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OLF/AD-BK - 強化内容(MP R12.1)
強化概要
ACOS-2/MP R12.1におけるバックアップ連携機能(OLF/AD-BK)では、バックアップの運用性向上と、BC/DRに対応する機能の拡充を行います。主に、以下の4点の機能強化を行います。
強化(1):OSバックアップ/復旧機能の強化
システム標準ディスク(WindowsやIOGW, SRV, EXSDなど)のバックアップ(OSバックアップ)のバックアップ先として、従来のRDXデータカートリッジに加え、バックアップ連携専用ディスクをサポートします。また、バックアップ連携専用ディスクに採取したOSバックアップデータを、ネットワークを介してオープン環境へ転送する機能も提供します。
強化(2):共有フォルダ転送機能の強化
JCL($OLFADBK)によるバックアップファイルの転送先として、従来のFTPサーバに加え、共有フォルダへの転送機能を提供します。
強化(3):自動バックアップ
静止点(ボリューム内のファイルが操作されていない状態)を確保したバックアップを行うため、ACOS-2終了時にバックアップを実行する自動バックアップ機能を提供します。 自動バックアップ機能では、ACOS-2稼働中にJCLにてバックアップ/転送の「予約」を行っておくことにより、自動運転によるACOS-2終了時に、予約されたバックアップ/転送が自動で実施されます。
強化(4):ファイル一覧情報の作成/参照機能
ACOS-2ボリュームバックアップ時に、バックアップ元となるボリューム内のファイル一覧情報ファイル(MAPVOLレポート相当の情報)を作成し、ディスク管理ツールから、ファイル一覧情報を参照できる機能を提供します。

強化後のバックアップ運用イメージ
強化したバックアップ機能を適用した後の、バックアップ運用のイメージです。
ACOS-2の自動運転で運用し、業務運用中にJCLによりバックアップ/転送の予約を行います。これにより、業務を終了して自動電源切断を開始した後、自動バックアップにより予約したバックアップ/転送が実施されます。自動バックアップが完了した後自動電源切断が行われ、翌日の業務開始前に自動で電源ONされます。
自動バックアップでは、システム資産/ユーザ資産のバックアップ/転送を、JCLによる予約のみで実施できます。業務終了処理やICLAUTOに予約を行うJCLを組み込むことで、日々の運用の中で特別な操作を行うことなく、ACOS-2におけるすべてのデータのバックアップが可能になります。自動バックアップは、ACOS-2終了時にバックアップを行うことにより、静止点を確保したバックアップが実現できるため、リストア後に復旧(ACOS-2稼働中にバックアップした際に、使用中であったファイルの復旧)を行う必要がありません。
転送先としては、OLF/AD-BKバックアップファイル、OSバックアップデータ共に、共有フォルダを選択できるため、バックアップデータを共有フォルダ(ファイルサーバ等)で一元管理可能になります。インタフェースとしてSMB3.0が利用できるため、セキュアなバックアップ運用を実現できます。
共有フォルダをデータセンターに用意することで、バックアップデータの長期保存、大容量保存の運用も実現できます。ACOS-2以外のバックアップデータも含め、一元管理することも可能です。

