DXの時代における先進的な保守現場

サポートサービス特集

目次

スマートグラスって何?

スマートグラスとは、メガネ型のウェアラブル端末(身体に装着して利用する端末)のことです。実際に目で見ている光景に情報を重ねて表示することができます。
NECの保守作業においてもCE(カスタマーエンジニア)がスマートグラスでお客さま先から技術支援要員と情報をやり取りすることで、保守作業の品質向上や効率化を実践しています。

スマートグラスで実現するNECのサポートサービス

保守作業にスマートグラスを採用した背景

NECフィールディングでは、 既存のICT機器サポートを実施する一方、日々複雑化するお客さまのシステム環境に対応するため、ICT機器以外のサポートの拡充を事業戦略として取り組んでいます。その取組みを実現するためには、保守現場において様々な機器に対する保守対応が必要でした。

多種多様な機器の保守を現場のCE(カスタマーエンジニア)のみのスキルに依存することには限界があり、その打開策としてスマートグラスの導入に踏み切りました。スマートグラスの活用により、遠隔地にいる技術者とのバーチャル体制を築くことで、様々な機器に対する高品質な保守作業を実現しています。

2018年から本格導入し、現在ではすべての保守拠点に配備。月間約7,000 件の保守作業で使用しています。

スマートグラスへの期待

第一に作業品質の向上です。
現場のCE1人に対し、遠隔のサポートセンターメンバがダブルチェックを行うことでミスが起こりにくい仕組みを構築しています。 CE作業の動線上にある障害物に対する声がけや、適切なマニュアル を瞬時に確認できるなど 、CEが安心感を持って作業に集中することも作業品質の 向上につながっています。

また、先進的な保守スタイルをアピールすることでお客さまに興味を持っていただくことも期待値 の一つでした。CEは NECフィールディングの「 広告塔 」でもあります。そのCEがスマートグラスのような先進的な装備を身に着けて保守作業を行うことで、お客さまに「 凄い 」と興味を持っていただけると考えました 。

スマートグラスを導入して気づいたこと

作業品質の向上だけでなく、当初想定していなかった 長時間作業の短縮にも役立っていることが分かりました。現場からは「助かった」という声が多数ありました。

一方、簡単な作業だと非効率になる場合もありました。品質向上や作業効率を見極めながらスマートグラスの活用を推進しています。

今後の展望

スマートグラスを技術支援以外での利用、例えば機器搬入現場の下見や検証などへの活用も視野に入れて検討しています。

また、スマートグラスに加えて、バイタルセンシングによる体調管理も目指しています。今後労働人口の減少が予測されており、さらに技術者の育成が難しくなるため、それを補完する仕組みを検討しています。


CEが語る、保守現場でのスマートグラス活用

活用シーン

作業の相互チェック

NECフィールディングではスマートグラスを定期点検での手順や保守作業内容の確認に活用しています。スマートグラスの映像は、技術支援のスマートグラスサポートセンターと共有し作業内容の相互チェックなどを行っています。

IT機器の他にも幅広く

サーバや医療機器など幅広い分野を担当しています。スマートグラスの使用はお客さまの許可が前提となりますが、許可をいただければ100%使用しています。

使って感じたこと

安心感

不慣れな機器や作業は少し不安を感じる場合もあるので、スマートグラスによるサポートでだいぶ気が楽になりました 。経験が浅いCEほど安心感があるみたいです。

共有のしやすさ

画面が共有できるため、電話と比較して、スマートグラスサポートセンターとの情報共有が確実に行えます 。共有のしやすさは最大のメリットです。

お客さまの声

「さすがNECだ」

スマートグラスでのサポート体制を伝えるとお客さまからは「さすがNECだ」と驚きの声を頂いたこともあります。サポートの品質向上にもつながるので、よい反応をしてくれるお客さまは多いです。


「うちでも活用してみたい」

スマートグラスでの作業光景を見たあるクリニックの先生から「うちもこんなのあったらいいな 」と言われたことは印象的でした。


「最後の砦」スマートグラスサポートセンター

1日500件、全国をサポート

スマートグラスを活用するCEを裏で支えるのは、スマートグラスサポートセンターです。東西に分かれた二つのスマートグラスサポートセンターでは、24時間365日体制で全国のCEをサポートしています。

1日の対応件数は平均400~500件(2022年1月時点)
ICT機器にとどまらず、多種多様な保守支援依頼にマルチスキルを持つ技術者たちが幅広く対応しています。専門性の高い問題でも関連部門との情報連携を行い、円滑に現場支援を行えるよう努めています。

映像×LIVE=情報伝達力↑

スマートグラス導入前を振り返ると電話でのやりとりは大変でした。CEとの会話の中から現場のやりたいことや状況をうまく引き出して把握する必要がありました。

スマートグラスの活用が進んだことで映像を通して現場の状況が直観的に把握できるようになりました。現場からの情報伝達の速さと精度が格段にアップしたと感じています。

支援の極みは1対8?

スマートグラスサポートセンターでは、CEに対して“見守り” “技術支援” “ダブルチェック”の3つの形式でサポートしています。

“見守り”というのは文字通りCEの作業を遠隔で見守ることで、CEの心理的安全性を高めるのに非常に役立っています。支援に慣れた技術者だと1人で8人ものCEを同時に見守ることができます。

一方、“技術支援”と“ダブルチェック”ではCEと細かいやり取りを行うので1対1で支援しています。「支援者たるもの、いつも『最後の砦』であるべき」と意識し、問題を必ず解決する心でCEとその先のお客さまに日々貢献していきたいです。


私もスマートグラスをかけてみました

映像や資料のリアルタイムな共有に感動!

かける前はどう見えるのかな?と思いましたがリアルな風景に指示書などが浮かび上がって見えたり、共有したい物に印が付いたように見えるレーザーポインターのような機能もあり驚きました。

現場にいるCEとそれをサポートするバックヤードの人が、生の映像を見ながらリアルタイムに状況を共有できるので保守のような正確性が求められる現場に向いているツールだと感じました。

テキスト情報の共有はすごく便利!

スマートグラスに付いているイヤホンで、映像を共有しながら会話できることは聞いていましたが、バックヤードの人がリアルタイムに打ち込んだ文字をCEに共有できることは初めて知りました。

CEの両手がふさがっている場合でも会話と文字を組合わせることで柔軟にコミュニケーションを取る事もできそうですね。

とても頼りになるし、純粋にカッコイイ!

もし自分がCEだったら、不慣れな作業や経験の浅い作業など、不安に感じる場面がきっと出てくると思うので、スマートグラスによる支援はとても頼りになると感じました。なにより、近未来的で純粋にカッコイイと思います。

スマートグラスのような先進的な技術を体験することでサポートサービスのDX化を肌で感じることが出来ました。今後もより現場の様子が伝わるレポートを発信していきます。