2013年10月24日
公益財団法人NEC C&C財団
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菊池 和朗 博士 |
中沢 正隆 博士 |
ウラジミール バプニック 教授 |
公益財団法人NEC C&C財団(理事長:佐々木元 NEC名誉顧問、所在地:東京都港区)は、本年度の「C&C賞」受賞者2グループ3名を決定しました。
「C&C賞」は、1985年に創設された賞で、情報処理技術、通信技術、電子デバイス技術、およびこれらの融合する技術分野の開拓または研究、あるいはこの分野の進歩がもたらす社会科学的研究活動に関し顕著な貢献のあった方に授与されるものです。「C&C賞」の受賞者には、賞状、賞牌ならびに賞金(各グループ1,000万円)が贈られます。
本年度は、ビッグデータ時代の基盤技術を担う研究開発で功績のあった、2つのグループに決定しました。1つは大量データの伝送に必要となる光ファイバ通信の100Gbps化の基礎となったコヒーレント方式の提案に貢献のあった2名、もう1つは機械学習を応用したデータ分析の領域で最も有名なデータ識別方式であるサポートベクターマシン(以下、SVM)の発明者1名です。
表彰式典は、11月27日(水)午後3時00分からANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)において開催します。同式典では、贈呈式に引き続き受賞者の記念講演が行われます。
2013年度「C&C賞」受賞者
■ グループA(2名)
氏名 |
菊池 和朗 博士 |
現職 |
東京大学 大学院工学研究科電気系工学専攻 教授 |
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氏名 |
中沢 正隆 博士 |
現職 |
東北大学 電気通信研究所 教授 |
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同 国際高等研究教育機構長、同 電気通信研究機構長 |
<業績>コヒーレント光ファイバ通信システムの高度化に関わる先駆的・先導的貢献
<受賞理由>広帯域な光ファイバアンプを用いた波長多重伝送技術は、1990年代中盤以降急速に進展し、幹線系伝送システムとして実用化され広く普及しています。 しかし、年率約40%で増加する情報通信容量の要求には新たなブレークスルーが必要であり、伝送速度を40~100Gbps以上にあげるべく研究開発が進められたのが、QPSKやQAM等の多値デジタルコヒーレント伝送方式の導入です。本技術は、光強度のオン・オフに情報を載せていた従来技術と異なり、光周波数の位相にもたくさんの情報を載せることと、デジタル信号処理によって、伝送波形の劣化を効果的に自動補正することを同時に実現する技術です。
菊池・中沢の両教授は、この大容量長距離伝送の根幹をなす技術に関して極めて先駆的・先導的な功績をあげており、適応技術の開発と選択を含めて、新技術の有効性を先頭に立って提案・実証してきた両教授の慧眼と成果はC&C賞にふさわしいものと考えます。
■ グループB(1名)
氏名 |
ウラジミール バプニック 教授 |
現職 |
コロンビア大学教授 |
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NEC北米研究所フェロー |
<業績>統計的学習理論の構築ならびに高性能かつ実用的な学習アルゴリズムの発明に関わる貢献
<受賞理由>今日、情報通信技術の進展に伴い、大量のセンサ情報やソーシャルメディアのテキストデータなど、ビッグデータの収集・分析が容易になったことから、幅広い分野でのビッグデータ活用が期待されています。データに存在する規則性を自動抽出し、現状認識や将来予測を行う機械学習技術は、ビッグデータ分析を支える基盤技術です。
バプニック教授は、統計的学習理論の枠組みに基づく学習モデルの性能評価の理論と、高性能かつ実用的な学習モデルであるSVMの提案を行い、機械学習技術の理論的発展と応用分野の拡大に大きく貢献しています。機械学習技術で教授の創り出したブレークスルーは極めて大きく、「C&C賞」を授与するに相応しい業績と考えます。
各受賞者の略歴および当財団の活動概要、表彰式典の概要については、別紙をご参照下さい。
【別紙1】 2013 年度C&C賞受賞者 業績と略歴【別紙2】 公益財団法人NEC C&C財団の活動概要【別紙3】 2013 年度C&C賞 表彰式典概要
以上
受賞式典への参加申し込み先
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
公益財団法人NEC C&C財団 鹿田(しかだ)
TEL:03-3457-7711
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