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印刷エミュレーションの設定方法

印刷物の色味をディスプレイ上に再現する

一般に、ディスプレイで再現できる色の範囲とプリンターで再現できる色の範囲は同一でなく、色の傾向も異なります。
「印刷エミュレーション」機能は、お手持ちのプリンターなどの色をディスプレイ上に手軽に再現する機能です。 これにより印刷後の色のイメージを、印刷前にディスプレイで確認することができます。

主な使用シーン

印刷イメージを画面上で表示したい

  • 写真などを印刷する前に印刷後の色のイメージをディスプレイ上で確認し、必要により写真の色味の調整などを行う。
  • より精度の高いICCプロファイルを用意し、ソフトプルーフに活用する。

印刷エミュレーションを設定する

ここでは、お手持ちのプリンターで印刷される色の設定を、Picture Modeの3番目に登録してみましょう。あらかじめプリンターのドライバーをお使いのPC / Macにインストールしてから設定を始めてください。

この手順ではお使いのプリンター、用紙に応じて印刷される色のイメージをディスプレイ上に表示する設定を解説します。一般に、紙に印刷された色は周囲の照明(環境光)の影響を大きく受けます。より良い結果を得るためには、紙を見る周辺の環境光を整えることが大切です。

1. MultiProfiler®を起動し、保存したいPicture Modeの場所を選択します。
(ここでは3番目)

2.“カスタム設定”ボタンを押し、カスタマイズ を選択し、”Next”を押します。

3. 印刷エミュレーション を選択し、”Next”を押します。

4. 印刷するプリンター、用紙などに合わせたICCプロファイルを選択し、”Next”を押します。
この画面にはお使いのOSに設定されているICCプロファイルが表示されます。 適したICCプロファイルが一覧にない場合は、参照ボタンを押して任意の場所にあるICCプロファイルを選択することができます。

Tips!■ ICCプロファイルとは、ディスプレイやプリンターなどの個々のデバイスが持つ、色の情報などが記載されたファイルです。「印刷エミュレーション機能」は、プリンターのICCプロファイルを読込み、そのプロファイルが持つ色の情報を元に、印刷イメージをディスプレイ上に表示する機能です。

■ プリンターのICCプロファイルは一般的にプリンターのメーカー、機種、用紙の種類ごとに異なります。”プロファイルの記述”や”プロファイル名”を参考に、適したプロファイルを選択してください。

5. 以下を参考に、色の変換方法に関する各設定を行い、”Next”を押します。

1一般的な写真の場合、「相対的」か「知覚的」が適します。 お好みの設定をお試しください。


2チェックすると紙白をICCプロファイルに記載された色で表示します。
通常はチェックしないままで構いません。設定後に紙の色が合わない場合、チェックを入れてお試しください。
3表示する画像データに合わせて選択してください。
一般的なコンパクトデジタルカメラでは”sRGB”が適しています。
4色変換に使用するCMM (カラーマネージメントモジュール)を選択します。
チェックするとAdobe® CMMを使用し、チェックしない場合はOS標準のCMMを使用します。 Adobe®社製のアプリケーションによる変換イメージに近づけたい場合や、OS間で同じ色味を再現したい場合、チェックすることをお勧めします。

  • Adobe® CMMを使用する場合、事前にインストールが必要です。

6. 以下を参考に白色点(紙白)に関する設定を行い、”Next”を押します。
ここでは、ディスプレイの白と紙の色(紙白)が合うように、微調節を行います。

1環境光に合わせた設定を行います。 蛍光灯の場合、一般に昼白色ので5000K程度、昼光色の6500K程度になります。近い数値を選択後、必要に応じて右の画面内で微調節を行ってください。
2お使いの環境で正確な紙白の色が分かる場合、数値入力することもできます。

3マウスで青いハンドルを動かすことにより、白色点の微調節ができます。 お使いの紙を、実際に見る時の場所に置き、ディスプレイの白と合うように調節してください。

Tips!「印刷エミュレーション」はプロファイルに記載された色をディスプレイ上に正確に表示する機能ですが、実際に紙と比較する場合には紙の色が環境光の影響を大きく受けるため、環境光を正確に整える必要があります。しかし、理想的な環境光を用意することは簡単ではないため、MultiProfiler®では、この画面で手軽に微調整を行えるようになっています。

7. ディスプレイ内に設定を保存します。
任意の場所を選び、プリンターの名称など分かりやすい名前を付けて”Next”を押します。ディスプレイへの保存が終わるまで、しばらくお待ちください。  
ここで入力した名前は、MultiProfiler®やOSDの表示に使われるため、保存した設定を識別しやすくなります。半角英数字13文字まで設定できます。

Tips!■保存は5種類まで可能です。選択した場所に既にカスタム設定が登録されている場合には上書きされます。Picture Modeには、プリセットや保存したカスタム設定の中からお好みの5種類を登録することができます。

■SpectraView® IIでキャリブレーションを行う場合、その結果はカスタム設定3に保存されます。そのためMultiProfiler®とSpectraView® IIを併用する場合は、ここではカスタム設定3以外に保存してください。

8. 輝度と黒レベルを調節し、”完了”を押します。
白色点の調節と同様に、紙を見る環境で紙の明るさとディスプレイの明るさが近くなるように設定します。

Ambient Light Comp:通常はチェックを外します。ディスプレイ周囲の明るさが大きく変わる場合にチェックを入れてください。

9. 印刷エミュレーションの設定が、Picture Modeの3番目に登録されました。

Tips!「印刷エミュレーション」機能によるマッチングの精度は、主にICCプロファイルの作成方法・精度や、紙を見る環境光に依存します。プリンターのドライバーなどに含まれるICCプロファイルは、一般にそのプリンターの代表的な色が設定されていることが多いため、必ずしも高精度なマッチングが行えない場合があります。その場合は、プリンターメーカーや外部センサーメーカーが提供しているプロファイル作成ツールなどで個別に作成したプロファイルを使用することで、より精度の高いマッチングが行えます。