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WebOTX Application Server - V7.1機能強化ポイント

2008年1月出荷のWebOTX Application Server V7.11、および2007年7月出荷のWebOTX Application Server V7.1では、主に次のような機能強化・および新製品出荷を行っています。なお、「サービスインテグレーション製品」については別ページで公開しています。

製品全般

製品名称

WebOTX V7から、「WebOTX」という名称をブランド名に位置付けました。これにより、製品名称が「WebOTX <製品名>」のように変更されます。製品名称に変更があるものについて、旧バージョンとの比較表を以下に示します。

アプリケーションサーバ
V7の新名称 V6以前の旧称
WebOTX Application Server Web Edition WebOTX Web Edition
WebOTX Application Server Standard-J Edition WebOTX Standard-J Edition
WebOTX Application Server Standard Edition WebOTX Standard Edition
WebOTX Application Server Enterprise Edition WebOTX Enterprise Edition
拡張製品
V7の新名称 V6以前の旧称
WebOTX Developer WebOTX開発環境
WebOTX Administrator WebOTX運用環境
WebOTX Cluster WebOTXクラスタ環境
WebOTX Download Server WebOTXダウンローダ
WebOTX WebAP JSP WebOTX WebAP JSP 実行環境
WebOTX WebAP JSP Developer WebOTX WebAP JSP 開発環境
WebOTX Print Kit WebOTX印刷キット

なお、WebOTX Developerは、提供する開発機能によりインストーラを2つに分けました(1つのWebOTX Developerライセンスで両方を共通に使用可能)。

  • WebOTX Developer (with Developer's Studio)
  • WebOTX Developer (for CORBA Application)
ライセンス
V7の新名称 V6以前の旧称
CU License 追加CU

サポートOSの拡大(V7.11で強化!)

V7.11で新規に1つ、V7.11で2つのOSをサポートしました。

V7.11

  • Solaris10 (SPARC)
    Sun製オペレーティングシステムの最新版をサポートします。

V7.1

  • Red Hat Enterprise Linux 4.0 (x64)
    MIRACLE LINUX V4.0 (x64)

    Linuxプラットフォームにおいて、x64 版の64ビットOSをネイティブにサポートします。

  • Windows Vista
    WebOTXの運用環境製品 (WebOTX Administrator) に対する動作対象へ Windows Vista を加えました。 さらに、クライアント側のアプリケーションが動作する環境にも、Windows Vista が利用可能です。

次世代インターネット・プロトコル、IPv6 のサポート

今後、普及が見込まれる IPv6 プロトコルを、WebOTX は運用管理とアプリケーション・ランタイムのレイヤーから対応しました。IPv6に対応することは、NGNインフラへの接続において重要なことです。WebOTX は V7.1 から新規に提供する「WebOTX SIP Application Server」と共に、通信とITとの事業融合を推進するミドルウェアを提供します。

新規の機能と拡張製品

WebOTX V7.1では、WebOTX Application Server Enterprise EditionとWebOTX Cluster製品に「Working Domain Coordinator」と呼ぶ機能を追加しました。この機能は、アプリケーション・サーバの動作状態を監視する位置で機能し、監視対象サーバ内の業務アプリケーション毎に負荷状態を情報収集します。過負荷を検知すると、負荷が少ないサーバに対して業務アプリケーションを増設させると共に、増設するサーバを負荷分散装置内の振り分けポリシーへ追加設定するなどの自律制御機能を提供します。

また、拡張製品では、「WebOTX SIP Application Server」を新しくリリースしました。この製品は、JSR 116で策定されたSIP Servet API 1.0仕様をサポートし、既存のHTTPサーブレット・モデルをベースにして RFC 3261に定義されるSIP (Session Initiation Protocol) を扱う実行環境を提供します。アプリケーション開発者は、SIP API を使って、既に幅広く利用されているHTTPサーブレットと同じ仕組みでマルチメディアIPセッションの確立や管理を行う、SIPサーブレット・コードを作成することができます。

待機系ライセンスの新設

WebOTX Application ServerのStandardとEnterprise Editionに待機系ライセンス製品を設けました。

  • WebOTX Application Server Standard Edition for Standby System
  • WebOTX Application Server Enterprise Edition for Standby System

各エディションのCUライセンスも待機系を設定しています。これらは、通常の半額で提供しています。

複数CPU・コアを搭載するマシンに対するライセンス計算方法

いくつかのWebOTX製品には、インストール対象のマシンに搭載されるCPU数に応じて追加のCUライセンスを登録するものがあります。WebOTXでは、1個のマイクロプロセッサの中に2つ以上のプロセッサを集積した、マルチコアCPUの場合は、1個のコアを1CPUとしてカウントします。

