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  3. 世界初、一枚のシート上で電子機器の無線通信と給電を実現する技術を開発

世界初、一枚のシート上で電子機器の無線通信と給電を実現する技術を開発~ 机にパソコンを置くだけで、安全かつ高効率な伝送を実現 ~

2012年10月2日
国立大学法人東京大学
日本電気株式会社
NECエンジニアリング株式会社
株式会社セルクロス
帝人株式会社




国立大学法人東京大学、日本電気株式会社、NECエンジニアリング株式会社、株式会社セルクロス、帝人株式会社の研究グループは、独立行政法人情報通信研究機構の支援を得て、電子機器の無線LAN通信と電力供給を、一枚のシート上で実現する技術を開発しました。

本技術は、伝送シート近傍に閉じ込められた電磁波を、電子機器に装着した専用の部品(カプラ)で受けて、通信と給電を実現するものです。これにより、伝送シート上の場所を選ばすに、電子機器にマイクロ波帯の電磁波を使った高速通信と、伝送効率25%以上の給電を実現します。

従来、伝送シートを用いた通信と電力の伝送は、シートやカプラからの電磁波の漏洩が大きいこと、電力の伝送効率が小さいことなどから、実用化が困難でした。このたび、シートとカプラの構造を見直し、電磁波制御技術と高効率伝送技術を開発することで、空間への電磁波の漏出を小さく抑えながら、高い伝送効率を実現しました。

このたび、本技術を用いて60cm四方の伝送シートを試作し、無線LANの周波数である5GHz帯で高速通信を行いながら、2.4GHz帯で4W以上かつ伝送効率25%以上の給電が可能なことを実証しました。また、外部空間への電磁波の放射や、直接手で触れた際の人体への電磁波吸収は、電波防護指針(注1)の基準値以下であり、実用化に向けて十分に安全なことを確認しました。

開発した伝送シートを机の表面に設置することで、会議やオフィスにおいて、パソコンなどの機器へのシート表面だけに限った安全なコードレス給電と、他の無線LANなどとの干渉がない安定した通信を実現します。また、手元照明や扇風機などをコードレスで利用しながら、複数のディスプレイとパソコンをワイヤレスで通信するなど、快適に作業できるオフィス環境を実現します。

このたび開発した技術は、シートとカプラからの電磁波の漏れを抑えながら、安全で高い伝送効率を実現するもので、各々技術の特長は次のとおりです。

  1. 伝送シートとカプラにおける電磁波の漏れを抑制する技術
    伝送シートからの電磁波の放射を抑えるため、シート端部を導体で覆うとともに、シート内部のメッシュ状の配線パターンを最適化。また機器に取り付けるカプラにおいて、特定の周波数の電磁波を遮断する小型EBG構造(注2)を開発し適用。これらにより、電磁波の外部への放射を従来技術と比較して1/10以下に抑制し、空間との干渉を抑えた通信と電力伝送を実現。

  2. 高効率・安全な伝送を実現する共振回路設計技術
    伝送シートとカプラ間のワイヤレス電力伝送を低損失に実現する構造を開発し、カプラに利用。また、電磁場を弱めるための保護層を伝送シートに採用。これらにより、高効率な電力伝送と、シート表面に置かれた電子機器や人体を強い電磁場にさらすことのない安全性を実現。

  3. 高信頼な伝送シート
    耐熱性、耐湿性、高耐荷重など、実用的な耐久性を有する伝送シートを開発。また、電磁波を発生させて伝送シートへ入力する電力供給ユニットと、シートの一体化を実現。

本研究グループは今後も開発を進め、本技術の早期実用化を目指します。

なお本研究グループは本成果を、10月2日(火)から6日(土)まで、幕張メッセ(千葉市美浜区)にて開催される「CEATEC JAPAN 2012」において展示しています。



以上


(注1) 総務省(旧郵政省)が策定した、国際的なガイドラインに準拠した指針で、人体に影響を及ぼさない電波の基準値等が示されている。

(注2) Electromagnetic Band Gapの略。メタマテリアルの応用技術で、特定の周波数の電磁波の伝送を遮断する特性を持つ周期構造体。


本研究グループの参加団体・企業

国立大学法人東京大学
  総長:濱田 純一、所在地:東京都文京区本郷7-3-1
日本電気株式会社
  代表取締役 執行役員社長:遠藤 信博、本社:東京都港区芝五丁目7番1号
NECエンジニアリング株式会社
  代表取締役 執行役員社長:上河 深、本社:東京都品川区東品川四丁目10番27号 住友不動産品川ビル
株式会社セルクロス
  代表取締役社長:浅村 直也、本社:東京都文京区本郷7-3-1 東京大学アントレプレナープラザ204
帝人株式会社
  代表取締役社長執行役員:大八木 成男、東京本社:東京都千代田区霞が関三丁目2番1号霞が関コモンゲート西館



本件に関するお客様からのお問い合わせ先

東京大学 情報理工学系研究科 教授 篠田裕之
URL:http://www.alab.t.u-tokyo.ac.jp/~shino/
NEC 知的資産R&D企画本部 広報グループ
お問い合わせ

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