サイト内の現在位置を表示しています。

NEC Safer Citiesに関するダイアログ

「NEC Safer Cities」が生み出す社会価値

「2020中期経営計画」の成長領域の1つである「NEC Safer Cities」が生み出す社会価値とは何かや、その価値をどのように測るかをテーマに有識者のみなさまからご意見を伺いました。
「買収をとおして取り入れた異文化は多様性や社会受容性の理解深耕につながり、NECの強みにもなる」「saferにhumanenessの担保、livabilityの確保といった人権の考え方が含まれるのであれば、NECが創出する社会価値は一段高いレベルになる」「非財務指標を定量化できればベストだが、まずは中長期に何に投資し、資産をどのように配分するかをストーリーで示してほしい」といったコメントを参考に、引き続き事業活動における社会価値とその目標の示し方を検討していきます。

幸福な社会づくりは多様な文化と社会受容性の理解から

当社は、セーフティ事業におけるグローバルカテゴリーリーダーを目指し、2018年1月に英国のNorthgate Public Services社を、2019年2月にデンマークのKMD Holding社を買収しました。

山品 私たちの事業の究極のゴールは、安全・安心・効率・公平な社会の実現をとおして、市民に対して幸福な生活を送れる環境を提供すること。これはSDGsの目標16(平和と公正をすべての人に)や11(住み続けられるまちづくりを)にも通じる。しかし事業を進めるにあたっては、ゴールの手前に進捗が測れるターゲットを設定したいと思った。そこで、幸福度と、社会の安全性や政府の電子化との相関関係を調査したところ、安全性や電子化は幸福であることの十分な条件ではないが、必要条件であることがわかった。先日KMD社で従業員とのタウンホールミーティングを行ったが、デンマークではダイバーシティがかなり進んでいることを実感した。こうした文化の成熟度も幸福度に影響するのではないかと思っている。

堀井氏 今回の買収はNECが成長を狙う領域への資金投入であり、評価できる。成功事例の横展開でシェア拡大や収益向上を実現させ、企業価値の持続的な拡大を期待している。

ピーダーセン氏 異文化の企業に対し、どのような価値観を提供することで同じ方向に向かっていけるか。これが成功の鍵である。幸福度と安全性の相関は重要な視点。日本は、技術はあるのに、人間の暮らしや幸福度に活かされていないと感じる。

永井氏 NECがグローバルな会社になろうとしていることを強く感じた。また、AIと人権やプライバシーについて議論が活発な英国に基盤を持つ企業から学ぶことも多いと思う。多様な文化や社会の受容性を理解していくことが戦略的な強みにもなる。

「生命、自由、人間の安全保障の権利」を最優先にした事業を

2019年4月、AIの社会実装や生体情報をはじめとするデータの利活用に関する事業活動を、プライバシーへの配慮や人権の尊重を最優先して推進するための指針として、「NECグループ AIと人権に関するポリシー」を発表しました。

野口 AIをはじめとした技術の進化のスピードに、プライバシーや人権といった領域での法律など社会のルール整備が追いついていない。新たな技術を活かしながら社会課題の解決に積極的に取り組み、企業価値を上げていくことを狙いにポリシーを策定した。例えば、生体認証技術はNECの核となる強みだが、社会により受容されるには、その利活用においてもプライバシーや人権が配慮される必要がある。ポリシーの検討においては、そのことも強く意識した。

ピーダーセン氏 将来都市人口の半分弱がスラムに住むと言われている中、saferの前提として、サーベイランス(監視)社会にならずにhumaneness(人間らしさ)を担保することと、都市人口の増大や気候変動による災害リスクが高まる中でlivability(生存能力)やサステナビリティを確保することが必要である。

永井氏 NECにとって、「世界人権宣言」30条項のうち第三条(すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する)が最も重要なリスクだと思う。NECの製品・サービスを通じて生命を脅かす可能性があるかないか、その影響を評価すべきだ。人権課題は技術の使われ方によって異なる視点が出てくるため定期的に見直す必要がある。影響評価の結果、こういう顧客には売らないという方針を打ち出す企業もグローバルには現れている。

堀井氏 投資家の目線も大きく変わるものではない。客先でのNEC製品の使われ方によっては企業価値の毀損要因となる可能性があり、リスクファクターとなる。

外部視点を入れた中長期のストーリーづくりが先決

榎本 非財務指標は、社会の安全・安心への貢献を実感できブランディングにも資するものにしたい。

堀井氏 長期視点の投資家としては、5年間の利益率目標より、目標達成のために資産をどの分野にどう配分していくのかというストーリーのほうが重要。また、投資家は客観的視点で競合他社との比較を行うため、NECの強みや課題点がよくわかっているはず。投資家との議論を重ねることで、課題解決の道筋が見えてくるのではないか。

ピーダーセン氏 ”What kind of business do we do”ではなく、”What kind of society do we want”を考えねばならない。NECがhumaneness(人間らしさ)やlivability(生存能力)を真剣に考えているかが見えてくると、次元が1つ上がり、ブランド価値を高めるポテンシャルにもなる。

永井氏 世の中がどう変わるかは、社会に対する価値がどうであるかということに集約される。外からの視点での軸を入れると、社会受容性にも持続可能な事業にもつながる。ただし今の考え方と大きく違うのでマインドチェンジが必要。コストの点では、リスクのプライオリティづけをし、戦略上重要なリスクに特に集中するべきだ。