強化機能(1):OSバックアップ/復旧機能の強化
ACOS-2のシステム標準ディスクのバックアップ機能と、採取したバックアップデータを用いてシステム標準ディスクを復旧する機能を強化しました。
システム標準ディスクのバックアップ(OSバックアップ)のバックアップ先として、従来からサポートしているRDXデータカートリッジに加え、バックアップ連携専用ディスクもサポートします。さらに、バックアップ連携専用ディスクにバックアップしたOSバックアップデータを、共有フォルダへ転送する機能も提供します。これらの機能強化により、従来は必要であった物理媒体の搬出や保管を行うことなく、より簡単にバックアップデータを遠隔地で保存できるようになり、BC/DR対応を行う上での利便性が向上します。
バックアップ連携専用ディスクへのOSバックアップはバックアップメニューから、また、バックアップ連携専用ディスク上のOSバックアップデータの転送はディスク管理ツールから行います。これらのツールは共にシステムメニューから起動するものであり、使用する場合は手動操作が必要になります。しかし、R12.1で機能提供を行う自動バックアップ機能(※)により、手動操作を行うことなく、OSバックアップと、採取したOSバックアップデータの転送を行うことが可能になります。
※自動運転を行っているお客様向けの機能で、ACOS-2稼働中にバックアップの予約を行っておき、自動運転によるACOS-2終了時にバックアップを行う機能です。詳細は「強化機能(3)」を参照ください。
また、オープン環境にあるOSバックアップデータからシステム標準ディスクの直接リストアもサポートします。 ACOS-2が被災し、Windowsが起動できず、バックアップ連携専用ディスク上のOSバックアップデータを使用できないような状態の場合であっても、遠隔地のOSバックアップデータを用いて直接リストアすることで、早急な業務復旧が可能になります。

強化機能(2):転送機能の強化
JCL($OLFADBKプログラム)による、共有フォルダへの転送をサポートします。
従来の共有フォルダへの転送は、ディスク管理ツールの手動操作が必要でしたが、本強化によりJCLからバックアップファイルを共有フォルダへ転送できるようになります。これにより、定型業務によるバックアップファイルの転送のためにFTPサーバを用意する必要がなくなり、オープン環境への転送を容易に行えます。また、OSバックアップデータは共有フォルダへ転送しておくことで、万一の場合に、共有フォルダ上のOSバックアップデータからシステム標準ディスクの復旧ができます。
共有フォルダ転送に使用するネットワークストレージは、FTPサーバに比べ構築/運用が容易であることや、ACOS-2のバックアップデータの転送先以外の用途でもすでに使用されている場合も多く、同転送先へ転送することで、ACOS-2以外のデータとまとめて管理することも容易に実現可能になります。

強化機能(3):自動バックアップ(自動運転を行っているお客様向け)
自動運転によるシステム終了と連動してバックアップを行う自動バックアップ機能を提供します。
自動バックアップ機能として、新たにバックアップ予約機能を追加しました。ACOS-2稼働中にJCL($SAVE/$OLFADBK)にてバックアップ予約を行うことで、自動電源切断時のACOS-2OS終了を契機に、バックアップ業務を遂行することが可能になりました。これにより、ACOS-2稼動中には静止点を確保することができなかった、システムディスク(SRV/EXSD/URV等)およびシステム資産(OSバックアップ)の静止点の確保が可能となり、システム全体のバックアップを静止点を確保して行えます。
バックアップ予約機能は、$SAVE/$OLFADBKのJCLパラメータとして、予約パラメータ(AUTO=SET)、および、OSバックアップの指定パラメータ(@OS)を追加することで実現しました。
これにより、従来からOLF/AD-BKによるバックアップ業務を行っているお客様は、既存JCLに予約パラメータを追加することで自動バックアップ運用に変更が可能です。また、対象としてOSバックアップが指定可能になったことで、従来はENDWORK後にバックアップメニューから手動操作が必要だったOSバックアップがJCLから実行できます。
予約可能なバックアップ操作としては、システム標準ディスクおよびACOS-2ボリュームに対する一連のバックアップ操作を予約可能にしました。一連の操作がJCLから可能になったことで、システム全体のバックアップを、運用サイクルに組み込めます。自動バックアップ機能をご利用いただくことで、OSバックアップ、全ACOS-2ボリュームのバックアップをこれまでより簡単に、完全なバックアップとして採取可能になります。
また、自動バックアップの実行結果は、自動バックアップ履歴表示ツールにて参照可能です。これにより、日々のバックアップ運用の状況をご確認いただけます。
<予約可能なバックアップ操作>
- システム標準ディスク
・$SAVEによるOSバックアップの実行
・$OLFADBKによるOSバックアップデータの転送/削除 - ACOS-2ボリューム
・$SAVEによるボリューム単位のバックアップ(抽出/圧縮)
・$OLFADBKによるボリューム単位のバックアップファイルの転送/削除