WebOTX V7では、マルチコアCPUに対してカウント方法を変更しました。

  • WebOTX Application Server Standard-J Edition
    マルチコアCPUの場合でも、1CPUとして計算します。

    Standard-J Editionでは、コア数とは関係なく、単純にプロセッサ・パッケージの個数だけでライセンス数を計算することになります。

  • その他
    WebOTX Application Server Standard/Enterprise Editionや、その他の拡張製品に該当します。

    1個のプロセッサ・パッケージに4個のコアを搭載している「クアッドコア」については、1/2として計算します。

    例えば、クアッドコアCPUを1個搭載したマシンの場合、「2 = 4 * (1/2)」となり、2CPUと見なします。なお、シングルコアとデュアルコアの搭載マシンに関しては、従来どおりの計算方法となります。

アプリケーション実行環境

CORBA通信基盤 (Object Broker)

  • Web Editionにおけるサービス起動の抑止

    JNDIサーバでは、Object Brokerの名前サーバを必要としないアクセス方式をサポートしました。その結果、Web Editionでは、Object Brokerサービスを起動する必要がなくなりました。このため、インストール時に生成されるドメインでは、Object Brokerのoadや名前サーバなどのサービスを起動しないように変更しました。これにより若干ですが資源の削減、およびドメイン起動に要する時間の短縮が図れます。

Webサーバ

  • 運用管理ツール/コマンドから定義情報の更新をサポート V7.11強化機能!

    WebOTX 統合運用管理ツール/運用管理コマンドから、Webサーバの定義情報の更新処理をサポートしました。

    これにより、Webサーバの定義情報ファイル(httpd.conf)をエディタで直接編集することなく、WebOTX 統合運用管理ツール/運用管理コマンドから、 ポート番号の変更等の Webサーバの定義情報の更新処理が可能となります。

  • Apache HTTP Server 1.3.39/2.0.61等のバンドル V7.11強化機能!

    Apache HTTP Server の最新バージョンである Apache HTTP Server 1.3.39/2.0.61、これに対応したバージョンである mod_ssl 2.8.30 (Apache 1.3.39用)/2.0.61(Apache 2.0.61用) 、およびOpenSSL ライブラリの最新バージョンである OpenSSL 0.9.8g をバンドルしています。

  • Apache 2.0 の 機能強化

    64ビットOSとなる、HP-UX(IPF)、および Linux(x64) プラットフォームにおいて、WebOTX Webサーバ 2.0 をインストール選択した場合は、インストールされる Apache 2.0 モジュールを64ビットバイナリへ変更しました。

    利用者が新しく組み込むモジュール (mod_xx など) は、64ビット用でコンパイルされている必要があります。

    その他に、IPv6 のサポートと、Apacheで提供されている各種モジュールをバンドルします。

    なお、WebOTX Webサーバ 1.3 をインストール選択したきに配置される Apache 1.3 モジュールについては、従来どおり 64ビットOSでも 32ビットバイナリがインストールされます。

Transactionサービス

  • 起動プロセス数削減による起動停止時間の短縮・メモリ使用量削減

    Transactionサービスを動作させるために起動していたプロセスの数を削減しました。1ドメインあたり最大で3プロセス削減しています。

    これによってTransactionサービスの起動時間、および停止時間を前バージョンと比べて約半分に短縮しました。また、Transactionサービス単体で消費するメモリ使用量についても前バージョンと比べて50%程度削減しています。

JNDIサービス

  • 新しいプロバイダURL形式のサポート

    Object Broker名前サーバを経由せずに直接JNDIサーバと通信するためのrmiiiop形式のプロバイダURLを新たにサポートし、運用面での簡易化を図りました。従来のcorbaname形式のURLもそのまま使用できます。

JDBCデータソース

  • JDBC4.0サポート V7.11強化機能!

    JavaSE6からサポートされたJDBC4.0を新たにサポートしました。

    JDBC4.0では、例えば、JDBCドライバ固有のI/FであったBLOG/CLOBの生成I/Fが標準化されるなどの改善が行われています。

  • データベースのバージョンアップ対応とJDBCドライバのサポート拡大 V7.11強化機能!

