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学生のみなさんへ2020インタビュー:荻野 有加

2020年2月7日

世界の最前線で実際に動くシステムをつくる楽しさ

バイオメトリクス研究所
荻野 有加(おぎの ゆか)

世界No.1の照合精度を実証(注1)したNECの虹彩認証をさらに進化させるチームに所属。2018年4月に入社し、「歩きながらでも虹彩認証を可能にする技術」をプロジェクトの立ち上げ時から支えた。

アイデアをつぶさず、広げようとする風土

じつは私には、入社前からNECとの接点がありました。大学の同じ研究室にNECの方がいらっしゃって、共同で画像処理に関わる研究をしていたのです。NECに在籍しながら博士課程で研究をしていた柴田さんという方で、そのおかげでNECについては、他の会社より親しみを持っていました。
共同研究の成果報告で実際にNEC社内に足を踏み入れることもあったのですが、そのときに印象的なできごとがありました。発表後、NECの研究者の方々が次々に出してくださった意見が、こちらの研究を広げようとするポジティブなアイデアばかりだったのです。研究の不備を突いたり否定的にやりこめたりしようとするものは一切ありませんでした。こうした雰囲気に魅力を感じたことが、NECへの入社を決めた大きな理由になりました。
実際に入社してからも、先輩方のこうした姿勢は変わりません。私が何か発言したり質問したりしても、知識不足を責めるのではなく、思いついたことを尊重して広げようとしてくれる風土があると思います。

実際に動くものをつくりあげる楽しさ

私はいま虹彩認証システムの研究開発に携わっています。先日リリースされた「歩きながらでも虹彩認証を可能にする技術」は私たちのチームによる成果です。虹彩はとても小さく、微細なパターンを持っています。高い精度で認証できる反面、きれいに撮像することが非常に難しい部位です。当然、歩いてくる人の虹彩に合わせて撮像するというのはさらに難しく、一人ひとりの身長にあわせて撮像するという課題も解決する必要がありました。
私たちのチームではこれに対して複数のカメラを用いたシステムを開発し、歩いてくる人の身長に合わせて目領域のみをきれいに撮像することに成功しました。私自身はこの技術において、複数のカメラを連携させるシステムの開発を担当しました。具体的には、広域を見るカメラで歩いてくる人の目の位置を検出して、虹彩を撮るカメラに撮像位置を教える部分を開発しました。開発にあたって、これまでの虹彩認証システムではなかったような発想を使っている部分もあります。新しいことを思いついて、実装・実現しようとする過程は研究開発の醍醐味です。コードを書いたり、センサを組み上げたりするなどして試行錯誤するのはとても楽しいです。
大学時代の研究では学術発表したらそれで終わりでしたが、企業の研究開発では自分の成果がそのまま製品や事業となり、動くものとして実現します。学術的に成果を出すということも魅力的ではありますが、私はもともと事業なり製品なりに貢献できるような研究に携わりたいという想いをもっていました。画像処理は世界的にも市場で非常にホットな分野ですから、実世界で使えなければ意味がないという気持ちが強かったのだと思います。そのぶん、NECは幅広い事業領域を持つ会社です。画像処理に関わる研究者は幅広いフィールドで活躍できる場だと思います。

最前線の知識を収集できる環境

私は入社して2年目になりますが、仕事をしているなかで、まだまだ知識が欠けているなと思うことがあります。画像処理と一言で言っても、その中身は照明条件のような撮像環境設計からはじまって、カメラのレンズ光学設計や、イメージセンサによる回路・信号処理、そして得られたデータの解析までさまざまな要素で成り立っています。また、開発となれば細かい実装の話やHW設計など幅広い知識が必要になってきます。大学にいたころは何に使うのかわからないまま勉強していたせいか、結局何も身についていなかった知識もあるものです。会社に入ってから「あ、ここで使うのか」と実感し、もっと深く勉強しておけばよかったなと思うことがよくあります。基礎的な理論も含めて、いまは幅広い分野を振り返って勉強することが多いですね。
そういう意味で言うと、NECは情報収集の場としてすごく良い環境だと思います。共同研究で大学の先生とお話しする機会もよくありますし、社内やグループ会社には幅広い分野の専門家がいて、わからないことを気軽に質問したり情報交換したりすることができます。
学会やセミナーへも積極的に参加することができます。学会発表は制限されていませんし、目的がふさわしければ国際学会での聴講参加でさえ自由です。会社が渡航費を負担してくれます。世界の最先端の情報に触れて知識を深め、どのような技術でどれくらいまで実現可能かを推し量ることができるのは、研究者にとって非常にありがたい環境だと思います。私も変わらず、どんどん知識を吸収できるように努力をつづけていきたいと思っています。

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