2013年3月22日
日本電気株式会社
NECは、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスで通話中、画面操作により生じるタップ雑音を正確に検出し、抑圧する技術を開発しました。本技術により、通話相手に聞こえる不快なタップ雑音を抑圧し、自由な画面操作と快適な通話を両立します。
近年、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、ウェブサイトを閲覧しながらの通話、資料を編集しながらの電話会議、eラーニングなど、通話をしながらスマートデバイスの画面を操作する機会が増加しています。しかし、指やタッチペンで画面を操作すると、接触により発生したタップ雑音をマイクが拾うため、通話相手が音声を聞き取りにくくなります。タップ雑音は話し手には聞こえない程度の音量ですが、内蔵マイクには筐体を介して直接伝わるため、通話相手には大きな雑音として聞こえます。
このたび開発した技術は上記の課題を解決し、スマートデバイスの自由な画面操作と快適な通話を両立するものです。本技術をAndroid (TM) 搭載タブレット「LifeTouch(R) L」に組み込んで評価したところ、演算能力が限られるスマートデバイスにおいても、処理に遅延なくタップ雑音だけを抑圧できることを確認しました。
開発した技術の特長は次のとおりです。
- タップ雑音に固有の特徴を基に、正確な検出と抑圧を実現
音に含まれる様々な周波数の波形の山がすべて揃うという、タップ雑音に固有の特徴を発見し検出に利用することで、タップ雑音の高精度検出を達成。また、周波数ごとに波形の形状を分析し、音声らしくない周波数成分だけを抑圧することで、音声に影響を与えることなく、タップ雑音のみを抑圧。これらにより、発生のたびに特性が異なるタップ雑音の消し残しを最小化。
- タップ雑音と周囲の環境雑音を同時に抑圧し、演算量を約3割削減
周囲雑音(環境雑音)の抑圧とタップ雑音の抑圧に共通する、入力信号を各周波数成分に分解・合成する処理を共通化。これにより、それぞれの処理を別々に行う方法と比較して、演算量を約3割削減し、演算能力が限られるスマートデバイスでも、処理に遅延なく動作。
なお、本技術はPCのキーボード打鍵音、ゲームコントローラのボタン操作音、自動車のウインカ―音など、タップ雑音と同様の特長を持つ衝撃雑音の抑圧にも有効です。
NECは、今後も雑音抑圧技術の研究開発を進めるとともに、本技術のスマートフォン及びタブレット端末市場への普及を図ってまいります。
なおNECは本技術を、3月19日(火)から3月22日(金)まで、岐阜大学にて開催されている「電子情報通信学会総合大会」において、19日に発表を行いました。
以上
※ 「LifeTouch」は、日本国内における日本電気株式会社の登録商標です。
Android は、Google Inc. の商標です。
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