コラム

グローバルPLM vol2:検討から導入までの道のり

全体最適を目指すグローバルPLM構築の実現ステップ
過去に構築したIT資産がボトルネック?!

全体最適を目指すグローバルPLM構築の実現ステップ  過去に構築したIT資産がボトルネック?!

製造業がグローバル競争を勝ち抜くには、新商品開発プロセスを柔軟に進化させる能力、開発プロセスの進化に合わせたITインフラの構築能力、そして、開発プロセスやITインフラをガバナンスする導入方法論、が重要になってきます。しかし、多くの企業で、事業体毎にCADやPLMを選定し個別最適を進めた結果、1つの企業内に複数のCADツールやPLMパッケージが混在し、現在のように急速に変化するビジネス環境に合わせて、業務プロセスとITインフラを俊敏に変化・適応させていくことが、非常に難しい状況になっています。

では、どのように、全体最適、グローバルでの製品開発プロセス改革を進めていけばよいのでしょうか?

現状改善型ではなく、トップダウンで

現状改善型ではなく、トップダウンで

最近は、企業成長や経営の効率化のために事業再構築され、それまで別企業や別事業部門であった製品開発組織が、統合・再編成されるケースが増えています。しかし、組織としては統合されても、部品のコード体系や開発プロセス、ITシステムは従来のままで、人の介在でなんとか対応しているのが現状です。

特に開発/設計領域のシステム導入は、現場主体で意思決定される場合が多く、部門や拠点別にCADツールやPLMシステムを導入するといったボトムアップ的な意思決定が多かったのではないでしょうか?(少なくとも日本市場では多かったように思います。)
しかし、現在のような事業環境や市場が急速に変化するビジネス環境下では、ITシステムへの投資目的も大きく変ってきています。以前の部門最適の業務効率化から、現在では、全社レベルでビジネスモデルを大きく変革することが投資の目的となっています。
全社レベルでのビジネスモデル変革の実現には、「現状改善型」のアプローチではなく、あるべき姿の実現に向けた「トップダウン」の改革アプローチが必要になります。
過去に個別最適で構築したITシステムやコード体系、業務プロセスが足かせとなり、改革を容易には実行できない状況だからこそ、あるべき姿と現状のギャップをあらためて認識し、現状の制約を踏まえて、企業としての進むべき道を探る必要があるのです。