Japan
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コラム
グローバル事業のさらなる拡大にむけて
これからのグローバルPLMに考慮すべきポイントとは?
グローバルでの事業拡大が大きな命題となっている製造業企業において、開発プロセスの改革は最重要課題の1つにあげられます。多くの製造業が、プロダクト・アウトからマーケット・インへの変革を目指し、ローカライズのために企画や設計段階からの海外シフトを促進しています。このようなグローバル化の流れを背景に、製品情報共有基盤としてのPLMの重要性はさらに高まっています。
これまでのコラムでは、開発プロセス改革を成功させるグローバルPLMシステムの要件として、「組織の壁を越えた協調設計を実現するための統合BOM」、「市場変化にフレキシブルに対応するための業務プロセスやコード体系の標準化」、「新興国で売れる製品を作りこむための企画BOM」、「ITコストのミニマム化と全体最適実現のためのトップダウン改革の手順」などを解説してきました。
今回コラムでは、グローバル事業拡大に必要なPLMシステムの要件として、他にもまだある考慮すべきポイントについてまとめます。
企業に深刻なダメージを与える技術情報の漏えい
グローバルで事業展開する際の課題として、自社技術の漏えい対策を掲げる企業が非常に増えています。従業員の離職に伴う技術流出や機密データの漏えいなど、自社技術の内部からの漏えい対策に多くの企業が細心の注意を払っています。
図面や仕様書を紙で管理・運用していた時代と異なり、現在は電子データでの管理・運用が中心です。電子データの場合は、流出が分かりづらいことに加えて、一度に大量のデータを流出するリスクが非常に高くなります。特に、データベースを活用してデータを集中管理するシステムの場合、導入フェーズでセキュリティ対策を十分に検討する必要があります。さらに、図面や仕様書、レシピなど製造業の知的財産を扱うPLMにおいては、製品技術情報の漏えい対策は、最も慎重に考慮しなければならないポイントと言えます。
PLMを利用してグローバルで技術情報共有をする場合、利用者はデータベースサーバからクライアントPCに機密データを取り出して編集することになります。このクライアントPCに取り出した機密データを社内の悪意ある利用者が、USBへコピー、プリンタへ印刷、電子メールへ添付などの方法を使って、社外に持ち出そうとするのを防ぐ必要があります。社内からの情報流出対策を含めたセキュリティ対策を向上させてこそ、PLMを活用したグローバルでの情報共有が実現できるのです。
さらに、昨今は企業の機密データを狙った外部からの標的型攻撃やランサムウエアによるサイバーテロ攻撃が増加傾向にあり、従来の社内での対策に加えて、SCMやエコシステムに関わるベンダーや社外パートナとの間のセキュリティ強化も必要になっています。