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OSS貢献活動Kubernetes Dashboard 最新情報 (KubeCon+CloudNativeCon Europe 2022)
2022年5月16日(月)〜20日(金)に開催された「KubeCon+CloudNativeCon Europe 2022」において、NECソリューションイノベータの武藤 周が、Kubermatic GmbH の Sebastian Florek 氏、Marcin Maciaszczyk 氏と共同で「SIG UI Introduction and Updates」と題した発表を行い、SIG UI Chairとして Kubernetes Dashboard の紹介と今後の開発方針について講演を行いました。
KubeCon+CloudNativeCon は、Kubernetes をはじめとした CNCF がホストするオープンソースや各社サービスなど、多彩なクラウド・ネイティブ技術領域をカバーする重要なカンファレンスです。スペインのバレンシアで開催された今大会では、7,000名以上の現地参加者と10,000名以上のリモート参加者が参加し、コロナ禍以前と同等の現地の盛り上がりに加えて、コロナ禍で実現したリモート参加も継続され、さらなる活況を呈しています。
本講演では、Kubernetes Dashboardの概要やアーキテクチャー、国際化などの現状や今後の開発予定を紹介し、50名以上の参加者がありました。
タイトル:「Kubernetes SIG UI Introduction and Updates」
講演動画:YouTube - https://youtu.be/3IC7_2Zj1fg
Kubernetes Dashboad の概要
Kubernetes Dashboard は、Kubernetes のリソースを管理するための汎用の Web UI で、5億以上のダウンロードがあるオープンソースソフトウェアです。ソースコードは GitHub 上のリポジトリで管理されており、2022年5月現在、バージョン 2.5.1 で Kubernetes v1.23.6をサポートしています。v1.24.0 のサポート提案も既に行われており、追って新しいバージョンがリリースされる見込です。
国際化について
エンドユーザーのエクスペリエンスにとって、母国語での表示は重要です。Kubernetes Dashboard では、現在9つのロケールをサポートしています。また、各国語に対応するためのフレームワークを用意しており、翻訳を追加したいコントリビューターが翻訳チームを組織して、翻訳作業を独自に進めることができるようになっています。
今後の開発予定
現在のアーキテクチャーは、Web サーバーと API サーバーが一つのコンテナとしてパッケージングされています。
この2つのコンポーネントを別々のコンテナに分離し、スケーラビリティの改善と大規模なクラスタでの性能問題の解決に取り組み始めました。また、Web UI に適用するテーマをカスタムできるようにする予定です。最大の変更予定は、API のマイクロサービス化です。Kubernetes Dashboard には、認証やクラスター設定、メトリクス取得、Kubernetes API アクセスなど、様々な API がありますが、これらを開発、管理しやすいように、分離することを予定しています。その後、それぞれのマイクロサービスの機能拡張(OpenID Connect対応など)を行う予定です。
講演者
武藤 周 (Shu Muto)
NECソリューションイノベータ (NEC Solution Innovators, Ltd.)
クラウドコンピューティングを支える最も重要な OSS の一つである Kubernetes 、その開発者5万人以上が参加するコミュニティで日本人として初の SIG Chair ( SIG UI Chair ) を務め、Kubernetes Dashboard の開発をリードしています。(2022年5月時点の情報)