強化機能(4):バックアップファイル内のファイル一覧情報の参照機能
ボリューム単位のバックアップファイルにおいて、バックアップ時にボリュームに含まれていたファイルの一覧情報をディスク管理ツールから参照する機能を提供します。
従来はバックアップファイル内に含まれるファイルの情報を参照したい場合、ACOS-2で$MAPVOLレポートを採取・保管しておき参照する、もしくは、ACOS-2からJCL($RESTORE ILIST)により、バックアップファイルを一度作業用ボリュームにリストアして参照する必要がありました。本機能強化により$SAVEによるバックアップ時に、対象ボリュームのファイル一覧情報($MAPVOL相当の情報)を作成して保存し、バックアップファイルと併せて管理するよう機能強化を行いました。その上で、ディスク管理ツールから、このファイル一覧情報を参照する機能を提供します。これらの機能により、バックアップファイルの中に含まれるファイルの一覧情報を簡単に確認できるようになります。
また、ファイル一覧情報ファイルはオープン環境への転送時にもバックアップファイルと併せて転送するため、オープン環境で管理しているボリューム単位のバックアップファイルに含まれるファイルを確認したい場合も、ディスク管理ツールにより直接オープン環境のファイル一覧情報を参照することで確認可能になります。
ACOS-2のファイルを削除してしまった場合や、誤って更新してしまった場合などに、バックアップファイルの中に含まれる1つのファイルをリストアしたいといった状況において、オープン環境のどのバックアップファイルに目的のファイルが存在するかを、バックアップファイルの転送を行うことなく探すことができ、リストア時の利便性を向上します。

強化機能概要
機能概要は以下のとおりです。
- OSバックアップをバックアップ連携専用ディスクへ保存
- JCLでバックアップファイルを共有フォルダへ転送
- ACOS-2終了時に、予約されたバックアップを実行
強化機能特長
- 手動操作なしでOSバックアップを採取可能
従来のOSバックアップは、システムメニューのバックアップメニューによりRDXデータカートリッジにバックアップするため、バックアップメニューの操作や、RDXデータカートリッジの挿抜など、ACOS-2設置場所での手動操作が必要でした。
今回の機能強化により、OSバックアップもJCLによる自動バックアップの予約のみで実施可能になります。また、採取したOSバックアップデータもネットワークを介して遠隔地へ転送可能になります。OSバックアップがJCLから実行可能になることで、全てのバックアップ操作がJCLから実行でき、日々の運用にシステム全体のバックアップを組み込むことが可能になります。 - FTPサーバの構築/運用管理が不要
JCLによる共有フォルダ転送をサポートしたことにより、従来は必要だったFTPサーバの構築/運用管理が不要になり、導入コスト/運用コストを低減できます。 - 静止点のバックアップが可能
これまではカストマイズモードにて行う必要があったシステムから使用されているファイルを含むボリューム(SRVやEXSD, URVなど)のバックアップを、ユーザモードで立ち上げた状態でのバックアップ予約のみで実施することができます。
自動バックアップでは、ACOS-2終了時の静止点を確保したバックアップを行うことができるため、ACOS-2のすべてのファイルを、リストア後に復旧の必要がないバックアップデータとして、これまでより簡単に採取可能になります。
強化機能導入効果
- BC/DRに対応したバックアップ運用の運用性向上
ACOS-2システムの自動運転を行い、自動バックアップを運用に組み込むことで、手動操作することなく、ACOS-2のすべてのデータのバックアップを静止点を確保した状態で行っていただけます。また、バックアップしたデータを共有フォルダへ転送することで、BC/DR対応として必要なデータをまとめて遠隔地にバックアップできます。
万一、ACOS-2が被災した場合や、ディスクの障害、重要なファイルが壊れた場合などに、ACOS-2を早急に復旧するために必要なバックアップをこれまで以上に効率的に実現できます。 - ACOS-2被災時/障害発生時の早期復旧
ACOS-2システムが被災した場合などにリストア/復旧するための機能も拡充しています。 ファイルを誤って削除/更新してしまった際に、バックアップファイルの中から目的のファイルを探す場合の利便性の向上を行っているため、復旧までにかかる時間を短縮できます。また、OSバックアップも運用に組み込んだ形で実施できるため、定期バックアップも容易に行えます。頻繁にバックアップを行えるようになり、従来よりも直近の状態へ復元可能になるため、業務復旧までの期間が短くなります。万一ACOS-2被災時にWindowsを起動できない状態となった場合であっても、今回の強化により共有フォルダ上のOSバックアップデータを直接使用して復元可能になるため、ACOS-2を早期に復旧できます。
強化機能適用リリース
ACOS-2/MP R12.1以降で利用可能
強化機能適用例:自動バックアップの適用(1)
自動バックアップの適用例です。
ACOS-2の業務運用が終了した後にACOS-2ボリュームのバックアップを実行し、バックアップ終了後に「.APC」による自動電源切断を行う運用を行っている場合、バックアップ実行を行っているJCLに予約用パラメータ(AUTO=SET)を追加するだけで、自動バックアップの適用が可能です。

