サイト内の現在位置を表示しています。

UNIVERGE IXシリーズ 障害切り分けガイドライン

4章 ワイヤレスWAN利用時の障害切り分け方法

事例1 ワイヤレスWAN利用時に良くあるトラブル

製品導入前

IXシリーズのデータ通信端末対応状況

IXシリーズでは、ワイヤレスWANに対応している機種と対応していない機種があります。

■対応機種
UNIVERGE IX2215

■未対応機種
UNIVERGE IX3110
UNIVERGE IX3010
UNIVERGE IX2025
UNIVERGE IX2105

ご提案いただく際には、ご注意ください。

また、IX2215のデータ通信端末対応状況については、以下リンクからご確認ください。
IX2215 対応データ通信端末一覧

  • 注意点
  • ご使用いただくデータ通信端末毎に、IX2215のソフトウェア対応バージョンも異なります。お客様への納品時にご注意ください。
  • LTE対応のデータ通信端末を利用する場合、接続性向上をはかっている「ver8.9.17A」以降のソフトウェア使用を推奨しております。

製品導入後

遅延が大きい場合の切り分け方法

(1)電波強度に問題がないかをご確認ください。

電波強度は"show device"コマンドの「Signal bar」で確認できます。

  • Router(config)# show devices usb0
  • Device USB0 is up
  • ifIndex is 7
  • USB status:
  • Port status is up
  • PIN code security is deactivated
  • Signal bar is 1 <==★
  • Carrier is XXXXXX

電波強度が「3」以外の場合、電波が弱いことを示しているため、IXルータの設置場所を変更し、より受信感度の上がる場所を探していただく必要があります。

(2)3Gなどの低速な通信方式で接続されていないかをご確認ください。

LTEと3Gでは遅延時間が大きく異なります。
遅延時間が大きい場合は、3Gで接続されていないかご確認ください。

どの通信方式で接続されているかは、データ通信端末の状態表示ランプ(LED)で確認できます。
データ通信端末により、ランプの表示色が異なるため、詳細については、ご利用いただくデータ通信端末の取扱説明書をご確認ください。

  • 参考)L-03Dの状態表示ランプ
  • LTE : ブルー
  • HSDPA/HSUPA : マゼンタ
  • W-CDMA(3G) : グリーン
  • GPRS : シアン

(3)再接続を行うことで、遅延に変化があるか確認ください。

ワイヤレスWANでは接続毎に遅延が変化することがあります。
再接続を行うことで遅延時間に変化が見られるかご確認ください。

通信速度が想定よりも出ない場合の切り分け方法

(1)電波強度に問題がないかをご確認ください。

(2)コマンドにより、「overflow」を検出していないかを確認ください。

"show interface"コマンドを実行し、USBのインタフェースで[overflow]を検出していないか確認ください。
[overflow]を検出している場合、送信量が回線帯域を 超えていることを示しており、電波環境が悪い(LTE圏外等)可能性があります。

Router(config)# show interfaces USB-Serial0.0
      Interface USB-Serial0.0 is up
        Fundamental MTU is 1500 octets
        Current bandwidth 14400K b/s, QoS is disabled
        Datalink header cache type is none: 0/0 (standby/dynamic)
        IPv4 subsystem connected, physical layer is up, 0:14:39
        Dialer auto-connect is enabled
        SNMP MIB-2:
          ifIndex is 601
        Logical INTERFACE:
          Elapsed time after clear counters 2:23:07
          82 packets input, 2405 bytes, 0 errors
            82 unicasts, 0 non-unicasts, 0 unknown protos
            0 drops, 0 misc errors
          0 output requests, 0 bytes, 0 errors
            0 unicasts, 0 non-unicasts
            0 overflows, 0 neighbor unreachable, 0 misc errors
          7 link-up detected, 6 link-down detected

(3)速度測定の方法をご確認ください。

速度測定の方法によっては、ワイヤレスWAN回線での遅延が転送速度に大きく影響を与える場合があります。
ワイヤレスWANでは接続毎に遅延が変化することがありますので、再接続を行うことで転送速度に変化が見られるかご確認ください。

※PCを用意できる場合は、以下の切り分けも有効です。

PCにデータ通信端末を接続して、速度測定サイトで現地の電波環境(転送速度)を確認。

付録:イベントログによる確認

イベントログを利用したUSBデバイスの接続状態確認を紹介します。
イベントログの設定は、以下になります。

■イベントログの設定

Router(config)# logging subsystem modm <level>
Router(config)# logging subsystem usb <level>
Router(config)# logging subsystem ppp <level>

  • レベルの設定は、取得したいログに合わせて選択してください。

正常状態

正常状態時のイベントログです。

(1)通信開始
【INFO】MODM.005: Start connecting to *99***<CID># on USB0
【INFO】MODM.009: DIAL mode is changed from connecting to connected

通信開始時のログになります。
ワイヤレスWAN側に接続出来たかの目安になります。

(2)通信切断(無通信タイマ)
【WARN】PPP.086: IPCP: Sending TERMINATE REQUEST on USB-Serial0.0
【INFO】MODM.007: Start disconnecting on USB0
【INFO】MODM.034: Receive NO CARRIER result code; connection terminated
【INFO】MODM.009: DIAL mode is changed from connected to disconnected

無通信タイマで切断した際のログになります。
USBインターフェースで自動接続の設定を行わない場合は、無通信時にデフォルト120秒で切断します。

ワイヤレスWANを常時使用する場合は、以下設定を行ってください。

Router(config-USB-Serial0.0)# auto-connect

(3)通信切断(LCP Echo Timeout)
【WARN】PPP.012: LCP: no ECHO REPLY limit exceeded, keepalive failed on USB-Serial0.0
【WARN】PPP.086: LCP: Sending TERMINATE REQUEST on USB-Serial0.0
【INFO】MODM.007: Start disconnecting on USB0

通信事業者側から切断される際に、出力されるログになります。
通信事業者により異なりますが、定期的に切断するされる可能性があります。

異常状態

異常時のイベントログです。

(4) 端末未認識
【WARN】USB.009: USB Device not found on USB0

端末が認識されていない時に出力されるログになります。(3分周期で発生)
端末がUSBポートに正しくささっていない、または故障している可能性があります。

(5) 端末起動失敗
【WARN】MODM.010: Timeout occurred during initialization device on DEVICE

端末が起動(初期化処理)に失敗した際に、出力されるログになります。(3分周期で発生)
端末が故障している可能性があります。

(6) 送信異常検出
【ERROR】USB.003: Timeout error occurred during transmission device on USB0; 11 seconds has passed

送信処理がタイムアウトを検出した際に、出力されるログになります。
回線側が輻輳しているか、設置環境が悪い可能性があります。

(7) 端末無応答(ATコマンドタイムアウト)時に出力
【WARN】MODM.011: Timeout occurred during sending modem command on USB0

モデムコマンドの応答がタイムアウトした際に、出力されるログになります。(1分周期で発生)
端末が故障している可能性があります。

(8) 圏外
【WARN】MODM.013: Device is out of range for a long time on USB0

圏外だった際に、出力されるログになります。(30分周期で発生)
設置環境に問題がある可能性があります。

資料請求・お問い合わせ