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Tech Report

経営者目線で大規模プロジェクトを成功に導く、NEC金融部門プロジェクトマネージャーたちの流儀

2026年2月10日

NEC金融ソリューション事業部門(以下、NEC金融部門)は、長年金融機関のお客様から大規模プロジェクトを任されてきました。そこでは100名以上のメンバーを指揮するプロジェクトマネージャーが、経営者目線で多くの意思決定を行いながら、プロジェクトを成功に導いてきました。NECの先輩プロジェクトマネージャーから受け継いだ心構えを土台に、最新技術を活用しプロジェクトを完遂します。同時にその過程でプロジェクトメンバーの成長も促します。

今回は「プロジェクトマネージャーに求められるもの」について、金融システム統括部に所属するエンジニアのみなさんにお話を伺いました。

Interviewees

氏名:高橋 滋徳
所属:金融システム統括部
役職:エグゼクティブマネージャー
2002年NEC入社。大手金融機関向けの外為決済システムの開発に従事。150名体制・5年にわたる大規模プロジェクトを複数経験。現在は、アプリケーション開発の責任者として組織マネジメントを担う。

氏名:宇都宮 大基
所属:金融システム統括部
役職:ディレクター
2008年NEC入社。金融機関向けの営業店業務やリテール業務に関するシステム開発に従事。200名体制での大規模開発プロジェクトも経験。現在は銀行向けリテール業務関連システム開発のディレクターとして、複数プロジェクトの管理を担っている。

氏名:新戸 慎吾
所属:金融システム統括部
役職:ディレクター
2006年NEC入社。地域金融機関向け勘定系システムの開発、保守に従事。現在は地域金融機関向け勘定系システムの統括業務に加え、信用金庫様向けの営業支援システムや情報系システムの導入責任者、マイナポータルAPIの連携プラットフォームのサービス保守統括を担う。

大規模プロジェクトのプロジェクトマネージャーとしての心がけ

大規模プロジェクトのマネジメントに取り組む上で、大切にしている基本的な考え方や価値観についてお聞かせください。

高橋
プロジェクトは計画が8割、残り2割が日々の実行です。当たり前のことを着実にやりきること。一言で言えば「凡事徹底」です。具体的には、プロジェクト計画時にリスクを抽出し、それぞれのリスク項目に対する対策を計画に埋め込むこと。そして、その計画通りに進むよう、日々のルーティンを確実に実行すること。そうすれば問題は発生しにくく、発生したとしても早期に発見でき、手を打つことができます。

プロジェクトが大規模であればあるほど、チームメンバー、お客様を含めたステークホルダー(関係者)が多数になります。手間はかかりますが、多数の人の意識を統一するためには、プロジェクトのルールや基準など、文書化し全員に展開することが重要です。尊敬する先輩たちは、どんなに忙しくても、手間を惜しまずにそうしていました。

「凡事徹底」の大切さを説く高橋さん

100名以上による大規模プロジェクトですと、ひとつの会社並みの組織ですね。

高橋
その通りです。人間の目の届く範囲はせいぜい10人程度でしょう。グループに分けて、ピラミッド型の組織を作り、それぞれのリーダーが目の届く範囲を管理して組織を動かさなくてはなりません。そのためには文書化が重要です。

宇都宮
「多角的に物事を捉え、バランスを取ること」「プロセス、ルール、手順を準備すること」「必要な体制、チームを考え配置すること」「人ではなくプロセスに問題を見出すこと」は重要だと考え常に心がけています。

ただ、それだけではうまくいきません。根源的に必要なことは「プロジェクトマネージャー(以下、PM)の真摯さ」だと考えます。日々の問題から逃げずに取り組む真摯な姿勢こそが、チームをまとめる力になると信じています。

新戸
私はプロジェクトメンバーが「心理的安全性」を感じながら働けるように心がけています。みなさんが話すように準備は本当に大切です。しかし、どんなに準備をしても、プロジェクトは生き物であり、想定外のトラブルが起きます。PMは常に問題を見逃さずに察知していかなければなりません。ところが、プロジェクトメンバーがPMのことを「自分たちの味方」だと思えないと、悪い報告を上げない事態が生じてしまいます。そうするとトラブルの発見が遅れ、プロジェクトの崩壊につながります。そうならないように、様々な場面でPMである自分が矢面に立ち、何でも話せる環境を整えるようにしています。

大規模プロジェクトのPMとしてのやりがいと達成感

みなさんのお話からは、あたかもひとつの会社を経営しているような意識を感じます。仕事の中で、達成感ややりがいを感じるのはどんな時ですか?

高橋
「メンバーの成長」と「お客様からの感謝の言葉」。これに尽きます。5年程度かかったプロジェクトが終わった時に、お客様に「またNECと一緒にやりたい」と言われたことが嬉しくて、今も心に残っています。

宇都宮
お客様を含めたプロジェクト全体として、ひとつの方向に向かって進められた時、そして最終的にリリースまで進み、エンドユーザーに喜んでもらえた時です。限られたリソースの中で、お互いに最善を尽くし、それが結果に結びついた時には達成感があります。そんな経験の積み重ねが、自分自身の成長実感に繋がります。

新戸
私も、お客様からの信頼を得て、感謝の言葉をいただいた時です。ミッションクリティカルなシステムの開発・運営には、責任が伴います。そのような重圧の中でお客様から感謝の言葉をいただけるのは、本当に嬉しいです。上司から「お客様の成長なくして、NECの成長はない」と聞かされてきましたが、「NECがお客様の成長を支える」という思いが一層強くなります。

