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株式会社 加賀田組様


人材・建設技術などの無形資産とデジタル技術を融合し、
ゼネコンとして新しい価値創造を目指す
- 業種:
-
- 建設・不動産
- 業務:
-
- 経営企画
- ソリューション・サービス:
-
- サービス/コンサルティングサービス
加賀田組様は、1世紀以上もの歴史を持つ 地場ゼネコンの名門企業です。同社はデジタル技術を活用して仕事の生産性を高め、建設業としての新しい価値を創り出すために、DXの推進を目的とした検討委員会を発足。委員会メンバーは、DXのコンサルティングパートナーにNECを選定し、会社組織全体で目指すべきDXビジョンと、今後5ヵ年のロードマップを作り上げました。NECは、加賀田組様の特徴を踏まえた、伴走型のサポートに徹しました。
「仕事はあるのに受注できない」――。人材不足は喫緊の課題

建設本部 技術企画部長
DX推進検討委員会 委員長
高橋 博弥 氏
加賀田組様は、新潟県内と首都圏・東北地方を中心に、土木事業と建築事業、および舗道事業を展開しています。近年は大規模物流施設の建設や、環境に配慮した街づくりに寄与する開発事業にも注力しており、これらは同規模のゼネコンには見られない強みとなっています。
建設業界では現在、施工の現場を管理・監督する人材や技術者の不足が、各社共通の課題となっています。加賀田組様においても、「仕事はあるのに技術者が足りず、受注できないケースもある」と、技術企画部 高橋氏は明かします。そこで同社は、2022年度からの中期経営計画を策定する際に、DXを推進して社員の生産性を高める戦略を掲げました。「2024年4月から建設業に適用される、時間外労働の上限規制への対応も迫っており、デジタル技術を活用して業務プロセスを変革し、新しい価値を創り出すことが喫緊の課題でした」と、高橋氏は述懐します。
同社はまず、現場の実態を確認するために、2022年12月に営業、施工、管理部門などから多様なメンバーを招集し、高橋氏を委員長とする「DX推進検討委員会」を立ち上げました。
「目指すべき姿」を定めるために、社外の視点・ノウハウを採り入れる

経営企画室 主査
DX推進検討委員会 事務局
江部 直行 氏
経営企画室の江部氏は、DX推進検討委員会が発足した当初の状況を次のように語ります。「各メンバーに話をうかがったところ、現場を統括する所長が交代したり、社員が別の拠点へ転勤する度に、使用するデジタルツールや仕事のやり方が変わるといった問題が、業務の効率を下げている実態が明らかになりました」。
また、メンバーが多様であるがゆえに、会議を重ねる度に、議論の焦点がバラバラになり、解決すべき事柄の優先順位も決めにくくなっていました。経営企画室の池乗氏は、「そもそも当時の社内は、DXという言葉がひとり歩きしている状態で、DXの目的がやや不明確でした。会社として目指すべき姿が曖昧なので、委員会事務局を務める私たちは、強い危機感を持っていました」と話します。社内各部署の意向をとりまとめ、事業・組織の全体最適を図るには、「外部の力もお借りして、加賀田組としての大きな方針、つまり中長期的なDXビジョンとロードマップを作成する必要があるという結論に達したのです」と、高橋氏は述べます。
加賀田組様ではDXのコンサルティングパートナーを選定するにあたって、4社と面談を行っています。「他社は“まずツールありき”の提案でした。しかし、NECだけは違っていました。“まず中長期的な視野に立った全社的なDXの方向性を作成してから、ツールを選べば良い”というのが私たちの認識であり、NECとは、この認識をごく自然に共有できたのです」と、高橋氏は語ります。加えて池乗氏は、「バックオフィス系のDXと施工現場のDX、この両方に精通している会社がNECでした。また、当社の基幹システムと連携させた施策づくりなども、NECとならスムーズに進められると判断しました」と補足します。
「会社の強み」や「大切にしたい事柄」を活かし、伴走型のサポートに徹する
NECのメンバーが加わった委員会は、約2か月にわたって、加賀田組様らしいDXのビジョンとロードマップの原案づくりに注力しました。
NECは、委員会メンバー全員が納得感を持って個々のプロセスに関与してもらえるよう、『伴走型』のサポートに努めました。DXビジョンの作成に必要な材料(=情報)を集める手段としては、お客様や協力会社へのヒアリングを提案。外部環境の情報収集および分析に努めました。「私たちのお客様は、“建設会社という存在があるからこそ事業が成り立っている”という認識を持っておられ、当社が直面する課題にも真剣に耳を傾けてくださいました。また、お客様から求められていることを、DXの最終ゴールに組み入れる必要性に気づくきっかけにもなりました」と、江部氏は発言します。
さまざまなステークホルダーの視点から自社を見つめ直す活動と並行して、加賀田組の社員様にDXを“自分ごと”として考えていただくためのワークショップを開催しています。NECは、社員様が仕事をする上での「強み」や「大切にしたい事柄」の集約などを支援しました。このワークショップを通じて明らかになったのは、加賀田組が創出している価値の源泉は「人間力」だということです。すぐれた技術を発揮しながら工事をマネジメントできているのは、現場の所長をはじめ各メンバーの柔軟な思考・判断と、組織間の有機的なつながり、そして互いをフォローし合える優しさでした。
これらの事実や情報を手掛かりに、委員会メンバーは今後取り組むべき課題と、5~10年後のあるべき姿を議論しました。一方、NECは委員会メンバーから出された多くの提言を、「働き方改革」「コミュニケーション活性化」「情報共有・管理」「社内外へのPR・ブランディング」「人材教育」「社外との連携によるDX」の6項目にグルーピングし、達成すべき項目の優先順位付けをサポートしました。そして、個々の部門や現場で導入が始まっているデジタル活用策の上に積み上げるような形で、ロードマップのシナリオ作成を進めました。
こうした活動を経て、2024年1月に「人間力とデジタル技術によって信頼と安心を紡ぎ、豊かな未来を創造する」という文言で始まるDXビジョンと、今後5ヵ年のロードマップ(素案)が完成しました。「ビジョンの中身には、とても満足しています。委員会にNECが加わったことで課題を絞り込めましたし、当社メンバーのさまざまな意見をグルーピングし、うまくまとめてくださいました」と、高橋氏は評価します。


