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PLMコラム ~品番連載シリーズ~
<執筆者>
NEC マネジメントコンサルティング統括部
ECMグループ ディレクター 杢田竜太
2002年より、20年以上に渡って、製造業:特に設計を主体としたエンジニアリングチェーン領域におけるデジタル技術を活用した業務革新(PLM/BOM/コンカレントエンジニアリング/原価企画等)支援に従事。製造業を中心とするお客様に対して、設計開発プロセスにおける業務コンサルティングを手がけている。

2026/9/17
4.それでも品番改革が必要な場合とは?
前回のコラムで「品番の呪縛」という言葉を提唱しました。
品番改革の必要性については、皆、総論賛成だが、投資規模の大きさに対する直接的リターンの小ささや実行上のリスクを考えると、どうしても品番改革が進められない、ということを表した言葉です。
大抵の企業は、情報システム部門やDX推進部門などが、一度は品番改革を検討し、実行段階で上位から承認が得られずSTOPしているように思います。

では、そのような企業の現状は、どのような状態になっているのでしょうか?
・「品番の呪縛」が大きいなら、品番改革などせず、そのままにしておけば良い
という考え方もありますし、その後、
・品番改革検討はしたが、実行に至らず、何年も放置されたままだが、事業が回っているならそれで良い
と捉えることもできます。
ここでは、ケースを見ていきながら、品番改革(抜本的外科手術)が必要な場合と、そうでない(経過観察がベターな)場合を区別してみたいと思います。
ケース1:破綻桁の意味を、工夫により拡張成立できている場合
結論からすると、この段階の場合は品番改革しなくても経過観察で良いと考えます。
具体的には、例えば、ある桁が意味破綻を起こしているが、
① その桁で0〜9の数字しか使えなかったルールを、アルファベットが使えるよう拡張した
② その前後の桁の意味が余っているので、前後の桁で意味を表現できるよう拡張した
といったケースです。
これらは抜本的品番改革というより、応急処置後の経過観察と見ることができます。
注意点は、
・人の視認性だけでなく、業務システムでの拡張した意味ルールの実装が必要になる
・該当規程まで抜かりなく変更対応し、それを周知徹底させる
ことです。
しっかりと規程を更新しておかないと、次に抜本的品番改革が必要なタイミングで、また膨大な調査から始めなければならなくなってしまいます。
ケース2:破綻桁の意味を、工夫により拡張成立できていない場合
このケースにおいては、品番改革(抜本的外科手術)が必要であると考えます。
本来、意味あり桁は、その意味を表していることを前提に、「意味あり」が成立していますが、その意味が、どんな対応をとっても、もう成立できない状態にあります。
つまり、外見は「ちょっと痩せたかな?」と思っていても、実は「内臓はボロボロ状態」というイメージの状態にまで来ています。
今、なんとか業務ができている世代は良いのですが、破綻が拡大し、もはや意味をなさない番号体系となった際の業務非効率性は説明しなくても理解できると思います。
早めの外科手術を推奨します。
ケース3:品番を繰り返し利用している場合
このケースも、品番改革(抜本的外科手術)が必要なケースです。
本来、品番とは「そのモノを一意に表す番号」なはずですが、もう番号が採れないので、繰り返し使っているケースです。
※このケース3は、厳密にはケース2の一部と捉えることができます。ケース2の場合の対策として、品番を再利用しているというケースです。
意味あり桁と連番で成立している品番体系において、連番桁が桁溢れを起こしている場合に、こういう措置をとっている事例を見受けます。
しかし、これは非常に危険な対応です。
なぜなら、情報システムは「同じ番号は、同じとみなす」処理をしてしまうからです。
製品のライフサイクルは技術の発展により、益々長期化してきています。
例えば、自動車の場合、昨今だと20万km乗っても全然普通に走る個体も多くありますし、産業機械においては30年現場で使われていることもあると聞きます。
その製品ライフサイクルの間に、ひとつの品番が、数十年前のモノと、最新の違うモノを表していた場合、システム上は取り違えて処理をするリスクが高まります。
※厳密には、「ユーザーで使われている」ことと、「メーカーとして保証対応すること」は別ですが、本コラムでは単純化して書いています。
上記のことは滅多に起きないことですが、品番の原則を逸脱していますので、それ以外にもミスや業務阻害の要因にとなってしまいます。

では、どうやって品番改革を進めるべきか?という点については、その企業が置かれている状況次第だ、というのが私の答えです。
例えば、業績が好調な時期と不調な時期でも、品番改革の進め方は大きく異なると思っています。
いずれにせよ、品番改革が必要だという「問題認識と影響の構造」を具体化しておくことは重要です。
自社の品番について、「何とかしないといけない」という声を聴いたことはあるが、具体的に「何が問題なのか」具体化・明文化されていない場合、一度、状態を診断されてみてはどうでしょうか?
さて、品番改革についての話は今回で終わりにしたいと思います。
中途半端な終わり方にも見えますが、本当に「この順で、こうやったら成功する!」というセオリーはなくて、この対応はケースバイケースなのです。
次回からは、情報システム部門の方々が、知っているようでキチンとは理解できていないことが多い「品番と図番の関係」や「CADと品番の関係」について説明していきたいと思います。
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