飲食店経営者の皆様は、店舗の成長や業務効率化のために設備投資を検討されたことがあるのではないでしょうか。

新しい調理機器の導入、POSシステムの更新、店舗改装など、設備投資は競争力向上の重要な手段ですが、同時に多額の資金が必要となるため、その判断は容易ではありません。「投資に見合った効果が得られるのか」「資金繰りは大丈夫か」「補助金は活用できるのか」といった悩みを抱える経営者の方も多いことでしょう。

本記事では、飲食店における設備投資の基本的な考え方から、減価償却との関係、具体的な判断基準、活用できる補助金制度まで、幅広く解説します。また、実際の設備投資事例や資金調達方法についても詳しくお伝えします。

最後まで読むことで、リスクを最小限に抑えながら効果的な設備投資を実現する方法について理解を深めることができます。計画的な設備投資により持続可能な経営を実現するために、ぜひご一読ください。

また、POSシステムはもちろん、モバイル・セルフオーダーシステム、テイクアウトやデリバリー、ポイント管理、予約システムなど、周辺サービスとの連携を含めた飲食店のDX推進に関するご相談は下記よりお問い合わせください。

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設備投資とは

設備投資とは、企業が経営や業務を継続して発展させるために必要な設備に対して行う投資のことです。飲食店においては、単に売上を維持するだけでなく、将来的な成長を見据えた戦略的な投資として位置づけられます。

具体的には、キッチンの調理機器や店舗内装、さらにはPOSシステムといったITツールまで幅広い範囲が対象となります。これらの投資は、目に見える「有形固定資産」と、ソフトウェアや商標権など目に見えない「無形固定資産」の2つに大別されるのが特徴です。

たとえば、新型の調理機器を導入すれば作業効率が向上し、結果として人件費削減や顧客満足度の向上につながります。また、予約管理システムの導入により、電話対応の負担軽減やダブルブッキングの防止が可能になるでしょう。

設備投資は単なるコストではなく、将来の収益拡大と競争力強化のための戦略的な投資として捉えることが重要です。

設備投資と減価償却の関係

設備投資は飲食店の将来への投資であり、減価償却はその投資を適切に会計処理して経営を安定させる仕組みといえます。

両者は表裏一体の関係にあるため、設備投資を検討する際は減価償却の仕組みを正しく理解することが重要です。

ここでは、設備投資と深い関わりのある減価償却について詳しく解説していきます。

減価償却とは

減価償却とは、設備投資した資産の費用を耐用年数にわたって分散して計上する会計処理のことです。具体的には、100万円の調理機器を購入した場合、購入時に100万円全額を経費として計上するのではなく、その機器の使用可能期間（耐用年数）に応じて毎年一定額ずつ経費に計上していきます。

たとえば、耐用年数が5年の機器であれば、毎年20万円ずつ5年間にわたって経費計上するのが基本的な考え方です。この仕組みにより、設備購入時には一括で支払いが発生するものの、経費としては複数年に分けて計上することになります。

減価償却の目的は適正な利益計算を可能にし、会社の経営成績を適切に表すことにあります。もし購入年度に全額を経費計上してしまうと、その年だけ利益が大幅に減少し、翌年以降は実際にその設備を使用しているにもかかわらず関連する経費が計上されないという問題が生じるでしょう。

減価償却費の特徴とメリット

減価償却費の最大の特徴は、現金支出を伴わない経費であることです。実際にお金が出ていくのは設備を購入した時だけで、その後の減価償却費計上時には現金の支出は発生しません。しかし、損益計算書上では毎年経費として計上されるため、実質的に内部留保（貯金）の役割を果たします。

具体例を挙げると、年間売上1,000万円、経費800万円、減価償却費100万円の店舗の場合、帳簿上の利益は1,000万 - 800万円 - 100万円 = 100万円となります。ところが、実際の現金収支では減価償却費分の100万円は支出されていないため、手元には200万円の現金が残ることになるのです。

この仕組みにより、毎年の減価償却費分は手元に現金としてストックされていきます。ストックされたお金は将来の設備更新のための資金として機能するため、計画的な設備投資サイクルを構築することが可能でしょう。また、急な設備故障や修理が必要になった際の備えとしても重要な役割を担います。

