Japan
サイト内の現在位置を表示しています。
PLMコラム ~BOP連載シリーズ~
<執筆者>
NEC マネジメントコンサルティング統括部
ECMグループ ディレクター 杢田竜太
2002年より、20年以上に渡って、製造業:特に設計を主体としたエンジニアリングチェーン領域におけるデジタル技術を活用した業務革新(PLM/BOM/コンカレントエンジニアリング/原価企画等)支援に従事。製造業を中心とするお客様に対して、設計開発プロセスにおける業務コンサルティングを手がけている。

2026/5/22
6.BOPにどう取り組むべきか?
いよいよ今回でBOP連載シリーズは最終回となります。
タイトルを「BOPにどう取り組むべきか?」と、してしまったのですが、実はこのタイトルだけを見てしまうと、ミスリードすることになります。
「BOPに取り組む」という文脈の中の「BOP」は手段です。
つまり、例えば、「PCに取り組む」とか、「プログラミングに取り組む」などと、ほぼ同じ言い方になってしまいます。
PCに取り組んだり、プログラミングに取り組むのは、何か理由が合って取り組むのだろうと思います。
その理由のことを、「目的」と言ったり、「目指すところ」と言ったりします。
BOPに話を戻すと、何のために「BOPに取り組む」のか、が一番最初に考えるべき重要なポイントとなります。
ひとつ前の回で、「なぜ、BOPが必要なのか?」について訴求しました。
そこでは、BOPの定義を「ある製品/商品を製造する際に必要となる作業手順をデータベース化した情報」と定義しましたが、BOPに取り組む目的が異なれば、この定義も変わってくると思います。
例えば、BOP事例を既に公開されているある企業様では、BOP自体(作り方の作業手順自体)はデータベース化されていないと聞きました。
この企業様は、量産型のB2C製品のメーカー様であり、工場は東南アジア、中国がメインです。
BOPに取り組むにあたって、工場へ作業手順情報を伝える際「翻訳」が一番の課題だ、と定義されました。
それまでこの翻訳は外注され、どのように伝わっているか正確には把握できていなかったようですが、実際に海外工場の現場でなぜなぜ分析をし、どうしてこのような現場の初期ミスが起こってしまっているのかを分析した際に、日本の生産技術者の意図が、外注者の翻訳によって伝わっていない、と言うことが原因だと分かったと言います。
そこで、この企業様では、生産技術者が指示している言葉を辞書化(データベース化)し、作業手順書を作成する際に、必ずその辞書から言葉を選ぶようにしたと言います。
裏では、その日本語辞書に対応する海外現地語が対になってデータベース管理されており、日本の生産技術者の意図が正しく海外工場に届くようにした、と言うことです。
図1は、量産型企業(海外工場前提)における、生産準備に関する課題と改革施策設定の一例です。
BOPに取り組む初期の段階で、改革の構想企画を実施し、このような今回取り組むべき施策の全容と、なぜそれに取り向くのか(図1の場合は、「量産立上LT短縮」のため)が誰が見てもわかるように整理することが大切だと考えています。
*NECでは、そのご支援をご提案することができますので、興味のある方は是非、NECの貴社営業担当へお声掛けいただくか、本ホームページの問合せ窓口までご連絡お願いします。
図1:量産型企業(海外工場前提)における、生産準備に関する課題と改革施策設定例
重要なので、何度も口酸っぱく申しますが、「DXのためにBOPに取り組む」のではありません。
DX部門長や、DX担当役員などの肩書を持つと、様々なコンサルティング会社やシステム会社が、こうあるべき、こう進めましょう、と提案をしてくるのが通常です。
その提案は、何を目的としたご提案になっているでしょうか?
もしそのご提案で目指すゴールの目的が曖昧だったり、手段を目的と捉え間違えていたりした場合は要注意です。
改めて、本質的なゴール・目的・目標設定を、強くお願いしたいと思います。
ということで、「BOPにどう取り組むべきか?」を整理しますと、下記順で取り組むことが重要と考えます。
この検討の結果として、「BOPに取り組む必要があるな」、「そのBOPとは、こういう定義になるな」と言うことが分かってくるわけです。
また、上記①改革準備フェーズでの目的や範囲は、決して現場が決めるのではなく、経営層や執行責任者層が決めるべき内容です。経営戦略や事業戦略をはっきりと示したうえで、その戦略を実行するためにはこれが課題であり、それに取り組むためにこの改革プロジェクトを起こしたい、と示すべきだと考えます。
本コラムの「PLM導入の進め方 」でも記述しましたが、「ミドル・アップ・ダウン」の考え方の下、トップ(経営層や執行責任者層)ではなく、もう一つ下のミドル(部長や課長級)がしっかりとその改革の意義を考え、トップに進言する形を取っても構わないと思います。
さて、冒頭に申したように、BOP連載シリーズは今回で最終回となります。
次回からは、「品番連載シリーズ」に入っていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
コンサルティングサービス【製品開発】
最先端のデジタル技術に対する知見と、自社および製造業のお客様のものづくり革新の実践経験をベースに、製品開発プロセスの革新をご支援いたします。
詳細はこちら

拡大
