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Case2 自動車部品メーカーの物体指紋技術を活用した生産性向上の秘策とは?

課題

自動車部品メーカーであるY社は、自動車完成車メーカーに対し自動車部品を提供しています。自社部品の需要が増加しており、工場内の生産性を改善する必要がありました。

増加する需要に答えたい

Y社の生産する自動車部品は年々需要が増加しており、今後も生産量の拡大が見込まれます。Y社の工場責任者であるB氏は拡大する需要に対し、いずれ供給が追い付かなくなる課題に直面していました。
「正直、現在の工場だけでは生産がとても追い付きません。一時期は新工場設立の話もありましたが、結局、コストとリスクの兼ね合いでその話も無くなり、上からは”現在の工場の生産性を上げることで解決しろ”と言われてしまいました」(B氏)

課題は歩留まり率の低さ

現在生産を行っている工場も生産性は完璧とは言えませんでした。Y社の自動車部品の生産工程では、歩留まり率(投入量から期待される生産量に対し、実際に得られた生産量の比率)が低いという課題に直面していました。Y社の場合、様々な部品を組み立てることで1つの製品になります。部品を組み合わせる際、それぞれの部品自体は合格品でも、生産ロットごとに生まれた差異によって、実際に組み立てると同じ部品であっても(長さ・重さ・形・バランス等が原因となり)不良品となってしまうことがありました。熟練労働者の手により多少は軽減されているものの、直行率(すべての検査に1発で合格した比率)は5割以下の水準でした。どの部品同士を組み合わせれば良品になるのか、B氏は個々の部品を計測し、個体情報を管理することでこれを実現しようと考えましたが、部品があまりにも小さく、RFIDタグの貼り付けやマトリックスコードをレーザープリントすることもできないため、計測した情報を個体に紐づけることができませんでした。

課題サマリ

  • 組立製品の直行率が5割以下
  • 極小部品のためタグの貼り付けや刻印が不可能