減価償却を活用した節税方法

減価償却には、通常の計算方法以外にも節税効果の高い特例が存在します。

まず、30万円未満の小型設備については特例により全額もしくは短期間での経費計上が可能となっています。たとえば、取得価額が10万円未満の場合は全額を購入時の経費とでき、20万円以上30万円未満の場合は青色申告の中小企業者であれば全額を購入時の経費にできます。

参考元：少額減価償却資産の特例 | 中小企業庁

もう一つの節税手法として、中古設備の活用があります。中古設備は新品と比較して使用可能期間が短いとみなされるため、初年度の減価償却費を大幅に増やすことができるのです。たとえば、4年落ちの中古車を購入した場合、耐用年数が2年となり、短期間で購入価格を経費計上できる可能性があります。

ただし、これらの節税方法を活用する際は注意が必要でしょう。節税のために不要な設備を購入してしまうと、手元の資金が減少し、本来の事業運営に支障をきたす恐れがあります。あくまで事業に必要な設備投資の中で、より有利な方法を選択することが重要です。

設備投資の判断基準と検討ポイント

設備投資は飲食店経営において重要な検討事項の一つですが、適切な判断基準を持たずに実行すると経営を圧迫するリスクがあります。

投資を成功させるためには、次のような視点から検討することが不可欠でしょう。

ここでは、これらのポイントについて詳しく解説していきます。

店舗の経営状況から判断する

設備投資を検討する際、最も重要なのは運転資金を圧迫しすぎず、無理のない返済計画を立てられるかどうかという点です。飲食店は日々の仕入れや人件費、家賃といった固定的な支出があるため、これらの運転資金を別枠で確保した上で投資資金を捻出する必要があります。

投資金額が大きいほど回収には時間がかかり、また天候不良や感染症拡大といった予期せぬ事態に備えて資金に余裕を持たせることも重要でしょう。実際、多くの飲食店が新型コロナウイルスの影響で売上が激減した際、過度な設備投資により資金繰りに苦しんだケースが少なくありません。

金融機関から資金を調達する場合は、月々の返済負担が過大にならないよう慎重な計画が必要となります。無理な返済計画は本来の営業活動に悪影響を与えるため、現実的な数値での検討が大切です。

財務状態を事前に確認する

設備投資の成否を左右する重要な要素として、現在の財務状態の把握があります。

まず確認すべきは現預金の割合（ネットキャッシュ比率）で、総資産に占める現預金の割合が30％以上あれば、不測の事態にも対応できる体力があると判断できるでしょう。

次に重要なのが借入金比率の確認です。総資産に対する借入金の割合が30％以下であれば、借入金に過度に依存せず安定した資金調達ができている状態といえます。逆に借入金比率が高い場合は、追加の設備投資により返済負担がさらに増加するリスクがあります。

また、自己資本比率も重要な指標の一つです。創業から積み重ねた利益の蓄積を示すこの比率が30％以上あれば、経営の安全性が高く、設備投資による一時的な資金減少にも耐えられる可能性が高いでしょう。

これら3つの指標をバランス良く維持しながら設備投資を進めることが、安定経営の基盤となります。

投資に見合った効果があるか

どれほど高額な設備投資であっても、売上アップや生産性向上などの効果が費用に見合わなければ意味がありません。

効果を測定する際は、具体的な数値目標を設定して検証することが重要でしょう。たとえば、新しい調理機器を導入することにより、作業時間が30％短縮され、回転率が向上し、売上も10％増加するなどといった数値としての効果を見込む必要があります。

また、効果の検証においては、売上向上だけでなく経費削減効果も含めて総合的に判断することが大切です。人件費削減、光熱費削減、食材ロス削減など、複数の効果を積み上げることで投資対効果を高められる可能性があります。

さらに、顧客満足度向上による口コミ効果やリピート率向上といった間接的な効果も考慮に入れると良いでしょう。

設備投資と減価償却のバランスがとれているか

設備投資額と減価償却費のバランスは、企業の成長性を判断する重要な指標となります。設備投資額が減価償却費を上回る状況が続けば設備の充実と成長を意味し、逆に減価償却費が設備投資額を上回る状況が続けば設備の老朽化と事業規模の縮小を示すことになるでしょう。

新しいサービスや業務効率化による効果についても、具体的な数値で試算することが重要です。たとえば、セルフオーダーシステム導入により人件費の削減が可能になれば、年間で200万円のコスト削減効果が見込めるといったように、設備投資額と比較することで、投資の妥当性を判断できるでしょう。

