合してスマートフォンを採用することで、内線通話・ショートメール・看護支援システム(3点認証やバイタル入力)・ナースコール・生体モニタとの連携の利用を1台のスマートフォンで実現しています。
これにより、ナースステーション以外の場所でもナースコールを受けることができたり、電話で連絡のつかない医師にショートメールでメッセージを送るなど、病院スタッフ間のコミュニケーションを向上させ、業務効率化や患者サービスの向上を実現します。
- 順番待ちを気にせず、待ち時間を快適に過ごせる「患者呼出システム」
NECが新たに開発した「患者呼出システム」は、受付時に携帯用の呼出受信機を患者に渡し、電子カルテシステムと連携することで、診察の順番待ち状況などの案内メッセージを適切なタイミングで画面に表示します。埼玉県立がんセンターは、小型・軽量(本体約100g)・大画面で、簡単操作を実現した呼出受信機を1000台、受付時に自動で呼出受信機を払出す自動発行機を3台導入しています。また、患者がメッセージを確認した時間や位置情報を電子カルテの画面で確認できるため、診察室の場所を間違えている人にメッセージを送信して誘導するなど、スムーズな案内が可能です。これにより、患者は診察の待ち時間を院内のアメニティスペースで快適に過ごすことができるようになりました。
患者呼出システム発売について
NECは、埼玉県立がんセンターに納入した患者呼出システムを、他の医療機関向けにも販売します。
新システムは、患者一人ひとりが院内で利用する「呼出受信機」、受付時に呼出受信機を自動で払い出す「再来受付自動発行機」、電子カルテなどのシステムとの連携し呼出受信機を制御する「呼出管理装置/呼出制御装置」、患者情報と患者呼出システムを連携させるための初期設定を行う「受信機発行登録装置/初診用受信機発行機」で構成されます。本システムの導入には、事前に電子カルテシステムとのデータ連携が必要となります。
価格は、呼出受信機500台、再来受付自動発行機2台、呼出管理装置/呼出制御装置1台、受信機発行登録装置/初診用受信機発行機1台の場合で、標準価格8,950万円から販売します。 (別途、電子カルテ連携のためのSI費、ネットワークインフラが必要。)
なお、NECは「患者呼出システム」を、「国際モダンホスピタルショウ2014」(会期:2014年7月16日~18日、会場:東京ビックサイト )に出展します。
http://jpn.nec.com/medsq/event/hosp/index.html NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進のICT技術や知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
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NECは、社会ソリューション事業を推進する企業としてのグローバルブランドを構築するため、
新ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」を策定しました。
本ブランドメッセージのもと、世界の人々と協奏・共創しながら、社会の様々な課題解決に貢献していきます。