    次のデータベースおよびJDBCドライバのバージョンアップ対応を行いました。

    • Oracle Database 11g Release 1 (11.1.0)
    • PostgreSQL 8.2 (JDBCドライバ 8.2-506)
    • PostgreSQL 8.3 (JDBCドライバ 8.3dev-601)
    • DataDirect Connect for JDBC 3.7

    次のデータベースを新たにサポートしました。

    • Apache Derby 10.3.1.4

  • 初期接続の復旧機能

    アプリケーションプロセス起動時のJDBCコネクションの初期接続後、JDBCコネクションで障害が発生した場合に、再接続リトライを自動で行い、初期接続を復旧できるようにしました。
    また、系切り替えで偏ったJDBC接続のロードバランスの復旧等を目的として、任意のタイミングで任意の数のJDBCコネクションを接続するためのコマンドI/Fを追加しました。

  • 同一トランザクション内のマルチアカウント対応

    分散トランザクション機能(JTA)を利用する場合に、接続先のデータベースが同じでユーザアカウントが異なるJDBCコネクションを同一グローバルトランザクション内で同時に利用できるようにしました。

Webコンテナ

  • エラーごとのエラー画面カスタマイズ機能のサポート

    Webコンテナのマルチプロセス動作時に発生するエラーごとに表示する画面をカスタマイズできるようになりました。エラー画面のカスタマイズを行うことにより、障害時に利用者に対して適切な情報を提供することができます。

  • HTTPセッションのみのレプリケーションのサポート

    セッションレプリケーション時にHTTPセッションのみをレプリケーションできるようになりました。従来、レプリケーションを行うとJDBCデータソース、JMSリソースも同じ内容となってしまい、ドメインごとに異なる設定内容にできませんでした。これにより、複数のWebコンテナおよびEJBコンテナそれぞれにHTTPセッションの共有が容易にできるようになります。

Webサービス

  • JAX-WSのサポート

    JAX-RPCの後継仕様である、JAX-WS 2.0をサポートしました。あわせてJAXB 2.0、SAAJ 1.3もサポートしています。JAX-RPCではサポートされていなかったXML/HTTPバインディングや非同期通信が利用できます。

  • WS-R,WS-RMのサポート

    WS-R、WS-RMという2つの高信頼メッセージング機能をサポートしました。これにより、メッセージの欠落を回避するための再送や再送によって発生する同一メッセージの重複および送信順序と異なって到着する現象である順序の乱れの防止機能を提供します。

EJBコンテナ

  • EJBのメソッド識別情報の割り当て抑止(Standard/Enterprise Edition)

    Standard/Enterprise Editionでは、TPモニタの機能により、実行時情報を管理する目的でEJBリモートメソッドに識別情報を割り当てます。
    旧バージョンでは全リモートメソッドに対して割り当てを行っていましたが、WebOTX Application Server V7.1では割り当て範囲を制限することにより、配備時間の短縮およびメモリ使用量の削減をはかることができます。

JMS

  • JMS サーバクラスタ機能

    JMS サーバの多重化を行うための機能です。JMS クライアントの接続数や、送受信メッセージ数の増加に応じて、JMS サーバの数を増やすことが可能になります。また、Message-Driven Bean を利用するアプリケーションや、Enteprise Service Bus によるメッセージ処理の負荷分散や異常時のサービス継続を実現します。

TPモニタ

  • 重み付けオペレーション優先度制御

    重み付けラウンドロビン方式でオペレーションの優先度制御を行います。
    高い優先度のオペレーションと低い優先度のトオペレーションの両方に大量の滞留が存在している場合に、高い優先度のオペレーションを優先して処理しつつも、一定の頻度で低い優先度のオペレーションも処理を実行できます。
    より柔軟な流量制御が可能になりました。

  • オペレーション優先度の動的変更

    アプリケーションを起動したまま、オペレーション優先度設定を変更できるようになりました。
    これにより、時間帯によってオペレーション優先度を変更する、といったことが可能になります。

  • Linux版のNative POSIXスレッド対応

    V6.5以前のLinux版では、TPモニタ上で動作するプロセスがLinuxスレッドで動作していましたが、V7.1からはNative POSIXスレッドで動作するようになりました。
    V7.1で新しく対応したLinux x64版も、同様にNative POSIXスレッドで動作します。

Working Domain Coordinator

  • BIG-IP 連携機能 V7.11強化機能!

