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OSS貢献活動

Cloud Native Community Japanのご紹介と初回ミートアップの様子

2023年12月15日公開

本記事では new windowCloud Native Community Japan の概要と初回ミートアップの様子を紹介します。

CNCJの立ち上げ

new windowCloud Native Computing Foundation (以下 CNCF) の Japan Chapter としての「Cloud Native Community Japan」(以下 CNCJ) の設立は、new window2023年11月7日に CNCF より、また、new window8日に Linux Foundation より、それぞれアナウンスされました。

アナウンスでは、設立に携わったコミュニティリーダーの株式会社日立製作所 中村 雄一氏、株式会社サイバーエージェント 青山 真也氏、Apple Inc. 太田 航平氏、NECソリューションイノベータ 武藤 周から、日本とコミュニティの架け橋になるといった意気込みが語られ、富士通株式会社 山本 昌司氏、株式会社日立製作所 恒川 正浩氏、サイボウズ株式会社 武内 覚氏、DOCOMO Innovations, Inc. 秋永 和計氏といった CNCF メンバーと CNCF CTO Chris Aniszczyk 氏、Linux Foundation 日本担当 VP 福安 徳晃氏からも期待を込めた応援メッセージをいただいています。

設立のきっかけとして、クラウドネイティブ技術はまだ日本に浸透しておらず、OSS コントリビューション活動も盛んではないという現状があります。2023年9月の時点で CNCF Ambassador は、日本には一人しかおらず、KubeCon+CloudNativeCon における日本人の登壇者数は一桁しかいませんでした。またCNCFと連携している日本のコミュニティもありませんでした。そこで、CNCF や日本のコミュニティで活動している有志が集い、CNCJ を立ち上げたというのが経緯になります。NECソリューションイノベータの武藤と解も設立メンバーとして参加しています。

CNCJ は、ベンダ中立な場として、CNCF のアップストリームと日本のコミュニティ・企業・団体を繋ぎ、日本における CNCF およびクラウドネイティブの普及促進を図ると共に、日本からのクラウドネイティブにおける OSS コントリビューションおよび技術革新を促すことを目的として、活動していきます。

発足を記念した初回ミートアップ

そして2023年12月1日に、CNCJ 発足を記念しキックオフミートアップが渋谷スクランブルスクエアにある株式会社サイバーエージェントのセミナールームにて開催されました。来場者は約140人で満席となり、かなりの盛況でした。

スペシャルゲストとして、CNCF の CTO である Chris Aniszczyk 氏を基調講演にお招きし、日本におけるクラウドネイティブ技術利活用とコントリビューション活動の現状、将来に対する予測と期待について語っていただきました。また過去のプロジェクトを振り返って、2017年に new windowWebAssembly が盛んになり、その後サーバレス (new windowKnative)、軽量 Kubernetes (new windowk3s)、オブザーバビリティ (new windowOpenTelemetry)、new windoweBPF といった世界を変えるプロジェクトが次々と登場され、未来は期待できるという話もありました。

また、NECソリューションイノベータ 武藤と解もコントリビューション活動の動機づけと始め方について語りました。OSS 技術の活用だけでなく、コミュニティに参加してより多くの技術者と交流したり、オープンな環境での開発方法などを身に着けたりすることこそ醍醐味であるという話をしました。このセッションで new windowKubernetes Upstream Training という、コントリビューション活動をハンズオン形式で体験できるイベントも紹介しました。

他のセッションでは、new windowSIG-Docs の日本語翻訳がまだまだ足りていないということも言及されています。英語ドキュメントが計1465件あるのに対し、日本語ドキュメントは364件しかないのが現状です。コントリビュータとレビューアが足りていない中、積極的に貢献しようと呼びかけています。new windowCNCF Glossary Japanese Project の日本語翻訳もコントリビュータを募集中とのことです。

セッションが完了した後の懇親会では、今回のイベントをきっかけにしてコントリビューション活動を始めたいという声を多くいただき、手応えを感じる活動になったと思いました。

次回のミートアップについて詳細はまだ決まっていませんが、決まり次第、new windowホームページに情報を展開いたしますので、ぜひご確認いただければ幸いです。

Kubernetes Uptream Training も CNCJ の活動の中で開催される予定なので、コントリビューション活動を始めたい方はぜひ参加してみてください。講師も募集中ですので、ご興味のある方はぜひお気軽にお声をかけていただければと思います。

CNCJ Kickoff

ミートアップの様子
出典:new windowCNCF CTO Chris Aniszczyk さん Twitter
※Chris 氏に画像の利用許可を頂いております。

執筆者

武藤 周 (Shu Muto)
NECソリューションイノベータ (NEC Solution Innovators, Ltd.)

クラウドコンピューティングを支える最も重要な OSS の一つである Kubernetes 、その開発者5万人以上が参加するコミュニティで日本人として初の SIG Chair ( SIG UI Chair ) を務め、Kubernetes Dashboard の開発をリードしています。また、CNCF Ambassador、および CNCF の Japan Chapter である Cloud Native Community Japan の運営メンバを務めています。(2023年12月時点の情報)

Muto shu

解 紫圯(XIE ZIYI)
NECソリューションイノベータ (NEC Solution Innovators, Ltd.)

CNCF の Japan Chapter である Cloud Native Community Japan の運営メンバ、および Kubernetes Upstream Training の講師を務めています。Kubernetes コミュニティにおいては、ストレージ領域の開発 (SIG-Storage)、また Kubernetes 公式ドキュメントの更新や翻訳作業 (SIG-Docs)に参加しています。(2023年12月時点の情報)

XIE ZIYI