投資回収計画をシミュレーションする際は、売上増加だけでなく手元に残る実際の資金も確認する必要があります。減価償却費は現金支出を伴わないため、帳簿上の利益に減価償却費を加えた金額が実際の資金増加となることを理解しておくと良いでしょう。

この仕組みを活用することで、将来の設備更新に向けた資金準備も同時に進められます。

耐用年数を考慮にいれる

設備投資を行う際は、その耐用年数も重要な検討ポイントとなります。国税庁が定める法定耐用年数によると、飲食店で使用される主要設備の多くは5～15年程度の使用期間が想定されています。この期間内に投資金額を回収し、さらに利益を生み出せるような経営計画を立てる必要があるでしょう。

参考元：主な減価償却資産の耐用年数表｜国税庁（PDF）

また、IT関連機器については技術革新のスピードが早いため、法定耐用年数よりも短い期間での更新を前提とした計画が現実的といえます。特にPOSシステムや予約管理システムなどは、3～5年での更新を想定しておくと良いでしょう。

耐用年数を考慮する際は、単純に年数だけでなく、その間の技術革新や市場環境の変化も予測することが重要です。たとえば、現在主流のキャッシュレス決済も数年後にはさらに新しい決済方法が登場する可能性があります。このような変化を見据えて、柔軟性のある設備選択や段階的な投資計画を検討することで、リスクを最小限に抑えながら効果的な設備投資が実現できるでしょう。

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飲食店向け設備投資の具体例

現代の飲食店経営においては、時代のニーズに対応した設備投資ができるかどうかが競争力向上のカギとなります。

ここでは実際の導入効果が期待できる具体的な設備投資例を取り上げ、それぞれの特徴と導入メリットを詳しく解説します。

POSレジの導入

POSレジシステムの導入は、現代の飲食店経営において最も重要な設備投資の一つといえます。

売上管理、在庫管理、顧客管理などさまざまな機能を統合することで、店舗運営の効率化と経営分析の精度向上が実現できるでしょう。POSレジのリアルタイム売上データ集計により、時間帯別や曜日別の動向把握が可能となり、効果的な人員配置やメニュー構成の検討が可能になります。

また、クラウド連携により複数店舗の一元管理も実現でき、チェーン展開を視野に入れた経営にも対応可能です。さらに、直感的な操作画面により新人スタッフでも短期間で習得でき、オペレーションミスの削減効果も期待できます。

自店舗の業態に適した機能が搭載されているPOSレジを選択することで、売上分析データを活用した経営判断が可能になり、投資回収の早期実現が見込めるでしょう。

決済システムの導入

キャッシュレス決済システムの導入は、現代の飲食店にとって必須の設備投資です。

クレジットカード、電子マネー、QRコード決済などさまざまな決済方法への対応により、お客様の利便性向上と売り逃し防止が実現できます。特に若年層や外国人観光客の来店が多い店舗では、集客に直結する重要な要素となるでしょう。

決済システムがあれば、現金管理の負担が軽減されレジ締め作業の時間短縮やヒューマンエラーの削減が可能となります。さらに、売上データやお客様の購買履歴データを蓄積できるため、リピート顧客の把握や効果的な販促企画の立案など、データに基づいた経営戦略が行えます。

決済システムの初期投資額は比較的小さく、費用対効果の高い投資といえるでしょう。

予約管理システム

インターネットを通じた24時間予約受付が可能な予約管理システムを導入すれば、他店との競争力を高めることが出来ます。

従来の電話予約と比較するとスタッフの電話対応時間が大幅に削減されるため、接客や調理業務に集中することが可能になるでしょう。また、システムによる自動管理でダブルブッキングや予約漏れといった人為的ミスの防止も実現できます。

さらに、お客様にとっても、店舗の営業時間内に電話しなければいけないというハードルがなくなるだけでなく、現在の予約状況の確認も手軽に行えるようになるため、来店機会が増加するというメリットもあります。

効率化・自動化のための投資

人手不足が深刻化する飲食業界において、効率化・自動化のための設備投資は特に重要な戦略となっています。たとえば、セルフオーダーシステムを導入すれば、フロアスタッフの注文取得業務が大幅に削減され、少ない人員での効率的な店舗運営が可能になるでしょう。

