Japan
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トップメッセージ
テクノロジーによる持続可能な社会の実現を、あらゆるステークホルダーとともに。

「長期的利益の最大化、短期的利益の最適化」──。
私が常に念頭におき、従業員にも絶えず意識するよう働きかけていることです。社会に貢献するためには目先の利益ばかりを追うのではなく、長期的視点に立つことが不可欠です。なぜならば事業とは、さまざまな課題の解決を価値として提供し、その対価をいただいて新たな価値創出に向けて再投資する、このサイクルを長きにわたり繰り返していくことであるからです。「企業経営」と「サステナブルな社会の実現」の双方に通ずる、まさに要諦だと言えます。
NECグループはPurpose(存在意義)に「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。」と掲げています。これを構成する要素のひとつひとつがサステナビリティに関わるものだと皆さまもお気づきのことでしょう。
私たちのあらゆる活動はこのPurposeに基づいており、また一人ひとりの従業員が体現しています。お客さま、パートナー、そして投資家や地域社会の皆さまとともに、多様な先進テクノロジーを通じて事業を強く推進していくことが、サステナブルな世界への歩みとなります。
「今、かつてない変化の時代にある。」こうした表現は今も昔も、さまざまな場面で聞かれてきました。つまり、世界は常に変化の中にあるということです。サステナビリティやESG(環境・社会・ガバナンス)、持続可能な開発目標「SDGs」の考えにしても、そこで重視される事柄は時代に合わせて変わっていくことでしょう。AIの社会への浸透が進み「第四の産業革命」とも言える激変期にある今、解決すべき社会課題を改めて見つめ直す必要があります。
世界経済フォーラムが2025年1月に発表した今後2年間のグローバルリスクのトップ5には、「国家間武力紛争」「異常気象」「地政学上の対立」「誤報と偽情報」「社会の二極化」が挙げられました。世界に横たわるこれらの課題の背景には、そして解決のための処方箋には、AIをはじめとするデジタルテクノロジーが深く関わることは疑いありません。これらの課題解決にテックカンパニーである私たちが取り組むことは、時代から課せられた使命です。
世界を覆う不安に対する私たちの取り組みの一例が、「.JPを守る」と掲げているサイバーセキュリティ事業です。日本の官民の安心を守り続けることが、グローバルにも安心をもたらすことにつながります。また、こうした先進テクノロジー、ビジネスモデル、そして人材や組織を網羅した価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」も、お客さまのデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進するシナリオを充実させています。私たち自身の業務変革で得た知見も包含したシナリオの数々は、あらゆる企業・組織が「第四の産業革命」に取り残されないための、有効な手立てとなるはずです。
AIの活用も積極的に進めています。新たに開発した自律型AIであるAgentic AIを活用し、事業活動と自然環境との関わりを見える化・分析することで、「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)レポート」を制作しています。この制作は、NECグループのさまざまな部門から1,800人以上が自主的に参画している環境コミュニティを活用し、スピーディに活動を進めています。AIと人の力を結集して業務を高度化・効率化する好事例です。
デジタルテクノロジーがもたらす恩恵は、すべての人々が公平に享受すべきものであり、人類がより豊かに生きるための選択肢を広げるものであるべきです。NECグループは創業時からの精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」と、人権の尊重を第一とする「インテグリティ(誠実さ)」をもってテクノロジーを正しく使うことを心がけてきました。この姿勢はNECが2005年に署名した、人権・労働・環境・腐敗防止の 4分野 10 原則を謳う、世界的イニシアチブ「国連グローバル・コンパクト」にも沿うものです。
私たちは、これからもあらゆるステークホルダーの皆さまとともに社会価値を創り、Purpose実現への歩みを着実に進めてまいります。テクノロジーの力で、世界に安心と革新をお届けする。それが、持続可能な世界の実現へ向けた、私たちにできる一番の貢献だからです。
2025年7月
日本電気株式会社
取締役 代表執行役社長 兼 CEO
森田隆之