    BIG-IP のiControl API を利用して、BIG-IPのプールに対し、自動的にドメインのアドレス登録や登録解除を行う機能を提供します。これによって、簡単な設定を行うだけで、エラーが発生することなく、ドメイン上で動作させる業務の切り替えを行うことができます。

    詳細については「NECとF5ネットワークスがNGN時代のサービス基盤分野で協業を開始」のページをご参照ください。

  • 負荷監視機能

    WebOTX Application Server 上で動作する複数の異なるビジネスロジックに対する負荷の監視を行います。通常の定期監視において高負荷を検出すると、監視の間隔を縮め、高負荷時のサンプリング監視を行い、取得した負荷情報によって継続的な高負荷かどうかを判断します。

  • ビジネスロジックの切り替え機能

    負荷監視機能で高負荷なビジネスロジックを検出すると、高負荷なビジネスロジックと低負荷なビジネスロジックのドメイン単位の切り替えを自動的に行います。

  • 負荷分散制御装置(LB:ロードバランサ)の制御機能

    高負荷なビジネスロジックと低負荷なビジネスロジックの切り替え処理を行う際に、停止するドメインをLBの振り分け先から削除し、また、起動したドメインをLBの振り分け先に登録するための振り分け先制御機能を提供します。

データベースコントローラ

  • データベースのライフサイクル制御機能 V7.11強化機能!

    統合運用管理ツール、および運用管理コマンドを介してWebOTXのドメインからデータベースの起動や停止、状態監視を簡単に行うための機能を提供します。

    WebOTX Developerのテストサーバで、Java SE6を利用する環境では、自動的にJavaDB(Apache Derby)のデータベースと接続を行うためのJDBCデータソースの定義を作成しますので、インストールと同時に利用可能となります。

データベースコントローラ

JMX運用基盤

  • ライフサイクルモジュール対応

    任意のユーザ作成モジュールをWebOTX Application Serverのライフサイクルに合わせ起動・停止することを可能とするライフサイクルモジュール機能を追加しました。

  • JConsole対応

    Sun JDK 5.0より提供されているJMXに準拠した監視ツールjconsoleが、WebOTX Application Serverで利用できるようになりました。これにより、WebOTX上で動作するJVMや、その上で動作するアプリケーションのパフォーマンス情報、リソース消費に関する情報が参照できます。

  • JavaVM統計情報追加

    JavaVMの統計情報として、使用しているヒープメモリ量、空きヒープメモリ量、ヒープメモリ使用率を追加しました。

  • domain.xml暗号化

    V7.1よりドメインのコンフィグレーション情報を格納するdomain.xmlファイルにおいて、ファイル中に含まれるパスワード情報等の重要データがデフォルトで暗号化されるようになりました。

配備サービス

  • EJBインタフェース実装クラス生成抑止による配備性能の向上

    従来、EJB実行時には配備時に生成されるホーム/リモートインタフェース実装クラスが必要でした。WebOTX Application Server V7.1では、動的プロキシを使用する実装方法を採ることによりこれら実装クラスが不要になり、EJBの配備時間が短縮されました。

配備ツール

  • SIP Servletモジュールの操作と配備

    JSR 116で策定されたSIP Servlet API 1.0仕様に則り、SIPサーブレット・アーカイブ (.sar)の配備機能と、SIPサーブレットの配備記述子XML (sip.xml) の編集操作機能を加えました。

統合運用管理ツール

  • 自動再接続機能

    統合運用管理ツールの起動時に、以前に接続したドメインと自動で再接続を行う機能をサポートしました。

開発環境

Developer's Studio

  • SIP開発

    SIPアプリケーションの開発を支援する機能を提供します。SIP開発環境では、SIPサーブレット/SIPリスナを作成するためのWizardを提供しており、Webアプリケーションを作成する場合と同様の操作でSIPアプリケーションの開発が行えます。また、開発環境の提供するデバッグ機能を利用してSIPアプリケーションのデバッグを行うことができます。

  • 運用管理

    これまではテスト用サーバの運用管理をするための機能でしたが、WebOTX Administratorと組み合わせることで、Developer's Studio上でリモートホストの運用管理も可能となりました。

  • JDK1.5サポート

    WebOTX Developer (with Developer's Studio)にて、新規にJDK1.5をサポートします。

拡張製品

SIP Application Server

J2EE Webアプリケーションサーバの高信頼かつ高いポータビリティの上に、新たにマルチメディアコミュニケーション技術のシームレスな融合を実現した SIP Application Server を提供しました。

  • J2EE と SIP を統合したWeb/SIP統合型コンテナ

    WebアプリケーションとSIPアプリケーションを組み合わせたアプリケーションの実行基盤を提供します。また、ユーザは、Webアプリケーションを作成する感覚で、SIPアプリケーションを作成することができます。

  • SIPサーバの仮想化

    SIPサーバの仮想化機能により、連携するSIPサーバが変わっても、SIPアプリケーションを修正することなく、システムを運用することが可能です。

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