また、自動炊飯器やスチームコンベクションオーブンなどの自動調理機器導入により、調理時間の短縮と品質の安定化が同時に実現できます。これは、特に繁忙時間帯での調理工程が標準化されるため、オペレーションミスの削減と提供速度向上も期待できるでしょう。さらに、RFID技術を活用した在庫管理システムを導入すれば、食材の入荷から消費までが自動記録され、適切な発注タイミングの把握や食材ロス削減につながります。

これらは、初期コストは必要ですが、長期的な人件費削減により確実な回収が見込める投資といえるでしょう。

什器やテーブル、備品の更新

長期間営業している飲食店では、什器やテーブル、備品の老朽化が顧客満足度や業務効率に悪影響を与える場合があります。

これらを計画的に更新することで、店舗の雰囲気を一新し、顧客体験の向上が期待できるでしょう。特にテーブルや椅子など客席周りの什器は、お客様が直接触れるため快適性や清潔感の維持が重要な要素となります。

また、厨房備品を更新すれば、調理効率の向上と衛生管理の強化が同時に実現できます。たとえば、軽量で扱いやすい調理器具への更新により、スタッフの作業負担軽減と調理時間短縮が可能になります。さらに、什器選択では店舗コンセプトとの整合性も重要で、統一感のあるデザインによりブランドイメージの強化と記憶に残りやすい空間づくりが実現できます。

この、設備投資は即座に売上向上には直結しませんが、長期的な顧客満足度向上と口コミ効果により集客力向上が期待できるでしょう。

設備投資の資金調達と補助金・助成金

設備投資を実現するためには適切な資金調達が不可欠です。特に補助金・助成金の活用により、自己負担を大幅に軽減しながら効果的な投資が可能となります。

ここでは、資金調達の方法や申請できる補助金・助成金について詳しく解説していきます。これらの制度を正しく理解し戦略的に活用することが重要でしょう。

設備投資のための資金調達方法

設備投資の資金調達には複数の選択肢があり、それぞれ異なる特徴とメリットを持っています。

まず自己資金の活用は、金利負担がなく返済義務も発生しないため最も安全な調達方法といえるでしょう。ただし、大規模な投資には限界があり、手元資金の減少により運転資金に影響を与えるリスクも考慮する必要があります。

金融機関からの借入は最も一般的な調達方法で、設備資金専用の融資商品も多数用意されています。代表的な借入先である日本政策金融公庫では、長期間かつ比較的低金利での借入が可能となっており、返済期間を長く設定することで月々の負担を軽減できます。また、信用保証協会の保証付き融資を活用すれば、担保不足や信用力に不安がある場合でも資金調達しやすくなるでしょう。

さらに、リース・レンタルも有効な選択肢の一つです。初期投資を抑えながら最新設備を導入でき、メンテナンス費用が含まれているケースも多いため、トータルコストの予測が立てやすくなります。加えて、近年注目されているのが補助金・助成金の活用で、返済不要の資金を獲得できるため、実質的な投資負担を大幅に軽減できる可能性があります。

飲食店が設備投資に使える主な補助金・助成金制度

飲食店が活用できる補助金・助成金制度は数多く存在し、国・都道府県・市町村レベルでさまざまな支援策が用意されています。これらの制度は返済不要の資金調達手段として極めて有効ですが、それぞれ異なる要件や特徴を持っています。

設備投資に活用できる主な制度として、次のようなものがあります。

ここでは、これらの制度について詳しく解説していきます。

また、飲食店が申請できる補助金についてはこちらの記事でも詳しく解説していますのでご一読ください。
飲食店が申請できる補助金とは？主な補助金の種類から申請手順、活用方法まで解説

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、従業員数5人以下の飲食店が販路拡大や設備導入を行う際の支援制度です。

通常枠では最大50万円（インボイス転換事業者は100万円）、賃金引上げ枠では最大200万円（同250万円）の補助が受けられ、補助率は2/3と非常に有利な条件となっています。

この補助金は、厨房機器の更新、POSシステム導入、店舗改装、キッチンカー事業への展開など幅広い用途に活用可能です。申請の際は、商工会議所の専門家がサポートしてくれるため、初めて補助金を申請する事業者でも安心して取り組めるでしょう。

設備投資による具体的な効果を数値で示すことが申請のポイントになるため、募集に合わせて計画的な準備を行うことが重要です。

参考元：商工会議所地区　小規模事業者持続化補助金＜一般型　通常枠＞

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新分野展開や業態転換を図る飲食店向けの大規模設備投資支援制度です。

