サイト内の現在位置を表示しています。

環境課題に関するダイアログ

気候変動を核とした環境課題への対応

気候変動を核とした環境課題への対応を持続的な成長実現の鍵としていくために必要なことは何か、有識者との対話の中から、「環境課題を経営課題と捉えること」「トップのリーダーシップと継承のためのガバナンスが重要」「情報発信・共有をしっかり行う」「ESGの面からも人材育成を進める」など、今後の課題が明確になりました。

環境は経営そのもの、千載一遇のチャンス

対話冒頭に、ファシリテータのピーダーセン氏より、気候変動を含む世の中の環境に関する最新動向について紹介いただき、三氏から企業が目指すべき方向性を語っていただきました。

ピーダーセン氏 ESGは健全な事業成長に直結するものであり、環境を事業業績に“Trade on”するマインドセットが必要。NECは、CDPやTCFDなどの気候変動対策をイノベーションドライバとして活用する先駆者を目指すべきではないか。

今村氏 企業価値は将来キャッシュフローの現在価値であり、ESGを単なる取り組みだけにとどめず、一連の非財務活動をいかに財務情報化していくかが課題。非財務情報は将来の財務情報であり、連続性があるものとして考えるべき。この文脈で、投資家が一番注目しているのはガバナンス。EやSの活動に関して、将来にわたりきちんと取り組まれるかはガバナンスの仕組みがしっかりできているかによる。

河口氏 気候変動に重点を置いているが、サーキュラーエコノミーなど、気候変動以外の動向も結びつけて考える必要がある。例えば、使い捨てプラスチックがなくなると、包装の考え方から物流までのシステムに大転換が迫られる可能性があるが、そのときにどのような影響があるか。また、エネルギー対策を考える際には、資源制約まで考慮しないと具体性がない。

気候変動対策の方向性を示しコミットすること

NECの環境経営の取り組みを環境担当役員である清水執行役員兼CSCOより説明し、NECが世界で環境面で貢献している具体的な事例についてグローバルBUの室岡理事より説明した上で、今後の活動における課題をテーマに対話しました。

今村氏 NECは、機関投資家の視点で見ても十分に活動している。ただし、2050年の活動指針の図は受け身に映る。ビジネスを目指すという意気込みを示すべき。この指針に沿って、どう資源配分していくのか会社としてのコミットメントを示してほしい。現経営陣がバックキャスティングの発想で未来にコミットし、次世代の経営陣へ承継する枠組みを構築できるかが鍵となってくる。

河口氏 漏れなく取り組まれているが、きれいに整理されすぎて迫ってくるものがない。泥臭い部分も見せた方がいい。活動事例は素晴らしい内容なのでもっと発信すべき。社内にも周知すれば社員のモチベーションにつながる。また、環境は経営のど真ん中にあるべき課題で会社のビジョンとしてもおかしくない。気候変動対策で目指す方向を大きなビジョンとして描き、会社としてコミットすることが重要だ。

室岡 グローバルで社会価値創造を進める中、気候変動対策でいくつか成果につなげることができた。
ただ、テーマが大きくすぐに売り上げにつながらないので、トップのリーダシップや情報発信による仲間づくりが大事だと実感している。

清水 2050年の指針を発表した時と経営の状況も変わっている。社内アンケートでは社員の96%が積極的な気候変動対策に肯定的。具体的な方向性やコミットを示すことで、気候変動対策分野での価値創造を促進していきたい。

事業をESGで語れる人材育成を

今村氏 これからIRが企業価値を高める強力な武器になる。多くの日本企業は組織が縦割りで、全体を語れる人がいない。足元の業績に加え、投資家に将来価値を認めさせることが差別化となる。それが投資資金の呼び込みに繋がる。ESGを戦略的にアピールできる人財が必要。

河口氏 ボトムアップで新しい気候変動ビジネスを考えるチームを作るといい。そういう取り組みはモチベーションになり、本来業務の中でも常に気候変動を意識するようになる。

ピーダーセン氏 サステナビリティオフィサーを設置し、IRの際にESGを事業に“Trade on”して語る企業も出始めている。まず、既存事業を気候変動視点でマッピングして共有するところから始めるのがいい。

森田 環境、サステナビリティ、IR、広報、マーケティングなど、各組織が連携して取り組んでいるものの、組織が違うことで、面での活動になりきれていないところもある。大きな方向性・ビジョンへのコミット、トップのリーダーシップやそれを継承するガバナンス、そして人材育成に至るまでサジェッションいただいた。気候変動対策を事業成長へつなげるためにどうすべきか、引き続き検討していきたい。