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株式会社JR東日本情報システム

システム監視業務・オペレーションの無人化を見据え、
鉄道をはじめとする社会インフラを担うシステム監視通報業務を自動化

業種:
  • 情報サービス業
  • 金融機関
業務:
  • ICT管理・運用
  • 保守・サービス
製品:
  • ソフトウェア/運用管理
  • その他
ソリューション・サービス:
  • クラウド
  • IoT
  • サービス/アウトソーシング

事例の概要

課題背景

  • システム運用部門の高齢化や要員減少が進むなか、将来的なシステム監視業務・オペレーションの無人化を見据えた生産性向上とリソース確保が必要
  • 監視オペレータからシステム担当者への人手による電話通報業務は非効率的であるのに加えて、通報遅れや漏れ、電話のかけ間違えなどのリスクがある
  • 休日や夜間帯における電話のコミュニケーションは、監視オペレータとシステム担当者の双方にとってストレスや心理的な負担が大きい

成果

自動電話通報でシステム監視通報業務を効率化

監視オペレータによるアラートの目視確認から100通り以上にもなる連絡先への電話通報を自動化することで運用負荷を低減し、生産的な業務へのリソースシフトを実現

通報の遅れや漏れ、電話のかけ間違いリスクを根絶

自動化により通報時間を従来の5分の1以下に短縮。連続してアラートが発生した場合でも、通報漏れや電話のかけ間違いをゼロに

監視オペレータとシステム担当者ともにストレスや心的負担が軽減

自動音声通報に切り替えることで、休日や夜間帯における監視オペレータとシステム担当者間の電話によるコミュニケーションストレスを解消

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事例の詳細

導入前の背景や課題

株式会社JR東日本情報システム
中央指令室
室長
酒井 博 氏

監視オペレータによる監視通報業務は、非効率的かつ通報遅れや漏れのリスクあり

株式会社JR東日本情報システム様(以下、JEIS様)は、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)様から情報システム部門が独立して1989年に設立され、現在では、200を超えるシステムやサービスを開発・提供しています。JEIS様の中央指令室は、それらシステムの監視運用をはじめ、インシデント発生時の情報発信を行う管理業務が主体の部署となります。高齢化や要員減少が進むなか、将来的なシステム監視業務・オペレーションの無人化を見据えた生産性向上とリソース確保を中長期的な課題としています。その施策の1つとして取り組まれたのが、監視通報業務の自動化です。

中央指令室は、約80名体制であり、うち監視オペレータ約20名が24時間365日体制で勤務しています。監視オペレータはアラートを検知すると目視で確認し、ガイドラインに則り100通り以上にもなるシステム担当者の緊急連絡先を調べ、人手による電話通報を行っています。メールによる自動通知だけでは見落としや遅延などのリスクがあるため、システム担当者に電話することで確実にエスカレーションする運用を重視しています。しかし、人手による電話通報にはさまざまな課題がありました。

「休日や夜間には、なかなか電話がつながらない事象はもちろん、つながらないことによる伝達の遅延や通報漏れ、電話のかけ間違いなどの問題も生じていました」と中央指令室 室長の酒井博氏は語ります。

株式会社JR東日本情報システム
中央指令室
サポートセンターグループ
上級エキスパート
斎 智浩 氏

「特に休日や夜間などの電話は、監視オペレータとシステム担当者の双方で心理的な負荷が高く、何度も電話をかけ直す負担から、オペレータの他の業務が滞って非効率的でした」と、中央指令室サポートセンターグループ 上級エキスパートの斎智浩氏は当時を振り返ります。

インシデントが発生した場合、迅速な対応で障害箇所を修復するのが鉄則ですが、アラートが連続して発生した場合には電話通報の遅れや通報漏れが監視業務における大きな課題となっていました。

これらの課題を解決すべく、JEIS様では監視オペレータによる人手による電話通報からの脱却を検討し始めました。

選択のポイント

株式会社JR東日本情報システム
中央指令室
サポートセンターグループ
マネージャー
栗谷 良幸 氏

監視オペレータよりも速く的確な通報と、運用部門主導での改善に取り組める点が決め手

JEIS様は、NECのWebSAM Automatic Message Call (以下、AMC)に早くから着目し、自分たちの求める機能・品質・サービスレベルを満たせるかを確認すべく、2021年10月から2022年2月までの5カ月間にわたり徹底的に検証を行いました。検証の結果、課題だった通報の遅延や漏れもなく、人手より速く正確な自動電話通報が実現可能であることが確認できました。また、中央指令室には開発部門が構築した監視システムがすでに整備されているため、通報自動化に向けてこれらの仕組みを改変する余地はなかったが、AMCは既存の監視システムに影響を与えることなく運用部門主導で改善に取り組めるという点も採用の決め手となりました。

「検証を通じて課題が十分にクリアできることがわかると同時に、私たちが目指す運用を自動化するためにはAMCが最適だという確信が持てたので、導入を決断しました」と、中央指令室サポートセンターグループ マネージャーの栗谷良幸氏は経緯を語ります。本番運用への適用に向けた新たな課題については、毎月行われるAMCの機能アップデートにより素早くクリアできたため、当初の予定通りサービスインすることができました。