大規模プロジェクトのPMとしてのやりがいを語る宇都宮さん

大規模プロジェクトでPMが感じる難しさと対処法

PMとして「難しさを感じる問題」はどんなことですか? またどのように対処しているのか教えてください。

高橋
冒頭に話した、当たり前のルーティンを当たり前にやること。「凡事徹底」をメンバー全員に実行してもらうことです。プロジェクトが忙しくなると、日々の進捗確認や打ち合わせを省略し作業を優先してしまう。そういう状態が一番危険です。言語化し、文書化し、日々の活動の中で質にこだわって徹底することが必須です。

また、多様なステークホルダーとの調整の難しさもあります。大規模プロジェクトでは、お客様の要求は高くなります。お客様にはそのシステムを作って実現したいことがあるわけです。お客様が大事にされていることをきちんと理解し、寄り添いながらも、「もっと良くするためにこうすべき」と言わなくてはならないことがあります。その場合、お客様が組織上部に説明しやすいストーリーを一緒に考えることが重要です。PMには「洞察力」と「人間観察力」が求められるとも言えます。

宇都宮
お客様からスコープ(対象範囲)を変更したいという依頼があった時や、こちらから要件の調整をお願いする時には難しさを感じます。しかし、そのような場面でこそ、NECの価値を発揮できると考えています。私が心がけているのは、IT企業のプロフェッショナルの視点から提案することです。例えば、システム化の難しさと得られる効果が釣り合わない場合には、そのことをお伝えした上で、より使いやすくわかりやすいシステムになる代替案を提案します。以前、上司から「言われたことだけを実行するのは誰でもできる。NECとしてより良い方法を提案できることが我々の価値だ」と言われたことがあります。この言葉を大事にし、日々の業務に取り組んでいます。

新戸
私は、プロジェクトメンバーのスキルを一定に保つ体制づくりに難しさを感じます。100人以上のメンバーとなれば、メンバーのスキルは様々です。また、プロジェクト期間が長期化するため、メンバーの入れ替わりが発生することもあります。特に、リーダークラスが変わると影響が大きくなります。そのため、リーダーの下にサブリーダーを置く体制をしっかり構築することが必要です。

あるプロジェクトで私がサブリーダーを務めていた際、リーダーが突然交代しなければならなくなったことがありました。その経験から、不測の事態に対処できるような体制づくりを実践するようにしています。

体制づくりの難しさを語る新戸さん

PMを目指す人へのサポート体制や取り組み

PMを目指す人への、サポート体制やスキル向上に向けた取り組みについて教えてください。

高橋
各種のPM研修、メンター制度、レビュー・フォロー、ナレッジ共有などを準備していますが、それだけではありません。NEC金融部門はチームワークを大切にしており、PMを一人にはしません。何か問題があれば、上位も含めて施策を一緒に考えていきますので、安心して挑戦してもらえる環境を準備しています。

宇都宮
日々の朝会、進捗会議、フェーズ終了判定などで適宜アドバイスする体制を取っています。また、自身の強みが何かというのがPM判断における重要なファクターと考えますが、それについては1on1NECのキャリア自律の取り組み等を通して内省をサポートしています。

新戸
いきなり大規模プロジェクトのマネジメントに携わるのではなく、小規模プロジェクトから経験を積むようなロードマップを考えています。仮にいきなり大規模プロジェクトに参画することになった場合においても、必ず上位者が一緒に対応する体制を取りますので安心していただきたいです。

NEC金融のサポート体制を語る3名

多様なプロフェッショナルが集うNEC金融部門

NEC金融部門の強みを聞かせてください。

高橋
NEC金融部門は、大規模プロジェクトを成功させた経験を豊富に有しています。その中で磨かれ、多様な経験を積んできた人材が揃っているため、お客様のどのようなご相談に対しても、提案が可能な「経験と実績」を持っていると自負しています。

また社内には、製品部門や製品サポート部門など専門性の高い横断組織も有しています。豊富な知見を活用し、お客様のプロジェクトに最適な体制で取り組めます。「経験と実績」に加えて、「組織力」「幅広い知見」があることが大きな強みです。

NEC金融部門の強みを説明する高橋さん

最後に、新卒学生の方、キャリア採用を検討中の方などに向けてメッセージをお願いします。

宇都宮
プロジェクトは、まさに「人」が作り上げる仕事です。困難に直面したとしても、乗り越える原動力は人の「想い」だと考えます。それを体感できるのがプロジェクトマネジメントの醍醐味です。NEC金融部門は「キャリア自律」(※)を推進しているので、高いモチベーションをもって取り組んでいただけると思います。
※働く個人が自身のキャリアについて主体的に考え、自らの意思で将来の方向性を決め、その実現に向けて学び、行動し、責任を持つこと

「NEC金融部門のキャリア自律」について話す宇都宮さん

新戸
私もプロジェクトマネジメントに一番必要なスキルは「人間力」だと思っています。裏を返せば、プロジェクトマネジメントに関わることが「人間力」を鍛える一番の近道だと思います。また、宇都宮さんが話したように、NECグループはキャリアサポートが手厚いですし、大きな会社なので、様々な人に出会えます。自分が目指すべきモデルが必ず見つかるでしょう。ぜひ一緒に挑戦していただけると嬉しいです。

 「NEC金融部門での出会いが成長を加速する」と話す新戸さん

(本記事は2026年2月時点の内容です)

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