人を動かすには、「数字だけでなくビジョンが大切」

経営企画室 主査
DX推進検討委員会 事務局
池乗 功希 氏
2024年2月に実施した経営会議では、本プロジェクトが経営陣からも評価を得ており、全社員を巻き込んでこのプロジェクトを継続的に推進していくよう、経営トップからの指示があったと言います。そこで、2024年度からは社内向けの説明会開催を皮切りに、働き方改革、社内外へのPR、および人材教育に資する諸施策を実行に移しています。「1~2年目は、着手しやすい施策から着手します。手始めに、建築・土木・舗道の3事業からDXのモデル現場を選定。「デジタルを積極的に活用すれば生産性が格段に向上し、将来の働き方はこんなに変わりますよ」というDXの成功例を、社員に提示します。3年目からは施策の中身をレベルアップし、5年目以降は各施策の効果で時間的な余裕ができた人材を活用し、ビジネスモデルの変革を図っていきます」(高橋氏)。また、2024年度中には各施策を牽引できるメンバーを選定し、DX推進組織を設ける計画です。
江部氏はNECによる一連のサポートを振り返り、「各部門の課題を共有していく中で、委員会メンバーの発言が徐々に前向きなものに変わっていきました。中長期的な時間軸で目指すべき姿と、必要な施策を議論できるようになったのは大きな収穫です」と語ります。
部門・支店単位の社内向け説明会を開始した現在、池乗氏は「社員の期待感や、当事者意識が伝わってきます。このDXビジョンを具体化していく過程では、経営層と現場社員の目線を合わせて、社内求心力を強化していきたいですね」と今後を見据えます。「人を動かすには、数字だけでなくビジョンが大切だと実感しました」と、高橋氏はこの1年余りを振り返ります。
加賀田組様は、新潟県をはじめとする地方都市の活性化に際して、リーダーシップを発揮できるポテンシャルを持つ建設会社です。だからこそ、デジタル技術を駆使した同社の変革は、街の進化・活性化にもつながっていくはずです。この良い流れを、NECは引き続き支援していきたいと考えています。
お客様プロフィール
株式会社 加賀田組
所在地 | 新潟県新潟市中央区万代四丁目5番15号 |
---|---|
従業員数 | 404名(2023年9月現在) |
事業内容 | 土木事業、建築事業、舗道事業、開発事業 |

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(2024年3月28日)
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