「わがままな要望もあったと思いますが、それを汲みとっていただきながらAMCをより便利で使いやすく改善いただきました。NECとは長年のお付き合いがあり、非常に信頼性が高く心強いサポートを受けられたと思います」(酒井氏)

株式会社JR東日本情報システム
中央指令室
サポートセンターグループ
シニアエンジニア
倉田 哲三 氏

また、本番運用開始に向けた設計/設定フェーズにおいては、自動電話通報の適用先システム数の増加に比例してAMCの設定ボリュームも増加するという課題もありました。

「NECへサービス改善を要望するとタイムリーに機能のアップデートをしていただけたため、設定作業の負荷が大きく軽減されました。これからAMCを適用するシステムが拡大していくうえでは、たいへん有効だと感じています」と中央指令室サポートセンターグループ シニアエンジニアの倉田哲三氏は語ります。

こうして、鉄道の運輸業務や収入業務、また事業のバックヤード業務など約30システムにAMCを導入し、2022年10月に本番運用を開始しました。

導入後の成果

システム監視通報業務の効率化に加えて、エスカレーション時間を従来の5分の1に短縮

鉄道という重要な社会インフラを担うシステムには、数多くの監視要件があります。AMCの的確なフィルタリングにより、重要アラートのみが重複することなく自動電話通報で確実かつ迅速にシステム担当者に届くので、業務の効率化や迅速化を実現しました。監視オペレータによる人手の監視通報業務が丸ごと削減できたのに加えて、従来ではシステム担当者への連絡まで5分以上要していたのが、1~2分ほどに短縮できたのが大きな成果です。

また、システム監視業務の効率化だけでなく、アラート発生時にシステム担当者へ人手で電話通報をする監視オペレータの心的負担も解消されました。システム担当者が電話に応答しない場合でも、AMCがあらかじめ設定した経路へ自動で繰り返し通報を行うので、電話のかけ間違いや通報漏れの根絶はもちろん、対応遅れのリスクがなくなりました。

さらに、通報を受けるシステム担当者も自動音声による通報に変わったことにより、電話応答時にあらたまった対応を行う必要がなくなり、障害の調査に素早く注力できるという改善も大きかったといいます。

「AMCを導入して良かったと実感しているのは、監視オペレータから“いいね!”という好評の声が数多く届いているところです。電話のかけ間違いや、システム担当者につながらないという心的負担が解消された点が、非常に大きいと思います。システム担当者側も、自動電話通報なのでストレスなく対応できると好評です」(斎氏)

「自動電話だと人に気をつかう必要がなく、すみやかに障害対応に注力できるということで、監視オペレータ側とシステム担当者側の双方で心的負担が軽減できました。AMCは豊富な機能があるなか、現状は比較的シンプルな使い方しかしていないにもかかわらず、非常に大きな効果がすでに出始めています」(栗谷氏)

中央指令室で監視運用しているシステムのうち、およそ3分の1にAMCを適用しています。AMCの活用機能を広げるのに応じて適用先システムも順次拡大し、さらなる業務の自動化、省力化を予定しています。

NEC担当スタッフの声

NEC
スマートオーケストレーションサービス統括部
主任
吉村 侑祐

JEIS様は鉄道をはじめ、社会インフラを担うシステムを数多くご提供されています。AMCの機能やサービスレベルを評価いただき、このような重要なシステムの運用に活用いただけるのを嬉しく思います。今後も適用範囲拡大を一緒に進めさせていただくなかでAMCをより便利で使いやすいサービスに改善し、JEIS様のような社会インフラを担うシステムを支えている運用現場の皆様にもお役に立てるサービス提供を目指していきます。

NEC
交通ソリューション統括部
第一インテグレーショングループ
主任
白濱 貴司

JEIS様におかれましては、AMCの導入を通じてその機能性をいかに良くしていくかを真剣に考え、さまざまなご意見・ご要望をいただき非常にありがたく思います。それらのフィードバックにより、AMCのさらなる機能の拡充や研磨につながりますし、JEIS様にもより使いやすいシステムに成長すると考えます。
AMCがよりよいサービスになるよう、引き続き対応させていただきます。

お客様プロフィール

株式会社JR東日本情報システム

本社所在地 東京都新宿区大久保三丁目8番2号 新宿ガーデンタワー7F
創業年 1989年
事業内容 JR東日本およびJR東日本グループを中心に、情報処理システムの企画・提案・設計・開発・運用・保守およびコンサルティングなどの諸サービスを提供。また、ICTに関する機器などの開発・製作・販売・保守などの事業を推進し、ICT機器の設置やそれに付随する工事の請負事業も展開している。
資本金 5億円(2022年3月末現在)
売上高 704億円(2022年3月末現在)
従業員数 1,631名(2022年4月1日現在)
URL new windowhttps://www.jeis.co.jp/

株式会社JR東日本情報システム様

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(2023年2月17日)

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