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OSS貢献活動Open Infrastructure Summit Vancouver 2023 報告
サミット概要
22 回目となる Open Infrastructure Summit (旧 OpenStack Summit) が、カナダのバンクーバーで2023年6月13日~15日にかけて開催されました。Open Infrastructure Summit は、Open Infrastructure Foundation が主催するイベントで、オープンソースインフラを構築、運用する人々が直接意見交換を行う場で、Linux、OpenStack、Kubernetes、Ceph など幅広いテクノロジーを扱っています。今回のサミットには、世界 50 か国から 350 以上の組織を代表する約 700 人の参加者が集まりました。
基調講演では2つの地域ハブの設立が発表されました。
- 1. OpenInfra Europe (拠点: ベルギー)
2. OpenInfra Asia (拠点: シンガポール)
これら2つの地域ハブ設立の主な目的は以下の通りです。
・アジアとヨーロッパでオープンソースインフラを推進する
・地域の戦略的課題について議論する場を提供する
・地域のコミュニティやイベントの調整、地域からのフィードバックや現地の意見を高める
今回のサミットのすべての基調講演は Open Infra Summit Vancouver 2023 Keynotes で見ることができます。
NEC の活動
NEC はこのサミットに出席し、役員会、パネルや技術討論に参加しました。このイベントのアジェンダは 100 以上のセッションで構成されており、その中で NEC は3つのセッションを発表および司会しました。
パネルディスカッション
My Open Source Experience: Balancing Contributing Upstream with Daily Business Activities
「私のオープンソース経験: 日々の業務とアップストリームへの貢献のバランス」 のパネルでは、OpenStack コミュニティーで活躍しているコントリビューターが集まり、どうやってプロジェクトに参加したか、克服してきた課題、日々の業務と社外とのコラボレーションのバランスをどのように取ってきたか、といったオープンソースにおける経験を共有しました。
NEC は、他の3社のメンバーとともにパネリストとして参加し、オープンソースへの貢献に関する様々な面について議論しました。このパネルの参加者は以下の通りです。
・Ghanshyam Mann, Cloud Consultant, NEC
・Mohammed Naser, Chief Executive Officer, VEXXHOST
・Luis Fernandez Alvarez, Computing Engineer CERN
・Allison Randal, Principal Member of Technical Staff, Rivos Inc.
このパネルの詳しい情報は、こちらの記事を参照ください。
フォーラムセッション (セッションリード)
フォーラムセッションは、コミュニティー開発者とオペレーターが参加する技術議論の場です。NECは、2つのフォーラムセッションをリードしました。
OpenStack RBAC: updates & operators feedback
OpenStack では OpenStack API の RBAC (role-based access control) のデフォルト設定をオペレーターの要件に近いものとすることを目標として、 "Consistent and Secure RBAC" という取り組みを技術委員会中心で進めています。最初のフォーラムセッション「OpenStack RBAC: updates & operators feedback」では、このテーマに関する議論を行いました。
最初に RBAC の取り組みの最新情報が共有され、その後オペレーターからのフィードバックを集めました。大事なフィードバックのひとつは、プロジェクトレベルの読み出しロールに関するもので、すべてのプロジェクトを横断して情報を読み出せるグローバルな読み出し権限が必要というものでした。
OpenStack Technical Committee + Community Leaders
セッションリードを務めたもうひとつのフォーラムセッション「OpenStack Technical Committee + Community Leaders」は、OpenStack の技術委員会 (Technical Committee) とコミュニティーリーダーの意見交換を目的としたセッションです。
議論は技術委員会側からの最新情報の共有から始まり、OpenStack の多くのプロジェクトに影響する重要な取り組みに関する技術的議論、様々な手続き上の課題に関する議論が行われました。
最後に
全体として、このサミットはさまざまなトピックについて協力し議論するための有益なイベントでした。上記の参加以外にも、NEC メンバーはさまざまなフォーラムでの技術的および非技術的な議論にも参加しました。
執筆者
Ghanshyam Mann
NEC Corporation India Pvt. Ltd.
Ghanshyam は現在、OpenInfra/OpenStack コミュニティで複数の役割を果たしています。OpenInfra Foundation の理事会、OpenStack 技術委員会、Nova、Quality Assurance (QA) などの OpenStack プロジェクトのコア開発者を務めており、OpenStack QA プロジェクトの PTL も務めました。さらに、Open Infra ファミリーにより多くの貢献者をもたらし、First Contact SIG、Upstream Institute Trainings、メンターシップなどのさまざまなプログラムを通じてコミュニティへの参加を支援することに情熱を注いでいます。また、RESTful API、QA、クラウド バックアップ、オープンソースコミュニティの構築、オープン ソースなどのさまざまなトピックについて、OpenStack Summit、Open Infra Summit、Open Souce Summit、Open Infra Days、LinuxCon などのさまざまなオープンソースイベントで頻繁に講演を行っています。(2023年9月時点の情報)