自動バックアップを適用することで、従来の運用では手動操作により行う必要があったシステム資産のバックアップを、JCLのみで実施できるようになります。また、従来はACOS-2稼働中にSHR=FORCEパラメータをつけて強制バックアップを行っていたACOS-2ボリュームについても、ACOS-2終了時の静止点を確保したバックアップを行えます。
システムの運用サイクルに組み込んだ形で、ACOS-2のシステム資産とユーザ資産がバックアップできるようになり、万一の被災に備えたBC/DR対応を容易に行っていただけます。

強化機能適用例:自動バックアップの適用(2)
自動バックアップの2つ目の適用例です。
自動バックアップを適用するためには、「.APC」による自動電源切断を運用に組み込む必要がありますが、抽出/圧縮/転送のすべてを自動バックアップで行う場合、業務停止をしている時間が長くなります。自動バックアップは、自動電源切断実行後の電源OFF処理の中で行われますが、その後の電源ON時刻までに終了する必要があります。
そのため、自動バックアップを適用する場合、自動電源切断開始から電源ONの間に、予約したバックアップ/転送を行うために必要な時間が確保されている必要があります。自動バックアップの予約数が多く実行時間が長くなると、業務を停止する時間も長くなってしまいます。自動バックアップで行う必要のない処理を業務運用中に行うことで、業務停止時間をなるべく短く抑えつつ、自動バックアップを適用することも可能です。
たとえば、静止点の確保を行いたいボリュームのみ自動バックアップの対象とすることや、自動バックアップでは抽出のみ実施し、業務運用中に圧縮/転送を行う等です。圧縮/転送処理は、業務運用中であっても実施可能です。なお、圧縮/転送処理は、Windows側のリソースを使用して行うため、ACOS-2側で行っている業務に大きな影響はありませんが、なるべく業務の少ない時間帯に行っていただいたほうがより影響がでる可能性を少なくできます。
また、ACOS-2起動後に、自動バックアップの実行結果の確認を入れることも可能です。 ICLAUTOなどで実行結果を確認するJCLを実行するように設定しておき、JCLの結果から成功の場合は圧縮/転送を実施、失敗の場合はメッセージ出力を行うなどの運用もできます。
なお、自動運転にて電源ON時刻を設定している場合は、自動バックアップよりも電源ON時刻が優先されます。そのため、電源ON時刻までに自動バックアップが終了しなかったときは、自動バックアップは強制終了されます。
