2013年10月2日
日本電気株式会社
NECは、モバイルネットワークにつながる携帯電話やスマートフォンなど端末の位置の変化を予め推定することで、位置情報の管理に必要な信号処理の負荷を大幅に低減しながら、より多くの端末を柔軟に管理できる技術を開発しました。
昨今、モバイルネットワークの急速な拡大に伴い、モバイル端末や自動車など多数のモノ(デバイス)がモバイルネットワークを介して相互に通信を行うようになり、そこで発生する膨大なデータ(ビッグデータ)の活用が期待されています。
移動する様々なデバイスに対して確実な通信を提供するため、通信事業者は、デバイスの位置情報をコアネットワーク側で把握する必要があります。現在、通信事業者は、携帯電話の利用者である「ヒト」の移動パターンをもとに、管理エリアをコアネットワーク側で予め設定し、デバイスがあるエリアから別のエリアへ移動した際に、新しい位置を再登録するという管理をしています。
しかし、モバイルネットワークに接続するデバイスの種類が多様化・急増する中、それらの移動パターン(スピードや方向)も多岐にわたるようになり、デバイスの位置を知らせる信号が大量に送信されることで通信事業者側の管理負荷が増大することが課題となっています。
また、通信事業者側からデバイスに着信信号を送る際にも、管理エリア内のすべての基地局に対して一斉に呼び出しをかけるページングという処理がされていますが、実際にはデバイスが存在しないエリアの基地局にも信号が送られているため、無駄な管理負荷が発生する要因となっています。
今回開発した技術は、デバイスの不規則な位置の変化を推定し、管理エリアを動的に設定します。例えば高速に移動するデバイスは移動方向に対して広く、低速に移動するデバイス場合は狭く、管理エリアを自在に設定することができます。
これにより、デバイスの位置登録の頻度と対象となるデバイスが存在しないエリアへの呼び出しが低減し、デバイスの位置管理にかかる信号処理を大幅に削減できるため、通信事業者は、既存の管理サーバでより多くのデバイスを運用できるようになり、設備投資コストも抑制できます。
このたび開発した技術の特長は、次のとおりです。
- 変化するデバイスの位置を独自アルゴリズムで高精度に予測
位置の履歴を保存しないNEC独自の軽量アルゴリズムで、不規則に移動するデバイスの位置変化を高精度に予測。
- 管理エリアを動的に設定し管理負荷を低減
従来のように予め管理エリアを設定するのではなく、位置の変化の推定結果を用いて動的に適切なエリア設定を行うことで、位置登録の更新頻度を約50%削減するとともに、ページングのための信号処理頻度を約75%削減。
このたび開発した移動管理最適化技術は、2012年度よりNECが参画している、総務省の『「モノのインターネット」時代の通信規格の開発・実証』の一環として進めてきた研究成果です。
NECは本技術の実用化を進めるとともに、今後も、モバイルネットワークをはじめ、ビッグデータ時代を支える情報通信技術の開発に積極的に取り組んでいきます。
【別紙】 モバイルネットワークに接続する端末の位置の変化を推定し、最適な位置管理を実現する技術を開発
以上
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