通常類型の成長分野進出枠では補助上限額2,000万円から7,000万円、コロナ回復加速化枠では従業員数に応じて100万円から1,500万円の支援が受けられます。補助率は中小企業で1/2から最大3/4となっています。

この補助金は、店舗内装のリニューアル、新しい調理器具の導入、キャッシュレス会計システムの導入などが対象となります。申請には認定経営革新等支援機関の支援が必須で、市場分析や競合分析を含む総合的な事業計画の構築が採択のカギとなります。

参考元：トップページ | 事業再構築補助金

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、革新的なサービス開発や生産プロセス改善を目指す飲食店の設備投資を支援する制度です。

製品・サービス高付加価値化枠では従業員規模や賃上げに応じて最大3,500万円の支援が受けられ、補助率は最大2/3となっています。

冷凍食品製造のための急速冷凍機導入、厨房レイアウト変更による動線改善、IoT技術を活用した食材管理システムの構築などが活用例として挙げられます。申請では、技術的な革新性と市場での優位性を明確に示すことが重要で、付加価値額年率平均3％以上の向上など定量的な成果目標の設定が必須となります。

参考元：トップページ｜ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

IT導入補助金

IT導入補助金は、ITツール導入による業務効率化を支援する制度です。

通常枠では補助額5万円から450万円、補助率最大2/3、インボイス枠では最大350万円の支援が受けられます。POSレジ、予約管理システム、キャッシュレス決済システムなど飲食店にとって身近なツールが対象となり、比較的申請しやすい制度です。

対象となるITツールは事前に登録されたもののみになりますが、モバイルオーダーシステム、在庫管理システム、会計ソフトなど多数のツールが利用可能です。申請にはIT導入支援事業者とのパートナーシップが必須ですが、専門事業者がサポートしてくれるため、ITに詳しくない事業者でも安心して申請できます。

参考元：トップページ ｜ IT導入補助金2025

業務改善助成金

業務改善助成金は、従業員の賃金引上げと生産性向上を同時に実現する設備投資を支援する制度です。

最低賃金に近い賃金で働く従業員がいる事業所が対象で、最大600万円、助成率最大4/5という非常に高い支援が受けられます。

QRコードオーダーシステムの導入、自動炊飯器やスチームコンベクションオーブンによる調理工程の標準化、食洗機の更新による洗浄作業の省力化などが活用例です。申請では、設備投資と賃上げの因果関係を明確に示すことが重要で、どの程度の業務効率化により、どの程度の賃上げが可能になるかを数値で説明する必要があります。

参考元：業務改善助成金｜厚生労働省

地方自治体独自の補助金・助成金

都道府県や市町村が独自に実施する補助金・助成金制度は数多くあり、地域の特性に応じたきめ細かなサポートを行っています。

たとえば、東京都の「インバウンド対応力強化支援事業補助金」では、多言語対応やキャッシュレス決済導入に最大300万円、「飲食事業者向けベジタリアン・ヴィーガン認証取得支援補助金」では認証取得費用に最大20万円の支援があります。

参考元：インバウンド対応力強化支援事業補助金／TCVB 公益財団法人 東京観光財団
参考元：飲食事業者向けベジタリアン・ヴィーガン認証取得支援補助金／TCVB 公益財団法人 東京観光財団

これらの地方自治体の制度は、地産地消の推進、商店街活性化、観光客誘致など自治体の政策目標と合致した投資であれば手厚い支援を受けられる可能性があります。国の制度と比較して申請書類が簡素化されていることも多く、複数制度の併用も可能な場合があるため、店舗所在地の自治体サイトを定期的にチェックすることが重要です。

計画的な設備投資で飲食店の成長と安定経営を実現しましょう

設備投資は飲食店の将来を左右する重要な経営判断です。減価償却の仕組みを理解し、財務状態や投資効果を慎重に検討することで、リスクを最小限に抑えながら効果的な投資が実現できます。

また、補助金・助成金を戦略的に活用することで、自己負担を大幅に軽減しながら最新設備の導入が可能となるでしょう。

NECが提供するサブスクリプション型POSシステム「NECモバイルPOS」は、売上管理から在庫管理、顧客分析まで飲食店経営に必要な機能を統合し、業務効率化と収益向上をサポートします。

NECモバイルPOSは、IT導入補助金の対象となっており、補助金を活用した導入で初期費用を抑えることができます。計画的な設備投資により、持続可能な飲食店経営を実現していきましょう。まずはお気軽にお問い合わせください。